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BECKY ベッキー

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  どうも、松本13です。 今回は、『BECKY ベッキー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『BECKY ベッキー』は、2020年に公開されたアメリカ合衆国のスリラー映画。主演はルールー・ウィルソン。 【あらすじ】 母親を亡くした少女ベッキーは、別荘で父親との時間を過ごしていた。ところが、そこに逃走中の凶悪犯たちが現れ、襲いかかるのだが… この映画はめちゃくちゃ面白い映画です。まさに正しいB級映画。拾いもの映画の典型のような素晴らしい作品です。 監督やキャストに関しては知名度はほとんどなく、そこから内容や作品のクオリティを予想することは不可能。 なのでまあビジュアルは面白そうだけど、さて内容はどうだろうか?そんな感じで見てみたら期待をはるかに上回る面白さ。 そういう拾いもの映画を見つけた時の喜びって何だか独特なものがあったりしますよね。 おそらくこの映画をB級映画以外の期待値で見る人はほとんどいないかと思います。そういう意味ではこの映画を見る人の大抵は期待以上の楽しみを得られるかと思います。 内容も非常にシンプルでテンポもよく、そして90分程度で終わるちょうどよさ。 爽快感もかなりあります。もちろんその爽快感はB級ホラー的な爽快感なので、一般的な爽快感と少し違ったものではありますが。 ストーリーに関してはあらすじがほとんど全てです。 反抗期の少女VSネオナチの脱獄囚というどう考えても勝ち目のない対決であったりするのですが。 しかも主人公の少女は別にキリングマシン製造施設で生まれたわけでも、人間兵器として育てられたわけでもなく、何の訓練も受けていない普通の一般人。 学校ではむしろいじめられっ子。母を亡くし父との関係もうまくいっておらずといった状態で、常日頃からフラストレーションがたまりまくり。 作中のとあるきっかけでそんなフラストレーションやその奥に秘めた狂気が大爆発し、そして何故かバーサーカーとして覚醒。 そこからの展開がまためちゃくちゃ面白い。 前半は少女版『ダイ・ハード』のような展開で、その後は殺意マシマシの『ホーム・アローン』のような展開。 シーンによってはちょっとしたジョン・ランボーのようになっていたりもしたり。 とはいえ相手もそれなりに修羅場をくぐったネオナチの脱獄囚。殺しもいとわない極悪人なのでそうすんなりともいかないのですが

グランツーリスモ

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どうも、松本13です。 今回は、『グランツーリスモ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『グランツーリスモ』は、2023年のアメリカ合衆国の伝記ドラマ映画。同名のレーシングシミュレーションゲームシリーズと、10代のグランツーリスモプレイヤーでありプロのレーシングドライバーとなったヤン・マーデンボローの実話に基づいている。 【あらすじ】 世界的大ヒットのドライビングゲーム「グランツーリスモ」のプレイに夢中なヤン。そんなヤンに、グランツーリスモのプレイヤーを本物のレーサーとして育成する「GTアカデミー」というビッグチャンスが訪れる… なるほどなるほど。そんな映画みたいな話が実際にあったんですねと、概要を見て納得。 実際、ゲームグランツーリスモの実写化と聞いて、一体どうやって映画にするんだろうか?と思ったのですが、そんな実話があったとは。私はレースにもゲームにも全く興味がなかったので知りませんでした。 レースはともかく、ゲームについてはシリーズ初期の頃から体験版や友達の家などでちょいちょいプレイはしていたのですが、特別好きであったり自分で買ってプレイするということはありませんでした。 が、グランツーリスモの映画はめちゃくちゃ面白かったです。 私のようにグランツーリスモというゲーム自体は知ってはいるけどそこまで好きではないような層に絶賛されていたので、私も気になって鑑賞してみたのですが、その評判通りとても楽しむことができました。 むしろ自分がそのような層だからより楽しめたのかもしれませんが。 グランツーリスモや実際のレースに愛着のある人だと、また違った目線や評価になる部分もあるかもしれないな、なんて思ったり。 実際レースゲーマーがリアルのレーサーになるというのはなかなかにすごいことだと思います。 おそらく反発なんかも相当にあったのではないだろうかと。風当たりに関しても同様。 とはいえレーサーというのは目指すこと自体がとても難しい職業であるとは思うので、入り口自体がとても狭いです。 あえてそこからではなく、世界中に何百万といるグランツーリスモプレイヤーの中からレーサーに必要な資質を持つ人間を選ぶというのは、ある意味合理的といえば合理的と言えます。 とはいえ、それを実際に行動に移したことはとてもすごいことだと思いますが。 レーシングゲームをやっていたらプ

