ストリートファイター/ザ・ムービー
どうも、松本13です。今回は『ストリートファイター/ザ・ムービー』についてです。まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『ストリートファイター/ザ・ムービー』は、2026年公開のアメリカ合衆国のアクション映画。カプコンが開発した対戦格闘ゲームの金字塔『ストリートファイター』をハリウッドで実写映画化した作品。
【あらすじ】
1993年、かつて兄弟同然に育つも疎遠となった天才格闘家のリュウとケン。2人の前に現れた謎の女性格闘家・春麗から“世界格闘王決定戦”の招待状が手渡され、彼らは世界最強の猛者たちが集う過酷なトーナメントへと身を投じていく…
劇場版としては3度目の実写化となる今作。個人的にはこれまでの実写化作品も大好きなのですが、ただ、明確な成功を収められた実写化ってこれまでなかったと思うんですよね。
ゆえに、ビジュアルがかなり原作に忠実な今作に「3度目の正直」的な期待を寄せていた人も多いと思うんですよね。
ただ、蓋を開ければ興行・批評ともにかなり微妙でして、評価はかなり賛否両論。興行的にも大爆死とまでは行かないかもしれませんが、成功とは程遠い結果になってしまったかなと。
ひとまず今作、一般的なアクション映画としては、頭を空っぽにして見る系のB級作品として見るのであれば普通に楽しめるんじゃないかと。
内容云々を求めるとちょっと微妙かもしれませんが、とはいえゲーム原作ゆえ視覚効果は派手ですし、アクションシーンも豊富ですし。
ポップコーンムービーとしては一見の価値ありな作品なんじゃないかと。
というのがある程度フラットな目線で見た評価でして、とはいえ原作はあの伝説の格闘ゲーム『ストリートファイター2』なので、ファンであればあるほど冷静に見ることはできないと思うんですよね。
今作、パッと見のビジュアルはかなり原作に忠実ながら、『ストリートファイター2』から『ストリートファイターZERO』くらいまでのキャラや設定を詰め込んでいるので、削られていたり改変されていたりする部分がかなりあるんですよね。
以前の実写化が原作とはかけ離れていたので、今度は原作に忠実に実写化しようと思うも、設定を詰め込みすぎゆえに改変を余儀なくされ、結果的に原作とはかけ離れた本末転倒な作品になってしまった。という意味では、同じくカプコン製のゲームを原作とした『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』と同じ失敗をしてしまったんじゃないかと。
とにかく今作、設定詰め込みすぎゆえに展開が相当に駆け足なんですよね。
肝心な格闘シーンもセリフで結果だけ伝えられて格闘シーン0みたいな部分もありましたし、格闘シーンに関しても結構短かったりと、ちょっと不完全燃焼な部分もあったり。
あと本来ならメインキャラであるサガットは、今作にはほとんど登場しないんですよね。その部分も相当に賛否両論となってしまうかと。
サガットって世代によってはむしろ一番のラスボス的存在であったりもするので、個人的にもできればメインキャラで登場して欲しかったというのが本音なのですが。
ただ今作って、豪鬼が登場するんですよね。
豪鬼が登場するという時点で、本来最強のラスボスという立ち位置であるベガの立ち位置がちょっと微妙になってしまうわけでして、そうなるとサガットの扱いもちょっと難しくなってくるので削除されてしまうのも仕方がないかなと思うのですが。
だったら豪鬼以前の、ベガが最強であった時代の『ストリートファイター2』だけの実写化の方が良かったかと思うのですが。
ただ、リアルタイム世代としては豪鬼を出したいという気持ちもめちゃくちゃわかるんですよね。
初登場時のインパクトたるや半端なかったですし、まさにチートキャラの典型のような本当に極悪スペックな最強キャラですからね。
逆にそんなバランスブレイカー的立ち位置ゆえ、むしろ「豪鬼要らない」みたいな人もいたりしますし。
ストリートファイターの実写化の難しい部分って、評価が「シリーズの何をプレイしていたか」「誰を使用していたか」「そして誰に苦戦していたか」みたいな部分によって、人によって評価が全く違ってくる部分だと思うんですよね。
ゆえに今作も、「サガットが欲しかった」とか「豪鬼要らない」とか、色々と評価が分かれてしまうかと思うのですが。
そもそも「投げ技キャラ専門だから飛び道具使うキャラ全員敵」みたいな人もいるかと思いますし。
ただ、その部分で十人十色の評価になるという部分は、今作ならではの面白みでもあるかと思うんですよね。
そんなこんなで改変部分などについてはかなり賛否両論があるかと思うのですが、ただ今作で描かれたキャラについてはかなり好評だと思うんですよね。
原作再現度は相当だと思いますし、格闘シーンについても本当にうまいこと原作の技を再現できていると思うんですよね。
キャスト的にも個人的にはかなり絶妙だったりします。
今作でリュウを演じたアンドリュー・小路もかなりのハマり役だと思いますし、彼ってハリウッドの大味なへんてこ日本映画に大抵引っ張り出されるみたいな立ち位置だと思うのですが、そんな作品ゆえ興行成績も評価もパッとしなかったりするという、ちょっと不遇な人だったりするのですが。今作でようやく日の目を見るかと思ったらまた同じ結果になってしまったのですが、とにもかくにも役柄についてはかなりハマっていると思うんですよね。
