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サイン

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どうも、松本13です。 今回は、『サイン』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『サイン』は、2002年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。監督はM・ナイト・シャマラン。出演はメル・ギブソン、ホアキン・フェニックスなど。 【あらすじ】 妻の事故死を境に牧師を辞めたグラハムは、弟のメリル、そして二人の子供達と静かに暮らしていた。しかしその家族の前に、狂暴化する動物やミステリーサークルなど、様々な兆候(サイン)が現れはじめる… 私の中でこの作品は長年良作くらいの位置づけだったのですが、公開から20年以上経った今、改めて評価すると傑作くらい言い切ってしまってもいいんじゃないかなと思っています。 内容は普通に面白いですし、なんやかんやで公開から20年以上の間、何度も見ているんですよね。忘れた頃に定期的に見たくなる。そんな魅力がこの映画にはあると思います。 キャストもメル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ローリー・カルキン、アビゲイル・ブレスリンと、よくよく考えるとめちゃくちゃ味のある豪華なメンツ。 この映画は何者かに日常が侵食されていくというSFホラー要素と、舞台もだだっ広い畑のある田舎町ということもあって気付きづらいのですが、主人公家族4人の割とこじんまりとした話なんですよね。 主演のメル・ギブソンとホアキン・フェニックスはもちろんのこと、子役の二人もかなりいい味出してます。 そこまで意識はしていなかったのですが、この家族、何げに私の中の映画史における印象的な家族の上位だったりします。 映画における家族とパっと頭に思い浮かべると必ず最初の方にこの家族が思い浮かんだりするのですよね。 そんな妙に味のある家族の不穏さ溢れるやり取りがこの映画の大きな魅力の一つだと思います。 かといって緊張感満載の映画かと言ったら決してそういうわけでもなく、むしろ設定はガバガバだし、ツッコミどころの多々ある笑える映画だと思います。 これだけ不穏な雰囲気で真面目にやっているにも関わらず、なぜかクスりと笑えてしまう妙な面白さがあるんですよね。 よくよく考えるとツッコミどころ満載な大味で笑える映画って私の大好物なんですよね。 にもかかわらずこの映画が私の中で傑作ではなく良作止まりだったのは、この映画の監督がM・ナイト・シャマランだったからだと思います。 この頃ってまだ私を含め、多

男たちの挽歌

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どうも、松本13です。 今回は、『男たちの挽歌』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『男たちの挽歌』は、1986年制作の香港映画。監督はジョン・ウー。主演はチョウ・ユンファ。 【あらすじ】 相棒のマークと香港の裏社会を仕切るホーは、学校を卒業した弟キットが刑事を志していると知り、足を洗おうと決意。部下のシンと最後の取引に臨むが、それは敵の罠だった… 今作は監督のジョン・ウーと主演のチョウ・ユンファの出世作としても有名。その名を世界に知らしめた名作中の名作と言っても過言ではないかと思います。 今でも様々な場所で語られたり引き合いに出されたりしているので、タイトルやビジュアルや作中のワンシーンなど、大抵の人は一度くらいはどこかで見かけたことはあるのではないでしょうか? じゃあ実際に見たことがある人はどれくらいいるかと言うと、公開が大分昔ということもあり、そこまで極端に多くはないかと思います。 配信サイトなどでの再生回数はそれなりにあるかと思いますが、おそらくその中の大半は私のようなこれまで何度も見たことがある作品のファンによるものだと思います。 この映画はめちゃくちゃ素晴らしい映画なのですが、何分公開が少し昔ということもあり、また香港ノワールという今ではちょっと手を出しづらい、というか当時を知らない人にとってはよくわからないジャンルなのかもしれませんが、とにかく映画史に残る往年の名作の中ではとっつきづらい部類に入る作品なのかもしれません。 主演のチョウ・ユンファにしても全盛期をリアルタイムで知らない世代にとってはちょっととっつきづらい部分もあるかもしれません。どちらにしてもジャッキー・チェンほど気軽にはいかないかと思います。 それに世代が違うとチョウ・ユンファの魅力というのはちょっと分かりづらかったりする部分もあるかもしれませんし。 実際私も男たちの挽歌についてはリアルタイムで鑑賞したというわけではなく、むしろ私が物心ついた時にはすでに今のような名作扱いとなっていました。 ビジュアルに関してもちょっと古いイメージがありましたし、チョウ・ユンファの格好良さというのもいまいち分かりませんでした。 が、実際に見てみると作品の圧倒的な面白さと、それより何よりチョウ・ユンファの圧倒的な格好良さにやられました。 もちろん主人公のティ・ロンやレスリー・チャンな