イコライザー THE FINAL

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  どうも、松本13です。 今回は、『イコライザー THE FINAL』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『イコライザー THE FINAL』は、2023年のアメリカ合衆国のアクション・クライム・スリラー映画。『イコライザー』シリーズの第3弾。 【あらすじ】 シチリアでの事件で負傷し心身ともに限界を迎えたマッコールは、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町にたどり着く。人々の優しさにふれて穏やかな余生を望むのだが、その町にも魔の手が迫る… 舐めてたやつが実はクソ強だったというパターンの映画で、おそらく近年で一番メジャーなのはイコライザーシリーズなのではないでしょうか? 『ジョン・ウィック』も出だしこそ同じでしたが、後に全く違った方向に展開していくので。 パート1ではホームセンター従業員、パート2ではタクシー運転手。 そんなカタギの仕事をしつつ、日常に潜む悪を見つけたら必殺仕事人となって成敗。 デンゼル・ワシントン演じるマッコールさんの格闘術はまさに効率重視の早業の連続。 魅せるというよりただひたすら淡々と処理していく感じが職人チックで、その部分がマッコールさんの魅力であったりします。 作中に出てくる悪役はほとんど秒殺なので同じような内容の他の作品ほど苦戦するシーンはないのですが、パート3となる今作では序盤にいきなり大ピンチを迎えます。 ホームセンター従業員、タクシー運転手ときて、パート3のマッコールさんは入院患者としてのスタート。今回のマッコールさんはなんと無職です。 イタリアの片田舎で無職生活を満喫するマッコールさん。もうこのままここに住んじゃってもいいかも?なんて思ったり。 これまで自分と自分以外との適切な距離を頑なに守ってきたマッコールさんですが、この作品で初めてその距離感が揺らぎます。 その部分にまたちょっとした老いや疲れを感じてしまったり、そして完結編でこのパターンになると早晩ろくなことが起きない…なんて不安になってしまったり。 そしてその不安はもちろん的中。地元民とマフィアとのトラブルを目撃してしまいます。 もちろんそれらを無視なんてできないマッコールさんは彼らを秒殺。 もちろん下っ端をやられたらボスが黙っているわけもなく、しかも秒殺したメンバーにはボスの弟が。 というわけでマッコールVSイタリアンマフィアの戦いが本格的に始まるわけで

バイオレント・ナイト

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どうも、松本13です。  今回は 、『バイオレント・ナイト』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『バイオレント・ナイト』は、2022年のアメリカ合衆国のクリスマスを題材としたブラックコメディアクション映画。出演はデヴィッド・ハーバーとジョン・レグイザモなど。 【あらすじ】 クリスマスイブの夜。疲れた体に鞭打ち子供たちにプレゼントを届けるために空を駆け巡るサンタクロース。だが、とある富豪家族が暮らす屋敷に煙突から忍び込んだところ、武装集団と鉢合わせしてしまう… 物欲まみれの現代っ子に嫌気がさし、やさぐれたサンタ。この仕事も今年で最後でいいかと向ったプレゼントの届け先がこともあろうに強盗に占拠された家という不運。 というわけでサンタが武装強盗相手に孤軍奮闘という、いわばサンタクロース版『ダイ・ハード』のようなストーリー。 これはめちゃくちゃに面白い映画です。 おそらくこの映画のビジュアルから期待するような要素は大抵叶えられるかと思います。 この映画がダイ・ハードっぽいのは何もシチュエーションだけではなく、1人また1人と強盗をやっつけていく、サンタクロースのその手際がまたダイ・ハード的というか、ジョン・マクレーンぽかったりします。 この映画に出てくるサンタクロースは、今は落ち着いているものの昔はゴリゴリのワルで、相当な武闘派だったという設定。 しかしながらそれは昔の話で今は年を取り、腹も出た老体。 ということで強盗との格闘シーンもスタイリッシュだったり、効率的にサクサク殺していくというわけではなく、むしろ一人一人にかなり苦戦したりします。 格闘シーンの一つ一つもいちいち泥臭く、その部分がこれまたなんともダイ・ハード的だったりします。 しかもそれらの格闘シーンの一つ一つもかなり凝っていて、特にゴア描写はかなり力が入っています。 内容においてはだいたい予想通りではあったのですが、ゴア描写の激しさは予想外でした。個人的にその点は嬉しい誤算ではあるのですが。 とはいえ一見すると子供が見ても大丈夫そうなビジュアルだったりするのですが、ゴア描写などがかなり激しいため、子供にはおすすめできない内容かと思います。 逆に言うとしっかり大人向け。確実にアクション映画好きにターゲットを絞った作りになっている映画です。 上述の通りアクション要素に関してはかなり作りこんであ

ザ・ホエール

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どうも、松本です。 今回は、『ザ・ホエール』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ザ・ホエール』は、2022年のアメリカ合衆国のドラマ映画。主演のブレンダン・フレイザーの演技は高い評価を受け、アカデミー賞をはじめ、多数の賞を受賞した。 【あらすじ】 ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意する… この映画はカテゴリで言うとドラマに分類される作品かと思います。 特にSFでもホラーでもなく、かといってサスペンス的な展開もない人間ドラマ中心のストーリー。 個人的にその手の映画をあまり積極的に見る方ではないのですが、配給がA24、監督はダーレン・アロノフスキー、主演はブレンダン・フレイザーということもあり、鑑賞をするに至りました。 普通だったら素通りする類の映画なのですが、配給会社も監督も主演俳優も信頼できますし、実際私の中には数々の実績があります。 逆にその中の要素の一つでも欠けていたのなら、私は素通りしたかなと思います。A24配給とはいえ主演が見知らぬ俳優だったりしたら。 しかしながら今作品の主演はブレンダン・フレイザー。 『ハムナプトラ』や『センター・オブ・ジ・アース』などで子供の頃に何度もお世話になったという人も多いかと思います。私もその口です。 近年はメインストリームから遠ざかっていたブレンダン・フレイザーがこの映画でアカデミー賞を受賞し、久しぶりにカムバックしたことも大きな話題となりました。 しかも監督はダーレン・アロノフスキー。彼は映画『レスラー』においてミッキー・ロークで全く同じことをしています。 当時のミッキー・ロークも同じくメインストリームからはしばしご無沙汰をしており、そしてレスラーで久しぶりのカムバック。 そんなダーレン・アロノフスキーによるブレンダン・フレイザー主演映画。そう考えると内容云々はともかくとしても一度は見ておきたいという気分になってしまいます。 そういう経緯での鑑賞ゆえ、おそらくブレンダン・フレイザーという俳優そのものにそれなりの思い入れを持ち、作中の人物といくらか重ねて見ているゆえ、通常の鑑賞とはちょっと違った視点で見ている部分

