クソ映画検証35『ラスト・ブラッド』

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どうも、松本13です。今回はクソ映画検証『ラスト・ブラッド』についてです。まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『ラスト・ブラッド』は、2009年の香港・フランス合作のアクション映画。プロダクションI.Gのアニメ映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を原作としている。


【あらすじ】

16世紀から400年に渡って続いてきた人間と“オニ”と呼ばれる吸血鬼たちの戦い。日本刀でオニたちを斬る謎の少女サヤは、在日米軍基地で発生した殺人事件の陰に究極のオニと呼ばれる“オニゲン”の存在を感じ、基地内のアメリカ人学校に潜入する…


​アニメ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の実写化作品となる今作。

​実写化作品のクソ映画って、原作要素を意識するか否かで評価が大きく違ってくると思うのですが。

​ひとまず今作、原作要素を意識しなければ、洋画にありがちなヘンテコ日本を舞台とした女子高生が日本刀片手にバッサバッサと鬼を切る、ちょっとしたB級アクション映画くらいのノリでギリ楽しめる、決してクソ映画ではないかと思うのですが。

​ただ今作、原作要素を意識すると相当にひどい作品でして。

​とにかく実写映画としてやってはいけないこと、だいたい全部やっちゃってるんですよね。

​原作はメイド・イン・ジャパンですが、今作の製作国は香港・フランスという謎の組み合わせ。かつ、主演は日本人ではなく韓国人女優の起用。

​洋画にありがちなヘンテコ日本描写も満載でして。

​さらに原作改変も相当にひどく、ストーリーはもとより、基本設定である吸血鬼がなぜか「鬼」に置き換えられてしまっていまして。

​さらに原作の魅力であった対吸血鬼のスプラッターチャンバラみたいな要素も、香港映画にありがちな謎ワイヤーアクションへと置き換えられているんですよね。

​まあ、日本人役を別のアジア人が演じるというのは海外製作映画ではありがちだとは思うのですが、その代わりと言っては何ですが、ラスボスには謎に小雪が起用されていまして、これがまたかなり香ばしいことになってしまっているのですが……。

​そのようなキャスティングの部分に関しては大人の事情もありますし、いたし方ない部分もあるかとは思うのですが、ただ原作改変に関しては全く必要のない部分でして。

​ぶっちゃけ日本に対しても原作に対してもたいして愛着のない、解像度の低い人間が作った「適当な雑実写感」が否めないんですよね。

​数多くのアニメ番組が制作されている現代においては、日本刀や重火器を持った女子高生というのは特段珍しいことではないかもしれませんが。

​原作アニメ公開当時は、アニメというコンテンツが今よりもだいぶマイナーであった時代でして、セーラー服に日本刀という主人公のインパクトも今の比ではなかったんですよね。

​というより、原作アニメを含むブラッドシリーズ自体が「戦う女子高生」というテンプレの1つの原点となった作品でありまして、日本のみならず海外でも高く評価されていた作品なんですよね。

​実際今作、一昔前に「海外で人気のアニメ作品」という話題で、『AKIRA』や『攻殻機動隊』などの次くらいに名前が上がるくらいの作品だったと思うんですよね。

​そんな名作中の名作のいい部分をすべて潰してしまったのがこの作品でして。ただ半端に原型をとどめているがゆえに、別物として楽しんだり一周二周回って愛でるみたいな楽しみ方もできず。

​逆にクソ改変が異次元方向へぶち抜けている『ドラゴンボール エボリューション』の方が、まだ楽しむ余地があると思うんですよね。

​それに加え、実写化に関してはかねてより原作ファンであったクエンティン・タランティーノが名乗りを上げており、「タランティーノなら大丈夫だろう」みたいな楽観ムードもそれなりにあったんですよね。

​しかし蓋を開けてみれば、タランティーノはノータッチのとんでも映画になってしまったわけでして。

​ちなみにタランティーノが『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の要素を反映して作ったのが、映画『キル・ビル』の栗山千明演じるゴーゴー夕張でして。

​その部分だけでもいかに今作の原作解像度が低いかがわかるかと思います。

​先述のように作品単体としては決してクソ映画というほど酷くはありませんが、実写化という部分を意識すると相当に酷い作品かと。

​本当に実写化においてここまですべての地雷を踏み抜いている作品もそうはないかと思うので。

クソ映画は多々ありますが、「クソ実写」という部分においては今作、個人的にはナンバーワンの作品だったりします。

​クソ実写として世界的に有名な『ドラゴンボール エボリューション』に関しては前述の通り、設定改変が異次元の方向ゆえ別物として楽しむということもできなくはないですし。

​個人的に同じくらいのレベルのクソ実写である『進撃の巨人』に関しては、作品の生みの親である原作者の暴走ゆえの情状酌量の余地が多々あったりしますし。

​『デビルマン』に関しては個人的に、映画としてのクオリティが最低なだけで、実写化としてはそこまでクソではないと思っています。

​故に今作は個人的にナンバーワンのクソ実写作品だったりします。

​とにかく実写化としてやってはいけないことをパーフェクトにやっている作品ですので、クソ実写映画としては一見の価値がある作品なんじゃないかと。

​そもそも『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の実写化への期待が、タランティーノの『キル・ビル』で間接的ではあるにせよ叶った感があるので、そのだいぶ後に公開された今作は大して話題にもならず。

​今となっては「ラスト・ブラッド」で検索しても『ランボー ラスト・ブラッド』ばかりがヒットして今作に関する情報はほとんど出てこなかったりするので、知名度もほとんどなかったりするのですが。

​ただ作品としては本当に問題ありだと思うんですよね。そういう意味ではクソ映画としては「隠れた名作」と言えなくもないですが。

​ということで、今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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