イップ・マン外伝 マスターZ

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どうも、松本13です。  今回は、『イップ・マン外伝 マスターZ』 についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『イップ・マン外伝 マスターZ』は、2018年の香港映画。実在の武術家葉問(イップ・マン)を主人公とする人気シリーズの三作目『イップ・マン 継承』のスピンオフとして制作された。 【あらすじ】 詠春拳の正統争いに敗れた男は、武術と闇稼業から足を洗い、息子と穏やかな日々を送っていた。しかし、犯罪組織に追われていた女たちを救ったことで彼はその組織と対立し、再び武術を解き放つ… イップ・マンを題材とした映画は多々ありますが、当たり外れが結構激しかったりします。 というよりもドニー・イェンのイップマンが圧倒的すぎて、そこそこの良作程度では満足できなかったりします。 この作品はドニー・イェン主演のイップ・マンシリーズの作品です。が、しかし外伝的作品ということもありドニー・イェンの出演はほとんどなし。回想シーンに一瞬出てくる程度。 なのでそこまで期待はしていなかったのですが、いい意味で期待を激しく裏切られました。 この映画はめちゃくちゃ面白いです。カンフー映画としてもアクション映画としても恐ろしく完成度が高い。 ドニー・イェン主演の過去作品と同じぐらいのテンションで見ても全く問題ないレベルです。ドニー・イェンが出演していないからと期待値を下げる必要もなし。めちゃくちゃ期待して大丈夫です。 どんなに期待値を上げて見ても大抵の人の期待は叶えられる、それくらいに素晴らしい内容の映画です。 今作の主人公であるチョン・ティンチ を演じるのはマックス・チャン。彼もとても素晴らしい俳優ではあると思うのですが、しかしながらドニー・イェンと比べるとやはり少し弱いかなと。 ドニー・イェンと比べれば大抵はそのような評価になってしまうかと思うので、そもそも比較するのが酷なことではあるかと思うのですが。とはいえ過去作品ではドニー・イェンがいた主役の位置にいるわけなのでどうしても意識せずにはいられません。 確かに主人公単体では若干弱い部分はありますが、この映画は脇役がとにかく豪華。脇役も含めて考慮すれば本家イップ・マンと比べても引けを取らないレベル。 シリーズがヒットしたついでにもう一本作っておいた、みたいな低予算映画というわけではない制作陣の本気の度合いが伝わってきます。 今作の

エクスペンダブルズ ニューブラッド

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どうも、松本13です。 今回は、『エクスペンダブルズ ニューブラッド』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『エクスペンダブルズ ニューブラッド』は、2023年のアメリカ合衆国のアクション映画。『エクスペンダブルズ』シリーズの第4弾であり、2014年公開の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』の続編。 【あらすじ】 消耗品=“エクスペンダブルズ”という最強軍団を率いるバーニーは、CIAから依頼を受け元相棒のリーを訪ねる。再び手を組んだふたりを、アジトで昔の仲間と新顔が迎える。彼らは第3次大戦勃発の火種となりかねないテロリストが持つ核兵器の奪還へ向かう。 エクスペンダブルズシリーズは私にとってお祭り映画なので、シリーズが続けられる限りその祭りには参加するつもりです。 もはや内容云々は関係なく、いつものメンバーがいつもの通りやってくれていればいいかなくらいの気持ちで見ています。 ストーリーはあってないようなものですし。 なのでエクスペンダブルズ4についても私個人としてはとても楽しめました。 が、しかし世間の評価はあまりよろしくないようで。 日本で公開する以前の全米公開時にすでにあまり評判がよろしくないような声が聞こえてきていました。 そもそもストーリー云々に関しては今に始まったことではなく、むしろ初代公開時からずっと言われていることだったりします。 とにかくこの作品の評判がよろしくない一番の理由はキャスティングかと思います。 80年代から90年代にかけての映画スターが勢揃いすることがエクスペンダブルズシリーズの一番の魅力だったと思うのですが、今作品はその部分が非常に弱い。 いつもの主要メンバーに加え、イコ・ウワイスとトニー・ジャーが出る時点で相当に豪華だと思うのですが。 ただ彼らの登場に盛り上がっているのはインドネシア映画やタイ映画時代の彼らの活躍に熱狂した人がほとんどなんじゃないかと。 何かの映画で見たことはあるにせよ、彼らの登場に豪華さを感じられる人は限られると思いますし、とにもかくにもこれまでのシリーズに登場した誰もが知っている大スターというわけではありません。 しかもこの映画はスタローンからジェイソン・ステイサムへの明確な世代交代がなされている映画でもあります。 今回のスタローンは完全な脇役。主役はステイサム。 普通ならとっくに引退し