悪のクロニクル

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どうも、松本13です。 今回は、『悪のクロニクル』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『悪のクロニクル』は、2015年公開のクライム・サスペンス映画。制作国は韓国。 【あらすじ】 名誉ある大統領賞を授与され、昇進を控える敏腕刑事のチェ班長。同僚たちによる祝宴の帰り、タクシーの運転手に襲われたチェは、乱闘の末に誤って運転手を殺してしまう。昇進に影響することを恐れたチェは、証拠を隠滅し、その場を立ち去るのだが… あらすじを一見してわかる通り、この映画は最悪なタイミングで人生最大のやらかしをしてしまった人間が、それをきっかけに地獄の泥沼にはまっていく系の映画です。 この映画、めちゃくちゃ面白いサスペンス映画です。 韓国映画のサスペンスではありますが、この映画は私のような一部の人間から絶大な人気のあるゴア描写満載の血みどろサスペンスではなく、その手の描写は控えめ。 なので純粋なサスペンス映画として楽しむことができます。 ちなみにこれまた私のような一部の人間から絶大な人気のあるマ・ドンソクも出演していますが、今回はあくまでも脇役の一人として。自身の主演作品のようなリアルハルクバスターのような無双シーンはありませんのでその点での過剰な期待は禁物です。 韓国サスペンスと言ったら血まみれゴア描写が個人的に一番に思い浮かぶ特色なのですが、『最後まで行く』のような胃が痛くなるようなある一つの事件をきっかけとして、地獄の地獄にはまっていく、そのような展開もよくよく考えてみれば韓国映画の十八番芸だったりします。 この映画の恐ろしいところは冒頭数分で主人公の班長が恐ろしいほどに恵まれた環境で充実した生活を送っていることが描かれている点です。 それこそもう過剰すぎるくらいに。 韓国映画において冒頭でそのような描かれ方をされた人間がろくな目にあったためしがなく、むしろ待ち受けているのは地獄の地獄。 まあ早晩ロクなことにはならないだろうと思って見ていたら案の定やらかします。が、しかしそれだってまだ冒頭の範囲。 そこからそれこそ胃に穴の空くような綱渡りの連続。 そんな展開もさることながらこの映画の素晴らしい点はストーリーの先が全く読めないところです。 主人公は何とか生き延びようと場当たり的に右往左往するのですが、とはいえ徐々に追い詰められていきます。 しかしそこで伏線がいきな

ピギー

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どうも、松本13です。 今回は、『ピギー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ピギー』は2022年公開のクライム・ホラー映画。制作国はスペイン。 【あらすじ】 太った体系のせいで酷いいじめに遭っていた10代の少女。彼女は、いじめっ子たちがさらわれた誘拐事件の唯一の目撃者となったことで、運命を狂わされていく… 個人的にこの映画はいい意味で予想を裏切られた映画でした。 もうジャケットからしてかなりインパクトがありますが、この映画は一見したビジュアルから予想する内容と実際とでは少し差異があるかもしれません。 コンプラにうるさいこの時代にこれは果たして大丈夫なのだろうか?と、思わず心配になってしまうようなビジュアルなのですが。 人によっては割と笑えるホラー方面の内容を期待してしまうかと思うのですが、その手の期待は控えめにしておいた方がいいかと思います。 笑えるシーンがないから面白くないのかと言ったらそういうわけでもなく、映画としてはむしろめちゃくちゃ面白いです。 私としては多少笑える要素はありつつ胸糞展開と爽快感の入り混じるリベンジ ホラーなのかなと思っていたのですが、その部分の期待はいい意味で裏切られることとなりました。 この映画のプロモーション自体がリベンジホラーとして展開されているので、そのような期待を持ってしまうのは当たり前だと思うのですが。 しかしながらこの映画はありがちなリベンジホラーとは少し違った性質の映画かと思います。 この映画は胸糞展開から爽快感へズドーン!というタイプではなく、むしろじっくりじとじとと「魅せる」タイプの映画かと思います。 いじめのシーンなどもB級ホラーなどにありがちなテンプレ化されたものというより、妙なリアルさがあって見ていて本当に胸糞が悪くなります。 まあそこまでは多くの人の予想通りではあるかと思うのですが、その後の展開が人によってはかなり予想外と感じられるかもしれません。 爽快感満載のリベンジホラーというわけではありませんが、かと言ってそれらの要素が皆無というわけではなく、むしろリベンジ要素は大いにあります。 それでもありがちなリベンジホラーとならないのは、主人公の少女がめちゃくちゃいい仕事をしているからだと思います。 いじめられて泣いて…そして復讐に燃えて…そういうわかりやすい人物描写ばかりならある程度展開