ベガ役のデヴィッド・ダストマルチャンについても同様。デヴィッド・ダストマルチャンっていい感じの映画でいい感じの役柄を演じまくっている、個人的には超絶有能な俳優だと思っているのですが。
ただこれまでのイメージだと「ベガはちょっと違うんじゃないか」と思っていたのですが、実際にベガのコスチュームを着てみるとめちゃくちゃ似合っているんですよね。超ベガだったりします。
ジェイソン・モモアのブランカとか、50セントのバイソンとかはもう本当にそのまま、いい意味で何の意外性もないというか、とにかく最高すぎます。
あと個人的にはマ・ドンソクの剛拳がめちゃくちゃツボでした。全然ハマってないんですけど、なんかじわじわ来るんですよね。
春麗(チュンリー)については若干の賛否両論点かもしれませんが、制作元のレジェンダリーが中国資本ですし、まあしょうがないかなと。
ただ個人的には全然「これじゃない感」は感じませんでしたし、春麗の特徴であるめちゃくちゃ筋肉質な太ももに仕上げてきた部分は、むしろかなり評価したいですし。
今作の春麗ってヒロインというよりはめちゃくちゃツンツンしたキャラなのですが、個人的にはシリーズ初期の春麗って割とそんな感じでしたし、一部作品だと極悪スペックだったので、割とヒロイン的な立ち位置ではない今作の春麗はかなりありだと思いました。
あくまで個人的な印象ですが、春麗がヒロイン的な立ち位置になったのって割とシリーズが進んでからで、シリーズ初期ってそこまでヒロイン的な立ち位置でなかったような気がするんですよね。
この時代のゲームにおけるお色気担当と言ったら圧倒的に不知火舞だったと思いますし、ストリートファイターに関してもその手の人気はキャミィの方が上だったかと思いますし。
とにかくそういう部分も含め、ファンであればあるほど語りたい部分がめちゃくちゃ出てくるという部分も、今作ならではの面白みなんじゃないかと。
『ストリートファイター2』って本当に直撃世代にとってはとてつもなく大きな存在ですからね。
それまでマリオとドラクエとFFが無双していたゲーム業界に新たな風穴をぶち開けたモンスターコンテンツですし。
今ほど技術も進歩しておらず多様化も進んでいない、そもそもポケモンがまだ存在していなかったこの当時、ゲーム業界の構図って今とは全く違ったものでして、その中の『ストリートファイター2』って本当には今では表現できないくらいに大きな存在だったんですよね。
それこそ社会現象を巻き起こしましたし、アーケード・スーファミ版ともに今作に熱狂した人って本当に膨大な数いると思いますし、それこそゲームにおいての初期衝動といっても過言ではない存在という人もいるかと思いますし。
90年代ってちょっと特殊な時代でして、前述のようにポケモンというモンスターコンテンツがまだ生まれる前、かつ80年代から90年代初頭にかけてってウルトラマンや仮面ライダー、ゴジラなどなど多くの特撮コンテンツが休止期を迎えていた時期でもありまして、ポップカルチャーに対しての「飢え」みたいなものもかなりあったと思うんですよね。
ゆえにこの時代のポップカルチャーへのリアルタイム世代の偏愛って、ちょっと他の世代とは毛色が違うものだと思うんですよね。
スピルバーグ映画とか、ドラゴンボールとか、ゴジラ平成VSシリーズとか、そして『ストリートファイター2』などなど。
前述のように今作、決して問答無用の大成功作品ではありませんが、ただ作り手の「愛」というものに関してはめちゃくちゃ感じる作品なんですよね。
これが「完璧な『ストリートファイター2』の映画化」と言ったら決してそういうわけではありませんが、とはいえ「完璧な『ストリートファイター2』の映画」って多分作ること不可能だと思いますし。
ひとまず、大金かけてハリウッドスター集めた壮大なコスプレムービーとしてだけでも、一見の価値はあるかと思います。
スーファミ時代に昇竜拳を出すために指から血を出した世代、スクリューパイルドライバーを出せたらヒーローになれた世代としては色々思うことはあるものの、好きか嫌いかと言ったらめちゃくちゃ好きな作品だったりします。
とにかくビジュアルが完璧だった故にかなり期待はしていたものの、とはいえ「あのスト2の実写化だからむっちゃくちゃなことになるかも」みたいなことはどこかで覚悟(期待?)していたので、そういう部分では大当たりな映画でした。
とにかくむちゃくちゃさやインパクトという部分では、ジャン=クロード・ヴァン・ダム版や、間接的な『ストリートファイター2』実写化要素のあったジャッキー・チェン版『シティーハンター』と並べても遜色ない作品だと思うんですよね。
とにかくそのような諸々のツッコミどころなども含め、めちゃくちゃ有意義な映像体験となった作品でした。
今作が「傑作か否か」と言ったらちょっと思うところがありますが、ただ作品として「ありかなしか」と言ったらめちゃくちゃ「あり」かと思います。
とにかく人によってめちゃくちゃ極端に評価が分かれる部分が非常に面白い作品なので、一度は見ておいても損はない作品なんじゃないかと。人によっては私のように、今後も定期的に見たくなるような作品だと思うんですよね。
ということで、今回はこの辺で。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。