アンダードッグ 二人の男

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どうも、松本13です。 今回は、『アンダードッグ 二人の男』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アンダードッグ 二人の男』は、2016年の韓国のクライム・アクション映画。出演はチェ・ミンホ、マ・ドンソクなど。 【あらすじ】 家を持たない不良グループのリーダー・ジニルは、仲間と一緒に盗みと転売を繰り返し生きていた。ある日、ジニルが仕事でミスをした穴埋めに美人局を画策するもゴリラのようなおっさんがやってきて… SHINeeのミンホと人気俳優マ・ドンソクW主演! が売り文句なこの映画。 アイドルグループの誰々が主演!なんて売り文句の映画は日本だと大抵ライトなラブコメか、ちょっと泣ける感じの感動系なんてパターンが多いですが。 この映画は地獄の地獄で血反吐にまみれるパターンのゴリゴリのサスペンスです。事務所への忖度とかはないのでしょうか?と見ていてちょっと心配になってしまうレベル。そういう部分の容赦の無さがまた韓国映画の魅力でもあるかと思うのですが。 この映画に限らずアーティストやアイドルが扮する登場人物が洒落にならないレベルの地獄に突き落とされるというパターンの韓国映画は結構あると思うのですが、入り口で一旦地獄を見せるみたいな、登竜門的意味合いでもあるのでしょうか? 個人的にはこの映画はダブル主演のもう一方のマ・ドンソク目当て。ドンソク映画として見ました。 とはいえ今回の作品は単独主演ではなくダブル主演なので、そこまでいつものドンソク要素はないかなと思ったのですが、意外と見どころは十分でした。 大抵どの映画でも暴力担当のドンソクの兄貴。今作でもしっかり魅せてくれます。 マ・ドンソクの役どころと言ったら大抵は刑事か反社かどちらかですが、今回は違法風俗の店長という何とも香ばしい反社会的な役どころ。 しかも投資で失敗して経済的にはカツカツ。しかし家に帰ると娘を愛する家庭人な一面も。 暴力担当という部分は変わらないながら映画によって正義だったり悪だったりするドンソクの兄貴。 今回はゴリゴリの反社会的な黒ドンソクながらも時折人間らしい白ドンソクも垣間見えたり。その部分が見どころの一つでもあったりします。 まあ暴力兄貴という部分は相変わらずなのですが。 そんな兄貴相手に美人局を画策してしまったのが運の尽き。 紆余曲折ありながらも結局バチバチにしばかれ、借金を背