ワイルド・スピード/ジェットブレイク

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どうも、松本13です。 今回は映画、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、2021年に公開したアメリカ合衆国のカーアクション映画。監督はジャスティン・リン。『ワイルド・スピード』シリーズの第9作目。 妻や息子との平穏な暮らしに落ち着いたドム。だが昔の仲間の要請で、再び辣腕ドライバーとして復帰し、南米でコンピューター兵器を回収するという危険な任務に参加する。ドムたちのチームは一旦は成功するも、襲ってきた武装集団に兵器を奪われてしまう… 個人的にこの映画は超がつくほど好きな映画です。 全世界に熱狂的なファンを持つワイルド・スピードシリーズですが、私個人としてはこれまでの作品については超がつくほどは好きではありませんでした。 決して嫌いというわけでは ないのですが、ただ他のシリーズ物やユニバース映画に比べると思い入れは少し劣るかと思います。 自分の好きな映画については制作発表時から公開を心待ちにしたりしていますが、ワイルド・スピードシリーズに関してはそこまでではありませんでした。 それは別にワイルド・スピードシリーズが劣っているというわけではなく、ただ単に私の好みの問題なのですが。 そんなこんなでこれまでのワイルド・スピードはそれなりに面白いなと思いつつも、私のツボにぶっ刺さるような作品はなかったのですが、今回ついにぶっ刺さってしまいました。 とにかくジェットブレイクは冒頭からラストまで怒涛の展開。 細けえことはいいんだよ!とばかりにアクション! カーチェイス!筋肉!のオンパレード。 もちろんこれまでのシリーズにも少なからずそれらの要素はあったのですが、というか直近の作品でも限界までそれらの要素を詰め込んでいたのですが、ジェットブレイクはそれ以上の詰め込みようです。 限界を超えて詰め込んだらどうなるか?ブレイクします。そう、この作品はタイトルの通りジェットブレイクしています。 その壊れようがとにかく半端じゃない。 作品崩壊レベルのことをやらかしているのに、その勢いだけで1周回って、否、2周3周回ってありくらいの力技で片付けているのはまさにジェットブレイクとしか言いようがありません。 とにかく爽快感全振りのアクションの濃度がとんでもなく、2時間半という尺の長さを感じさせ

アンカット・ダイヤモンド

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  どうも、松本です。 今回は映画、『アンカット・ダイヤモンド』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アンカット・ダイヤモンド』は、2019年のアメリカ合衆国のクライム・スリラー映画。主演はアダム・サンドラー。 【あらすじ】 口先だけで生きてきた宝石商のハワードは商品の宝石を盗まれ多額の借金を抱えることに。窮地に立たされた彼は起死回生の一手を狙う… この映画の配給は、これまで数々の地獄のような映画を世界中にばらまいてきたA24です。ということでまともな映画ではありません。 もちろん映画としてはとても優れた内容の作品ですが、万人におすすめできる内容ではありませんし、賛否も激しく分かれるかと思います。 特にこの映画は無理な人は本当に無理、大嫌いというタイプの映画かと思います。 とはいえこの映画は特別超自然的な現象が起きたり、人外が登場したりすることはありません。主人公は生物学的には普通の人間ですし、舞台も現代のニューヨークです。 A24配給の映画としてはパッと見のビジュアルやあらすじなどがちょっと地味に感じられてしまう人もいるかと思いますが、内容については決して地味なことはなく、むしろ他の映画では味わうことができない、いい意味での鑑賞ストレスや絶妙な不快感を味わうことができます。 前述した「主人公は生物学的には普通の人間」、という部分ですが、この映画の主人公は身体構造的には普通の人間ではあるのですが、精神構造的には普通ではありません。 言ってしまえば口先だけで生きているクズ中のクズ。しかしながらそのクズっぷりがとてもリアル。程度の差はあれど都会の繁華街にはよくいるタイプの人間だったりします。 まあそんな人間が平穏無事にずっと生きていけるかと言ったら決してそういうわけではなく、むしろ人生終わりかけてます。 既に映画序盤で尻に火がついている状態。それがどんどんと燃え上がっていきます。もちろん当人もそれを何とかしようと必死に右往左往。 しかし状況は悪化する一方。そんな状況に正気も徐々に削がれていき… そうやって泥沼にはまっていく様がもう本当にリアル。 とにかくのっけからラストまで胃に穴が空きそうな展開の連続です。 過去に借金などをしたり、経済的にやらかしたり、ギャンブルやガチャの泥沼にはまったり、そんな経験のある人間にとっては相当に身につまされる展開の

ラストサマー

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どうも、松本です。 今回は映画『ラストサマー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ラストサマー』は、1997年のホラー・スリラー映画。脚本は『スクリーム』の脚本担当者ケヴィン・ウィリアムソン。 【あらすじ】 7月4日の夜、4人の男女を乗せた車が不注意から男性をはねてしまう。事件の発覚を恐れた彼らは男性を海に沈め、この事を決して誰にも口外しないと、互いに固く誓いあう。それから1年後、「去年の夏、何をしたか知っているぞ」と書かれた手紙が届き、かぎツメの男がつきまとうようになる… ラストサマーは同じ時期に似たような内容の『スクリーム』が公開されたこともあり、個人的には スクリーム「じゃない方」の映画といった印象が強かったです。 が、よくよく考えると10代後半の男女が正体不明の殺人鬼に追われるという点以外にそこまで共通点はなかったりします。 10代後半の男女が正体不明な殺人鬼に追われるというのは別にスクリームやラストサマーに限ったことではなく、スラッシャーホラーなどではありがちなことだと思います。 とはいえパッと見の映画の雰囲気やイメージは結構似てたりもするのですが。 スラッシャーホラーの金字塔とも言えるスクリームと公開時期がかぶってしまったということもあり、スクリームに比べるといまいちパッとしない部分もあったりするのですが。 とはいえこの映画単体で言えば十分に面白い映画だったりします。 パッと見のイメージはスクリームと似てはいますが、スクリームは手に汗握る展開と大どんでん返しが魅力のスラッシャー ムービー。 スクリームという映画のすごいところは、本来B級であることが多いジャンルの映画にも関わらず、A級もしくはS級と言っていいエンターテイメントの質に達しているということ。 一方のラストサマーは基本に忠実にしっかりB級映画をしているといった印象です。 なんとなく見た目のイメージは近いですが、映画としての性質は結構違うものだったりします。 私はどちらの映画も好きなのですが、スクリームを見たい時とラストサマーを見たい時の気分は明確に違います。 スクリームはとにかくびっくりさせられるシーンが多い映画です。それが売りの一つでもあるのですが。 シリーズ作品も多く出ており、ストーリーの前後のつながりや登場人物など、意外と覚えることなども多く、良くも悪くも楽に見れ

