ハート・オブ・ビースト
どうも、松本13です。
今回は『ハート・オブ・ビースト』についてです。まずは、簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『ハート・オブ・ビースト』は、2026年のアメリカのサバイバル・スリラー映画。監督はデヴィッド・エアー、主演はブラッド・ピット。
【あらすじ】
退役軍人のジェームズ・ベルモントと、生死を共にしてきた相棒である元軍用偵察犬で義足のオーディン。ある時、アラスカ上空を飛行中の機内でジェームズが心臓発作を起こし、機体は人間を寄せ付けない「魔の領域(ハート・オブ・ビースト)」と呼ばれるアラスカの広大で過酷な奥地に不時着してしまう…
ブラピと犬が人里離れた山奥で生き残りをかけたサバイバルを行うという今作、めちゃくちゃ良かったです。
そもそもビジュアル自体に名作臭がにじみ出ていまして、しかも「犬映画」ということで、この映画を見る人って感動する気満々で見るかと思うのですが。
ただ個人的には、ヒューマンドラマや犬映画には、そこまで強烈に食指が動く方じゃないんですよね。ブラピ主演ということで、必然的に期待値も上がってしまいますし。
『セブン』から『12モンキーズ』、『ファイト・クラブ』に至るまで、ブラッド・ピットって私の映画の初期衝動のど真ん中にいる俳優だったりするんですよね。ゆえに評価も必然的に辛口になってしまうのですが、ただそんな私から見ても今作、めちゃくちゃ良かったです。
『セブン』で初期衝動を覚え、タランティーノ映画では『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がベストに来るくらい偏った趣味を持っている私のような人間にもぶっ刺さるような、とても素晴らしい映画でした。
今作の監督はデヴィッド・エアー。以前、同じくブラッド・ピット主演で制作された監督作『フューリー』のポスターに「ブラピ史上最高傑作」とデカデカと書かれていて、個人的にはめちゃくちゃカチンときた記憶があるんですよね。『フューリー』も決して悪い作品ではなかったものの、ただ名作揃いなブラピ主演作品の中で問答無用でナンバーワンの作品と言えるかと言ったら全然そうではないわけでして。ましてやそれを押し付けがましくポスターにデカデカと書くなんて、めちゃくちゃセンスないなと思ったのですが。
ただ今作に関しては、「ブラピ最高傑作」と言われてもカチンとは来ないと思うんですよね。人によっては今作が最高傑作と言われてもめちゃくちゃ納得の内容。
ナンバーワンかどうかは別として、少なくともブラピの名だたる名作と並べても遜色ない作品であることは間違いないかと。
とにかく今作、ブラピと犬の演技が素晴らしいんですよね。人里離れた山奥でのサバイバルゆえ、登場人物がほぼブラピと犬だけなのですが、この2人の演技が本当に素晴らしくて、過剰な演出とか一切ないのに退屈する暇が全くないんですよね。
動物系映画として見ても、この映画みたいな強烈かつ切実な絆で結ばれた家族というのもなかなかいませんし。そして今作で退役軍人を演じるブラピのくたびれ具合が何ともいい感じでして、全盛期の彼を知っていると、今作ってめちゃくちゃ老いを感じるんですよね。
まあ、それは白髪混じりのひげを生やした顔だけで、上半身裸になったら相変わらず腹筋バッキバキでして、「全然老けてねえじゃん」みたいなところは今作唯一のツッコミどころだったりするのですが。
とにもかくにも、即死トラップ満載な厳しい自然の中をブラピとワンちゃんがサバイバルするのですが、その部分の難易度がこれまた絶妙なんですよね。おそらく一般人だったらすぐにお陀仏となっているのですが、特殊部隊上がりのブラピだからこそ生き残れるみたいな。ただ、ブラピもブラピで病気や怪我などもあって満身創痍でして、そんな縛りプレイ故に紆余曲折があるのですが、本当にその部分の難易度の塩梅が絶妙でして。
それより何より、ブラッド・ピットという人選がめちゃくちゃハマっていると思うんですよね。
デヴィッド・エアーって、シュワちゃんからジェイソン・ステイサムまで様々な筋肉俳優を起用した作品を作っているのですが、仮に今作の主演がシュワちゃんだったら、何かプレデターが出てきちゃいそうですし、年齢的にもちょっと厳しそうですし。逆にジェイソン・ステイサムだと無双して山の王とかになっちゃいそうですし。そういう意味では、ちょっと老いが見え隠れし始めたブラピというのは、本当に絶妙なキャスティングだったんじゃないかと。
とにかくヒューマンドラマや犬映画としてはめちゃくちゃ見どころのある作品。それに加え、監督はデヴィッド・エアー。これまで数々のアクション映画を監督してきた方なので、サバイバルアクション要素についてもかなりの見どころかと思います。
リアル路線の話なのでそこまで過剰な演出はないものの、容赦なく牙を剥く自然との格闘シーンはかなりの見応えがあります。デヴィッド・エアー監督って、使う時はゴア描写なども容赦なく使いますからね。
ゆえに今作、見ていて結構きついシーンもあったりします。過剰な演出のないリアル路線だからこそ余計にきつかったりするんですよね。ただそれって、見方を変えれば1つの見どころでもあるわけですし。
しかもこの映画、退役軍人のブラピと元軍用犬の話なので、めちゃくちゃ戦争映画な側面もあるんですよね。
これみよがしな描写や政治的主張などはせず、それでも戦争について考えさせられずにはいられないみたいな反戦要素、その部分も本当に秀逸だと思いました。こんな世の中だからこそ、余計に刺さるというか。
この手のメッセージって、直球で投げられると斜に構えてしまったりするのですが、こういう「副産物的な伝え方」ってめちゃくちゃ効果的ですし、本当に素晴らしいと思うんですよね。
とにかくプレーンな映画としての魅力や感動というのも多々あるのですが、これまでのデヴィッド・エアーの作ってきた数々の映画を見てきたようなアクション映画好きの鑑賞にも十分耐えうる作品ですので、デヴィッド・エアー監督作品もブラピも好きだけどちょっとこのビジュアルには食指が動かない、という人にもゴリゴリに押していきたい作品だったりします。
個人的にデヴィッド・エアーってゴリゴリのアクション映画監督でして、脳筋展開や大味なストーリーなども多々あったので、このような作品を作れることには素直に感心しましたし、その部分は嬉しいサプライズでもありました。
そんなデヴィッド・エアー監督作品であり、主演はブラピと犬、それなりにえぐい描写やアクションもあり、なおかつめちゃくちゃいい話。それに加えてめちゃくちゃぶっ刺さる反戦メッセージもあったり。そんな見応えたっぷりの映画にもかかわらず、全く冗長ではない90分程度のお手頃サイズなので、今作に関しては本当に全方位におすすめできる作品なんじゃないかと。
ブラピ主演のこの手の大作ってなると絶対2時間は超えてくると思うのですが、そうなるとまたちょっと話は違ってくると思うんですよね。気軽に見れる90分程度の尺というのも今作ならではの魅力だと思うんです。
本当にこの映画、めちゃくちゃいい映画です。
「どうせ泣かせる気満々なのだろう」と割と斜に構えてこの映画を見たのですが、ラストではめちゃくちゃ泣いてしまいました。まさかデヴィッド・エアー監督作品でこんなに泣くとは思ってもみませんでした。
ということで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。