ガンパウダー・ミルクシェイク

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どうも、松本13です。 今回は、『ガンパウダー・ミルクシェイク』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ガンパウダー・ミルクシェイク』は、2021年のアメリカ合衆国のアクション・スリラー映画。出演はカレン・ギラン、レナ・ヘディなど。 【あらすじ】 敏腕殺し屋の女性・サムは、ターゲットの娘を庇ったことが原因で、所属していた暗殺組織から追われることとなる。サムの命を狙って次々と刺客が送り込まれる中、彼女は数々の武器が保管されている図書館に逃げ込み、凄惨な戦いに挑む… この映画はいわゆる女アサシン物の映画です。女性の殺し屋が主人公の映画ですが、『ニキータ』のような恋に落ちてしまう系の話ではなく、割と派手にドンパチやる感じの爽快感のある話です。 内容も特に重すぎず、かと言って軽すぎもせず、とても気持ちよく鑑賞する事ができました。 何か一つ突出した部分のある映画ではありませんし、極端に高評価の多い映画ではないかと思いますが、しかし残念な点もなく、あらゆる要素が平均以上でまとまっているいい映画だと思います。 殺し屋映画と言ったら今や何と言っても『ジョン・ウィック』かと思いますが、あれは何十年かに一回レベルの名作であって、全ての作品にあのレベルを求めるのは酷というもの。 この手の殺し屋映画というのは意外とガバい設定のツッコミどころの多い映画が多かったりするのですが、この映画は殺し屋映画としてはかなりしっかり作られている作品だと思います。 世界観もそれなりに作り込まれているし、殺陣シーンも結構ひねりが効いています。 「そうはならんだろう?」というようなシーンもあるのですが、そういう一周回って笑えてしまうようなコメディ要素などについてもこの映画の魅力の一つかと思います。 逆に言うとジョン・ウィックのような重厚さはあまりないので、その部分に期待しすぎるとちょっと残念な気分になってしまうかもしれません。 この映画はサイバーパンクっぽいコントラストの、割と最近の可もなく不可もない映画にありがちなビジュアルだったので、私としてもそこまで過度な期待はしていませんでした。結果としてはそれが大当たり。 この映画は本当にいい意味で可もなく不可もない映画。 コンテンツ過多な昨今ではむしろこのくらいの映画の方が個人的にありがたかったり。 たまにしか映画を見ないならば重厚な一作もあり

マギー

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どうも、松本13です。 今回は、『マギー』についてです。 まずは 簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『マギー』は、2015年にアメリカ合衆国で製作されたホラードラマ映画。製作・主演はアーノルド・シュワルツェネッガー。 【あらすじ】 近未来。感染するとゾンビになってしまう謎のウイルスによって世界は崩壊の危機を迎えていた。アメリカ合衆国の田舎町に住むヴォーゲル一家もゾンビとウイルスの恐怖に怯えながら生活を送っていたが、ある日一家の16歳の娘マギーがウイルスに感染していると診断され隔離病棟へと収容されてしまう… この映画はシュワちゃん映画の中ではトップクラスに評判のよろしくない映画です。 その理由についてはもう異論を挟む余地のないくらいに明らかかと。 シュワちゃんが主演するゾンビ映画と言ったらシュワちゃんがバズーカやガトリングガン片手に無双する展開を期待するわけですよ。 しかしバズーカもガトリングガンも出てこない。 そういう作品は過去にもありましたし、腰撃ちマシンガンくらいでもいいじゃないですか。 と思ったらそれもなし。 じゃあチェーンソーか?斧か?マチェットか?どちらにしても無双はするのでしょう? え…するんですよね…?しないの?全くしないの? となったらまあ評価が低くなるのもしょうがないんじゃないかと。 この映画を見る多くの人が、ほとんど全てと言っても大げさではないかと思いますが、シュワちゃん映画、もしくはゾンビ映画として見たと思うので。 しかしながらこの映画はシュワちゃん映画ではないんですよね。そしてゾンビ映画でもない。 アクション要素はほとんどありませんし、血しぶきトバー生首スポーン内臓デローンみたいなグロシーンも殆どありません。 まあビジュアルで多くの人が期待する要素のほとんどすべてがこの映画にはありません。 シュワちゃんは出ていますがシュワちゃん映画ではなく、ゾンビが出ているもののゾンビ映画でもない。 この映画の内容はゾンビを題材とした人間ドラマというのが適切かなと。 とはいえ主演がシュワちゃんなのだから見る側はそれはもう期待をしちゃいます。 しかしそこであえてシュワちゃんのアクションを封印する、みたいな余計な事って新進気鋭のイキった若手監督がやりがちなイメージがあるのですが。 まあどちらにしてもキャストミスだよなと思わなくもないのですが。 この映画はシュ