レイジング・ファイア

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どうも、松本です。 今回は映画『レイジング・ファイア』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『レイジング・ファイア』は2021年の香港・中国合作映画。2020年8月に逝去したベニー・チャン監督の遺作となった。 【あらすじ】 長年追い続けてきた凶悪犯ウォンとマフィアの麻薬取引現場に踏み込むはずだった警部チョン。ところが、直前になってチョンのチームは作戦から外され、警察の動きを熟知した何者かが、捜査官たちをウォンの一味もろとも惨殺する。捜査線上に浮かび上がったのは、4年前に起きたある事件を発端に復讐心を燃やすチョンの元部下だった… この映画、めちゃくちゃ好きな映画です。というより少なからずアクション映画が好きな人間でこの映画が嫌いという人はいないのではないでしょうか? それくらいに魅力のぎっしり詰まった素晴らしい映画です。ツッコミどころや隙が全くない万能型の映画。 『HEAT』と『ダイ・ハード』と『ポリス・ストーリー』を足して割ったような、と言えばこの映画の魅力が少しは伝わるでしょうか? まさに大人のお子様ランチ。 ここまで没頭して夢中になれた映画というのも中々無いかなと思います。 この映画に対する個人的な印象。それは香港映画全部乗せ。 80年代から90年代の香港映画に慣れ親しんだ世代にとっての全てがこの映画の中にあると言っても過言ではないかと思います。 香港ノワールからド派手なアクション、銃撃戦、肉弾戦、胸熱展開から爆発、カーチェイスに至るまで。 香港映画全部乗せ。そしてアクション映画としても全部乗せ状態だと思います。 それだけの要素を詰め込んだらちょっとバランス的におかしくなってしまったり、無駄に尺が長くなってしまったり、どこかしらおかしな部分が出てきてしまったりするのですが、この映画はそれら全ての部分が見事に調和しており、奇跡的にと言ってもいいくらいのバランスで一つの映画として成立しています。 昔の香港映画のように、ここぞというアクションシーンなどでこれ見よがしなスローモーションは使ったりしないのですが、もしそのような演出を使っていたらアクションシーンの大半がスローモーションになってしまうくらいにアクションシーンのレベルは高いです。 個人的には古典的なスローモーション演出も大好きなのですが、最近の映画はそういうとんでもないアクションシーンもさ

コカイン・ベア

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どうも、松本です。 今回は映画、『コカイン・ベア』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『コカイン・ベア』は、2023年に公開されたアメリカ合衆国のスリラー・コメディ映画。1985年にアメリカ合衆国ジョージア州でアメリカクロクマが麻薬密売業者が投棄した大量のコカインを摂取し、薬物の過剰摂取により死亡した実際の事件をモチーフにしている。 【あらすじ】 ジョージア州の森に様々な理由で終結した、警官、犯罪者、観光客、若者の集団。だがその森では、意図せずコカインを摂取した狂暴な巨大なクマが暴れまわっていた… この映画は個人的にとても好きな映画です。そしておそらくこれから何度も見る事になるだろうと思います。 一口に好きな映画と言っても色々な種類があり、好きではあるものの内容的にそこまで気軽に見ることができないものもあったりします。長尺故にという場合もありますし。 その点この映画は上映時間95分というちょうどいい長さ。内容もスリラーコメディということもあり、視聴に何かしらの警戒やコンディションを必要ともしません。 なんやかんやで回数お世話になる映画というのはそういう映画だったりします。 コカインを食べて凶暴化したクマが人を襲うというストーリーの時点でこの映画にB級映画以上の内容を期待する人はほとんどいないかと思います。 とはいえB級映画と一口に言ってもピンからキリまでありますが、この映画はとてもよくできたある意味で理想的なB級映画とも言えます。 タイトルも用いた題材も、完全にネタに走っているので、一見するとアサイラムなどにありがちな低予算のネタ映画がたまたま当たった感が強いですし、私自身その手の映画かと思っていたのですが、思いの外しっかりと作られています。 もちろん低予算であることは間違いないかと思いますが、それらは一般的な大作映画と比べての話で、アサイラムやサメ映画のような超低予算映画に比べれば全然お金はかかっているかと思います。 そういう意味でもしっかりB級映画をしています。 最近C級映画やZ級映画を見ることが多かったせいで、映画の質に関する下限というものがものすごく下がっていたせいもあるかと思いますが。 よくよく考えれば世界的に劇場公開された作品。ビデオスルーというわけでもなく。 監督はエリザベス・バンクス。キャストにはレイ・リオッタなど、有名俳優の