バーバリアン

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どうも、松本13です。 今回は、『バーバリアン』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『バーバリアン』は、2022年に制作されたアメリカのホラー映画。民泊を利用した女性が恐ろしい事態に巻き込まれていく姿を予測不可能な展開で描く。 【あらすじ】 仕事の面接を受けるためデトロイトにやって来た女性テスは、ネット予約した宿泊先の民家に到着するが、そこには既にキースという男性が滞在していた。嵐の中、他に行く当ても見つからないテスは、キースとともにそこに宿泊することを決める… この映画、めちゃくちゃ面白かったです。 私のような偏った趣味の人間にはめちゃくちゃ刺さる内容の映画でした。 ここ数年のホラー映画では『エスター ファーストキル』と『マグリナント 凶暴な悪夢』と並ぶ傑作。 そう考えるとここ数年のホラー映画というのはかなり豊作ですね。 上述の作品を一つでも見たことがあり、その内容が好きなのであれば他の作品もおそらく好きなはず。 この作品の傾向としては「その手」の作品だと思います。おそらくこれだけでも伝わる人には伝わるかとは思いますが。 主人公の女性が民泊サービスで予約した宿に行くとダブルブッキングで、すでに先客の男性が。しかもその宿にはどう考えてもまともな用途に使われたではないであろう超絶怪しい地下室が。 これどう考えても先客の男が怪しいと思うのですが、映画はまだまだ序盤。もう犯人ほとんどわかっちゃったようなものなのだけれどここからどう物語が進んでいくのだろうか? …からの展開が超絶に面白い。めちゃくちゃ引き込まれますし、もう夢中になって見てしまいました。 予想不可能なストーリー展開に翻弄されまくり、しかし荒唐無稽な超展開というわけではなく、ラストはめちゃくちゃしっかりと落ちますし、バーバリアンというタイトルの回収もしっかりとなされます。 いやー面白かったな、というのが本当に素直な感想です。 正統派ホラー作品とはちょっと違った毛色の作品なので、それなりに好みは別れるかと思いますが、好きな人は本当に大好きなはず。どちらにしてもとても良くできた映画なので一見の価値はあると思います。 しかも途中からジャスティン・ロングが登場。 このジャスティン・ロングがこれまた凄まじい。何がどう凄まじいかはネタバレなので伏せますが。 そもそもホラー映画にジャスティン・ロングが

アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界

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どうも、松本13です。 今回は、『アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界』は2015年制作のアメリカのホラー映画。『スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間』の続編。 【あらすじ】 謎のウィルスに感染し、恐ろしいゾンビとなって街中をパニックに陥れた美女サマンサ。感染後のサマンサと関係を持ってしまったライリーは、自身も感染しているのではないかと性病の検査を受けるも結果は陰性。安堵したのも束の間、やがてサマンサと同じように身体に異変が起こりはじめる… 今作は『スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間』の続編。前作直後の話です。 前作の紆余曲折があってゾンビウイルスに感染してしまった男性が主人公の話。ということさえ分かっていれば前作を見なくても楽しめるかと思いますが、とはいえ前作ありきで見た方がより楽しめるかと思います。 前作からの繋がりがとても綺麗なのでおそらく最初から続編ありきだったんじゃないかなと。 パート1パート2というよりは前編後編という感じなので、可能な限り前作と通して見た方が楽しめるんじゃないかと。比較的尺の短い映画なので両方見ても三時間は超えないと思いますし。 今作は前作に比べるとあまり評判がよろしくないのですが。とはいえ個人的にはそこまで悪くはないんじゃないかなと思っています。 今作の主人公は前作の脇役ということもあり、前作に比べると絵的にはどうしても地味になってしまいがち。前作ありきで見るとそこまで問題はないのですが、この映画単体で見ると若干弱いかなと。説明不足な部分もあったりしますし。 そんな問題点はあるものの、前作では謎のまま終わった部分が今作で解明されていくのでストーリーとしては結構面白いです。 ただツッコミどころや明らかに大味すぎる部分もあるので、そこまで期待値を上げずにB級ホラー感覚で見るのがいいのかなと。 前作同様今作も終始じめっとした嫌な感じで物語が進んでいきます。視覚的にもかなりきついシーンも多々あったり。 極端に言うと最近ありがちなウイルス感染系のサバイバルアクションというよりは、ルチオ・フルチ監督作品のような古き良き陰鬱さに満ちた作品といえます。 逆に言うとゾンビがばーっと走ってきて、首が

毒戦 BELIEVER

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  どうも、松本13です。 今回は、『毒戦 BELIEVER』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『毒戦 BELIEVER』は、2018年公開の韓国映画。2013年公開のジョニー・トー監督による香港・中国合作映画『ドラッグ・ウォー 毒戦』のリメイク作品。 【あらすじ】 巨大麻薬組織に君臨し、その悪名を轟かせているにも関わらず、誰ひとり本名も経歴も、顔さえ知らない麻薬王“イ先生”。麻薬取締局のウォンホ刑事は、組織壊滅のため大胆かつ危険極まりない筋書きによる、組織への潜入捜査を決意する… この映画はいわゆる黒幕は誰なんだ系映画です。この手の映画って途中である程度犯人が分かってしまったりもするのですが、とはいえ最後まで見ないと本当のところは分からないのでなんやかんやで面白かったりするのですが。 黒幕は誰なんだ系のサスペンス映画と言ったら、『ユージュアル・サスペクツ』が代表的かと思います。 ユージュアル・サスペクツで言うところのカイザー・ソゼがこの映画で言うところのイ先生です。 それが誰なのかが分かりそうでわからない、分かったようで本当にわかっているかどうかがちょっと曖昧だったり、大どんでん返しがあったり。最後の最後まで目が離せません。 ジャンルとしては韓国ノワールに分類される映画かとは思いますが、ユージュアル・サスペクツのような純ミステリーサスペンス的な成分も多分に含まれているので、そのような楽しみ方もできるかと思います。 ユージュアル・サスペクツのような歴史的傑作ほどの期待値を持ってみるべきではないかと思いますが、過剰な期待さえしなければ十分に楽しめる作品だと思います。 韓国ノワールと言ったらエグい描写や胸糞鬱展開が定番ですが、この映画は香港・中国映画のリメイクということもあり、良くも悪くもそのような韓国ノワール特有の成分は控えめです。 なので韓国のその手の映画としては比較的見やすい作品ではあるかと思います。 韓国ノワールの「いつものやつ」を求めている人にとってはちょっと物足りないかもしれませんが。とはいえサスペンス映画としてはかなり面白い部類に入るかと思います。 作中の登場人物についてもかなり個性豊かな極悪人が何人も登場します。 よくあるテンプレ通りの悪人というわけではなく、割と色々なパターンの悪人や狂人がポンポン登場し、いきなり退場くらったり

甘い人生

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どうも、松本13です。  今回は、『甘い人生』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『甘い人生』は、2005年公開の韓国映画。主演はイ・ビョンホン。 【あらすじ】 ソウルにある高級ホテルの総マネージャー、ソヌ。クールで頭の切れる彼は、裏社会にも絶大な力を持つボスのカンからも厚い信頼を得ていた。非情な男カンは、若い愛人ヒスを監視させ、もし裏切りを見つけた場合は、彼女を殺すか、自身に連絡するようソヌに命じるのだが… この映画、パッと見のビジュアルとタイトルで何かしらのラブロマンスと勘違いしてしまう人もいるかもしれませんが、内容はゴリゴリのサスペンスです。 クールで頭も切れる主人公を演じるのはイ・ビョンホン。スーツがめちゃくちゃ似合う。しかも頭が切れるだけじゃなく腕っぷしもめっぽう強い。 まさに隙なしの人物として描かれています。それこそ過剰なくらいに。 しかし韓国サスペンスやホラーにおいて、序盤に過剰なくらいにいい描き方をされた人物が無事でいられた試しがなく、むしろ映画序盤での充実っぷりというのは最凶のフラグだったりします。 実際この映画もボスの愛人の監視を命じられたあたりから徐々に雲行きが怪しくなっていきます。 そうやって物語が動き出していくのですが、韓国サスペンスにしては色々と控えめ。あまり過激な描写などもありません。 なのでこの映画は多分魔性の女に人生を狂わされる男たちの心理描写を中心にストーリーが進んでいくのだな…まあたまにはそこまでグロくもなく胸糞展開などもない韓国サスペンスもいいかもなと… そう視聴スタンスを改めたのですが間違いでした。結局終わってみればいつもの韓国サスペンス。地獄の地獄でした。 その地獄がまた予想外の方面からやってきて、予想外の方面へ進んでいく地獄なので先行きの予想が全くできません。 韓国サスペンスに出てくる登場人物というのは大抵頭がおかしい(褒め言葉)ので、本当に何をやり出すのかわからないんですよね。 平常時はともかくとして追い詰められたりすると。 絶対に選んではいけない選択肢を選んだり、そもそも何食って生きていたらそんな無茶苦茶なことを思いつくのか?なんて選択肢もあったり。 なので物語の先行きが全く読めない。その部分のヒリヒリ感が韓国サスペンスの魅力だったりもするのですが。 とはいえこの映画は序盤で「今回はそういう感