ボーはおそれている

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どうも、松本です。 今回は映画、『ボーはおそれている』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ボーはおそれている』は、2023年制作のアメリカ合衆国のホラー・コメディ映画。ホアキン・フェニックス主演。 【あらすじ】 ボーは些細なことでも心配になってしまう怖がりの男性だった。ある日、先ほどまで電話をしていた母の怪死の報せを受け、帰郷しようとするボーだったが、アパートの玄関を開けると、目の前に広がるのはいつもの日常ではなく、現実とも妄想ともつかぬ世界だった… 『ミッドサマー』のアリ・アスター監督作品、『ジョーカー』のホアキン・フェニックス主演。ミッドサマーをはじめ数々の地獄のような映画を世界中にばらまいてきたA24が配給。 もうこれだけでいい予感は全くしないわけです。地獄の地獄は確定しているわけです。 正直これほど間違いない組み合わせというのもそうはないんじゃないかなと。 ホアキン・フェニックス主演の地獄のような映画というと、そのインパクトが絶大だっただけにどうしても『ジョーカー』を思い浮かべてしまうのですが。 とはいえ今作でホアキン・フェニックスが演じる主人公もジョーカーと少し似ている部分があるかと思います。 まず精神的に不安定。精神科に通院しています。 そして住んでいる街の治安が最高に終わっているという部分もジョーカーと共通です。主人公が住む街はゴッサムシティ以上の地獄っぷりです。 正直言うと私はこの映画は全然わかりませんでした。 分かったふりをしてそれっぽい解釈をすることも可能ですし、ある意味そういう楽しみ方ができる映画でもあると思いますが。 この映画にしても、クリストファー・ノーランの『TENET』のような映画にしても、アカデミー賞受賞で話題となった『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 にしても、私個人としてはわかったようでわからない解釈をするよりは、素直に「わからない」でいいかなと。 火薬量がものをいう脳筋映画や「うんこ!ちんちん!デュクシ!」で育った人間がこんな映画理解できるわけがないんですよ。 とはいえこの映画はわからないなりに楽しむことのできる映画でもあるかと思いますし、わからないというスタート地点からの周回プレイというのも大いにありかと思います。 うろ覚えではありますがアリ・アスター監督が確かインタビューで「この

ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦

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どうも、松本です。  今回は映画、『ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦』は2021年に公開された、アメリカのSF映画。制作はアサイラム。 【あらすじ】 30年以上前に打ち上げられた宇宙探査船が、北米の砂漠に墜落し、実験動物として乗せられていた猿エイブラハムの生存が確認される。やがて、地球の大気に触れたエイブラハムは巨大化して脱走。墜落地点の砂漠でも、異常な大きさに変わったトカゲが出現する… ビジュアルの時点ですでに多くの人がお察しだと思いますが、この映画は『ゴジラVSコング』のパクリ映画です。  便乗映画などとも言われていますが。 インターネットがなかった一昔前ならともかく、今やこの手の映画は作る方も見る方もそれなりの確信犯だとは思いますが。 制作は便乗映画で定評のあるアサイラム。安定のアサイラムです。 大抵の便乗系映画はZ級映画であることが多いのですが、この作品はその手の作品にしては珍しくよくできていたりします。 もちろんよくできているというのは、他のZ級映画に比べてということで、普通の映画として見たら見られたものではないのですが。 この映画を見て驚いたのはパッケージ画像にある二匹の怪獣がしっかりと作中に登場し、そしてパッケージのような戦いをちゃんとするということです。 何を当たり前のことを言っているんだという人もいるかもしれませんが、アサイラム映画に限っては、パッケージに描いてある物事が作中に一切登場しないということも普通にあるので、パッケージ詐欺ではないということは評価に値する点だと思います。 そして怪獣の登場頻度もそれなりにあります。決して多くはありませんが 、とはいえ皆無ではありません。後半にちょっと登場するレベルでもなく、序盤からちょいちょいその姿を見せてくれます。 CGに関してはお世辞にもよくできてるとは言えませんが、とはいえ見られないレベルでもありません。 30年ぐらい前の低予算映画としてなら全然見れるレベル。 この映画はアサイラム作品にしては珍しく詐欺要素がほとんどありません。作品自体が詐欺のようなものと言われたらぐうの音も出ませんが。 とはいえパッケージの怪獣はしっかりと出てくるし、内容もしっかりと怪獣映画しています。 この作品のネタ

炎の少女チャーリー

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どうも、松本です。 今回は映画、『炎の少女チャーリー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『炎の少女チャーリー』は、スティーヴン・キングの小説『ファイアスターター』を原作とした、2022年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。本作は同じ小説を原作とする1984年の同名映画のリブート版となる。 【あらすじ】 アンディとヴィッキーには、生まれながらに不思議な能力を持つチャーリーという娘がいた。彼女が成長するにつれ、その能力は覚醒し始め、多感な10代を迎えるころには、感情の揺らぎに呼応するようになりチャーリー自身もコントロールできないパワーへと変化していた。父親アンディはその能力を懸命に隠し続けようとしたが、政府の秘密組織“ザ・ショップ”はついにチャーリーの存在に気づき、軍事利用しようとスパイを差し向ける… この映画の一般的な評価は平凡という言葉がぴったりと当てはまると思います。 星5つ評価で3つから2.5の間を行ったり来たり。支持率でいうと50%程度。 決して良くはないのだけれど、かと言って突出して悪くもない。それこそ平凡という言葉がぴったりな評価分布。 その手の映画は大抵、大味なことが多く、大味な映画が好きな私にとってはむしろかなり期待できる数値だったりします。 結論から先に言ってしまえば、この映画は期待通りに大味な内容で個人的には大満足でした。 原作がスティーヴン・キングということもあり、 私も含め、多くの人が『キャリー』と同じような内容を想像していたと思うのですが、実際に見てみるとキャリーとは少し違ったストーリー展開でした。 その部分をいい意味で裏切られたととるか、悪い意味で裏切られたととるかでこの映画の評価は変わってくると思いますし、その部分で評価が分かれた故に最終的には平凡な評価の作品となってしまったのだと思います。 スティーヴン・キング原作の映画と聞くと、つい名作を期待してしまいがちです。 確かにスティーヴン・キング原作の映画には、映画史に残る名作が何本もありますが、ハズレも結構多かったりします。 むしろイマイチな作品の方が多いのではないでしょうか?少なくとも原作小説に比べると映画の打率が圧倒的に低いことは間違いないかと思います。 なので個人的にはスティーヴン・キング原作の映画を見る時は、そこまで過剰な期待はしないようにしています。 例え