ジーパーズ・クリーパーズ

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  どうも、松本13です。 今回は映画、『ジーパーズ・クリーパーズ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ジーパーズ・クリーパーズは、2001年のアメリカ合衆国のホラー映画。ヴィクター・サルヴァが監督、主演はジーナ・フィリップスとジャスティン・ロングが務めた。タイトルは1938年に発表された同名の楽曲に由来している。 【あらすじ】 23年前、カップルがドライブ中に行方不明になり、死体がいまだに見つかっていないという都市伝説がある町。この町に春休みで帰省した姉妹は不気味なトラックを目撃する。そのトラックが遺体を運んでいる事を知ってしまい、しつこく追いかけられる羽目になる… この映画の製作総指揮はフランシス・フォード・コッポラ。『地獄の黙示録』や『ゴッド・ファーザー』シリーズを作った映画界の巨匠です。 ジーパーズ・クリーパーズに関しては監督ではなく制作総指揮の立場ですが、劇場公開時のポスターにしてもソフト発売時のパッケージにしてもデカデカとコッポラの名が刻まれていました。 なので私としてもこの映画はコッポラ映画として見ました。 ゴッド・ファーザーのような往年の名作レベルとは言わずとも、まあそれなりに重厚な内容であるだろうと。 実際序盤はコッポラ映画としても何の違和感も感じずに見れたりします。 しかし物語が進んでいくにつれ違和感が。そしてその違和感は次第に大きくなり、物語はとんでもない方向へと転がり出します。 コッポラ映画と思って見てみたらとてつもなく予想を裏切られました。 その裏切りがいい意味でか、悪い意味でかは見る人によって判断が分かれるところかと思いますが。 なのでこの映画の評価についても決して肯定的な意見が大半というわけではありません。 しかし興行的にはしっかり成功しており、続編も製作されていますし、このシリーズのファンも多くいます。 ちなみに私にとってこの映画の裏切りは、とてもいい裏切りでした。コッポラ映画と思って見たら思わぬ拾いものをしたといった感じです。 詳細を話すとネタバレになってしまいますのでその部分は伏せますが、ひとまずまだ見たことがない人は上述した程度のうっすらとした知識を持って見るくらいがこの映画を一番楽しめるんじゃないかと思います。 コッポラ云々の要素がなかったとしてもホラー映画としてはそれなりによくできているので、よほど