アクアマン/失われた王国

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どうも、松本です。 今回は映画、『アクアマン/失われた王国』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アクアマン/失われた王国』は、DCコミックスの同名のスーパーヒーローをベースにした、2023年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。2018年の『アクアマン』の続編であり、「DCエクステンデッド・ユニバース」の第13作目であり、これが最終作となった。 【あらすじ】 伝説の兵器によって邪悪な力を解き放ったブラックマンタ。海底アトランティスの王アクアマンは、海と地上の世界を守るべく、仲間たちと共にブラックマンタに立ち向かう… この映画、個人的にはめちゃくちゃ楽しめた映画でした。 本国アメリカでは相当酷評されたようですが。 日本公開以前にそのような話が漏れ伝わってきていたので、ある程度の覚悟はしていたのですが、全然そのようなこともなく、普通に面白い映画でした。 バットマンやスーパーマンなどの数々のDCヒーローを共演させるDCEU最終作品である今作が、「普通に面白い映画」、で終わっていいのかという問題はあるのですが。 確かにDCEU作品としては酷評されても仕方がないのかもしれません。 DCEU最終作品と銘打つからには、それなりの展開なり大団円があるのだろうなと期待するのが普通だと思いますし。 そういう意味ではこの映画はDCEUに思い入れや期待が強い程、残念感の強い映画なのかもしれません。 私はDCガチ勢ではないので、もしかしたら本国のガチ勢でないとわからない酷評される何かしらの要因があるのかもしれませんが。 ゴジラに対しての認識が日本と海外とではちょっと違うように。 それとキャストに関するちょっとしたゴタゴタや、何かとゴタゴタしているキャストについての問題が評価に影響した可能性もなきにしもあらずですが。 ただ私のような比較的ライトな層がそこそこの期待値で見る分には十分面白い映画だと思います。 軽すぎず、かと言って重すぎもせず、そこまで複雑なストーリーでもなく、前作1本見ておけばとりあえず理解できて、なおかつこれから何作も見なくてもいいし、サブスクに登録してドラマを見なくてもいい。 思えばそういうアメコミ映画って随分久しぶりな気がします。 そういう部分のライトさも個人的には好きでした。 マーベル疲れなんて言葉が囁かれ始めて久しいですが、この映画はそんなア

スーサイド・スクワッド

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どうも、松本です。 今回は映画、『スーサイド・スクワッド』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『スーサイド・スクワッド』は、DCコミックスの同名のスーパーヴィラン・チームをベースにした2016年のアメリカ合衆国のアクション映画。DCエクステンデッド・ユニバースの3作品目。 【あらすじ】 スーパーマンが消えた世界に危機が訪れる。そこで政府は服役中の凶悪犯を集め、特殊部隊スーサイド・スクワッドを結成。冷酷なスナイパー・デッドショットやジョーカーに思いを寄せるハーレイ・クインなど、一癖も二癖もある凶悪犯たちが解き放たれる… 今作は2016年公開のスーサイドスクワッドです。いわゆるデヴィッド・エアー版。 今やスーサイド・スクワッドと言ったらジェームズ・ガンによってリブートされた方が正史となっているので、こちらのスーサイド・スクワッドは 「じゃない方」のスーサイド・スクワッド扱いをされているかと思いますが。 というよりほとんどなかったことにされている作品かと思います 公式がこの映画をなかったことにしてリブートしてしまうのですから相当なことです。ファンによってなかったことにされたり、ある程度時間が過ぎてからのリブートというわけでもありません。 公開後、数週間から数ヶ月で駄作との評価が固まり、その数年後には公式になかったことにされてしまうのですから、ここまでスピード感のある落ちぶれ方をした大作映画というのもそうはない気がします。 スーサイド・スクワッドに関しては、超がつくほどメジャーな作品、かつ圧倒的低評価の作品なので、この作品に関してはオブラートはもはや不要かと思います。 思えば洋画の大作で、ここまでおおっぴらにクソ映画と呼べるような映画というのもなかなかないんじゃないかと。 単に評価の低い映画なら他にも腐るほどあるかと思いますが、この映画に関しては公開前の期待値がとてつもなく高い作品でした。 スーパーマンやバットマンなどを共演させるDCエクステンデッドユニバースの作品ということもあり、最高の期待値で多くの人が公開と共に劇場に駆けつけました。 なので興行成績については悪くはなく、むしろかなり成功した部類。 が、内容に関しては最低。もちろん評価も最低。 賛否両論とかそういう話ではないレベル。 近年まれに見る欠陥映画。後に制作に関して相当な紆余曲折があったこ