海にかかる霧

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どうも、松本13です。 今回は、『海にかかる霧』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『海にかかる霧』は、2014年公開の韓国映画。2001年に起きたテチャン号事件を戯曲化したものを、映画監督のポン・ジュノのプロデュースにより映画化。 【あらすじ】 漁船チョンジン号のカン船長は金に困り、中国から朝鮮族を密航させる仕事を引き受ける。夜の海上で、闇に紛れて中国船から多数の密航者を乗り移らせるチョンジン号。だがその帰り、監視船に遭遇してしまい… この映画は実際の事件をモデルとした映画ですが、あれこれ下調べをせずに予備知識なしで見た方がより楽しめるかと思います。 私は何の予備知識もなくこの映画を見たので、本当に大満足でした。めちゃくちゃ面白かったです。 とはいえそこまで大きな期待もしていなかったのですが。 韓国サスペンスと言ったら陰鬱な展開と目を背けたくなるような容赦のないグロ描写が特色ですが、なんとなくテーマと言うか雰囲気的にこの映画はその手の韓国サスペンスにありがちな要素に関しては控え目かなと勝手に予想していました。 が、その予想は見事に裏切られることとなりました。 海に生きる男たちの熱い物語とか、そういう感じなのかなと私は勝手に思っていましたし、実際映画の序盤にはそのような要素もあります。 また密航者たちとの心の交流、みたいなのかなとも思ったりしました。序盤にはそのような要素もあります。 しかし海洋警察の巡視船が現れたあたりから徐々に不穏な空気が漂い始め、そして物語はあらぬ方向に。 そのあらぬ方向があらぬ方向過ぎて完全にしてやられました。 そこからの怒涛の展開についても、おそらく事前に予想できる人はほとんどいないのではないでしょうか? ふと気づくと序盤の雰囲気はすっかり鳴りを潜め、息が詰まるような、見ていて胃が痛くなるような展開の連続。 そりゃ韓国サスペンスだし、ポン・ジュノプロデュースだし、おまけに主演はキム・ユンソク。血の臭いしかしない。冷静に考えればまともに終わるはずがないのも当たり前っちゃ当たり前なのですが。 とにかく何を考えているかわからない、死んだ目をしたおっさんを演じることに定評のあるキム・ユンソクがこの作品でも魅せてくれます。 多くの人間の命を預かっている船長という立場ながら、とにかく何を考えているかわからない。 この作品も他の作

デッド・ドント・ダイ

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どうも、松本13です。  今回は、『デッド・ドント・ダイ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『 デッド・ドント・ダイ 』は、2019年のアメリカ合衆国のゾンビコメディ映画。監督はジム・ジャームッシュ。 【あらすじ】 ある日、アメリカの田舎町センターヴィルのダイナーで変死事件が起きる。町の警察署で働くロバートソン署長とピーターソン巡査が調査に向かったが、その事件を皮切りに町はゾンビで溢れ返ってしまう… この映画はジム・ジャームッシュが監督したゾンビ映画ということで一部では話題にもなりました。 ジム・ジャームッシュと言ったらインデペンデント映画界の巨匠と呼ばれたり、オフビートな映画の代名詞的存在であったりと、誰もが知っている映画監督ではないにせよ、知る人ぞ知る巨匠として数々の名作映画を生み出してきた監督です。 この映画はそんなジム・ジャームッシュが監督したゾンビコメディ映画です。 ゾンビ映画ではなく、ゾンビ コメディ映画。 そしてオフビート感溢れるいつものジム・ジャームッシュ映画とも少し毛色が違うものです。 この映画の評価がそこまで高くないのは、期待と実際の内容とのミスマッチが原因となっている部分も少なからずあるんじゃないかと思います。 逆にコメディ要素ありきで見ればこの映画はかなり楽しめる映画かと思いますし、個人的にはとても好きな映画です。 もちろんいつものジム・ジャームッシュの映画とまではいきませんが、とはいえジム・ジャームッシュらしさが皆無というわけでもありません。最低限のジム・ジャームッシュ成分はしっかり摂取できます。 ちなみにこの映画は死体が蘇る系のゾンビ映画です 。 近年のゾンビ映画にありがちな感染系ではないので、噛まれてゾンビ化はしません。とはいえ噛まれて死んだらゾンビとして蘇りますが。 ウイルスか何かによって凶暴化したりもせず、走ったりもしません。レトロなノロノロゾンビです。 一見すると、なるほどインデペンデント映画界の巨匠が撮った古き良きゾンビ映画なのだな、と思ってしまいがちですが、良くも悪くもこの映画はゾンビコメディ。 要所要所にちょっと不穏なセリフだったり、メタい話だったりが出てきたりします。そして最後の最後にまさかの展開が待っていたり。 コメディ要素はあるものの、お腹を抱えて笑えるようなギャグではなく、オチも膝を打ってな

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