ディセント

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どうも、松本です。 今回は映画、『ディセント』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ディセント』は、2005年のイギリス映画。監督はニール・マーシャル。 【あらすじ】 交通事故で夫とひとり娘を失ったサラを励まそうと、友人のジュノは女性6人で洞窟探検をすることを企画。アパラチア山脈のチャトゥーガ国立公園内の洞窟にやってきたサラたちは探検を始めるが、途中で崩落により出口への通路をふさがれてしまう… ディセントは私の中で、『セブン』や『ミスト』と並ぶ胸糞映画です。 私の中では本当に名作中の名作。それくらいに大好きで何度も見ている映画です。 爽快感のあるアクション映画ならともかく、胸糞の悪くなる映画なのに何度も見たくなるというのは、よほどの魅力がないとできないことだと思います。 実際、胸糞映画の多くは一度見たら二度と見たくない映画だったりします。内容的に優れていたとしても、もう一度見たいとは思わなかったり、そもそもただ胸糞が悪いだけで中身がなかったり。 そのようなことが多々あるジャンルにも関わらず 、定期的に見たくなってしまうのは、それだけ作品に強烈な魅力があるからだと思います。 セブンやミストに比べると、ディセントは若干知名度的に劣るかと思いますが、内容に関してはセブンやミストと並べても遜色ないレベルかと思います。 ディセントの公開は2005年。2000年代のホラー映画と言うとディセントの他にも様々な名作や良作がありますが、個人的にディセントはその中でも頭一つ抜けた名作だと私は思っています。 何度も見たくなる胸糞映画というのは、胸糞なりに綺麗にオチがついているからこそ何度も見たくなるのだと思います。 胸糞なりのきれいなオチなのですから、もちろん大団円やハッピーエンドというわけにはいきません。 胸糞映画には見当違いのハッピーエンドや、明後日の方向へぶん投げて終わりというパターンもよくあったり。 それだけ決着の付け方が難しいということなのだと思いますが。 ディセントやセブンやミストが素晴らしいのは、そんな難しい部分の決着を綺麗につけていることだと思います。 もちろん胸糞映画としてなので映画としては賛否両論はあるかと思いますが、個人的にはとても好きです。 ディセントという映画の素晴らしいところは、そんなストーリー展開やオチのつけ方が難しい胸糞映画にも関わ

SISU/シス 不死身の男

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どうも、松本です。  今回は映画、『SISU/シス 不死身の男』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『SISU/シス 不死身の男』は、2022年に公開されたフィンランドのバイオレンスアクション映画。タイトルの「SISU」は、フィンランドの人々に古くから受け継がれる特別な精神力、いわば「フィンランド魂」。 厳しい状況で発揮されるしなやかな精神性、困難に立ち向かう勇敢さ、忍耐などを指す。 【あらすじ】 1944年、ソ連に侵攻されナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。老兵アアタミ・コルピは掘り当てた金塊を隠し持ち、愛犬ウッコとともに凍てつく荒野を旅していた。やがて彼はブルーノ・ヘルドルフ中尉率いるナチスの戦車隊に遭遇し金塊と命を狙われるが… この映画はクソ強ジジイがナチスをしばき倒すという痛快極まりない映画です。 なめてかかった老人が実は伝説の兵士だったというこれまた胸アツな展開。 その手の映画が好きな人にとってはもうこれ以上にないくらいの映画です。 私自身その手の映画が大好きなので、この映画を見た後の感想は「いいものを見たな」でした。 本当に素直に心の底からそう思える映画でした。 この映画は公式サイトのコピーもこれまた秀逸です。 「ツルハシ一本と折れない心で敵を打つ!伝説の老兵の壮絶バトルが始まる!」 という何とも胸アツなコピー。 厳密に言うとツルハシ一本以外にもナイフを持っていたりするのですが、ツルハシは仕事道具ですし、ナイフも野営用の生活用品なので武装というわけではありません。 そんなほとんど丸腰の状態で戦車を保有しているナチスの一個小隊と渡り合っちゃうのですからもう最高としか言いようがありません。 伝説の老兵がナチスをしばき倒すという素晴らしい内容のこの映画ですが、ただこの手の映画にありがちな「無双」をすることはありません。 無双展開というのもそれはそれで大好きなのですが、この映画は一方的な展開というのはそこまでなく、結構苦戦するシーンが多いです。 それらのやり口もスマートにサクサクというわけでもありません。逆にその部分の泥臭さがこの映画の一つの魅力でもあったりします。 そしてこの映画の題名「SISU」という言葉の一つの意味でもある、「不屈」という言葉がこの映画にはよく出てきます。 それこそがこの映画の最大の魅力だったりします。

スキャナー・ダークリー

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どうも、松本です。 今回は映画、『スキャナー・ダークリー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『スキャナー・ダークリー』は、2006年のアメリカSFアニメーション映画。 原作はフィリップ・K・ディックによる『暗闇のスキャナー』。リチャード・リンクレイター監督、キアヌ・リーブス主演。 【あらすじ】 ドラッグが蔓延した近未来で自らジャンキーとなり、おとり捜査を開始した刑事。しかし、彼の中で捜査官とジャンキーという2つの人格が分裂を始め、彼は次第に自らのアイデンティティを見失っていく… この映画の監督はリチャード・リンクレイター。『スクール・オブ・ロック』のような娯楽色の強い作品から、『6歳の僕が大人になるまで』のような批評家からも観客からも大絶賛され数々の賞を受賞するような名作、『ウェイキング・ライフ』のようなトリップムービーの隠れた名作まで様々な作品を監督しています。 リチャード・リンクレイターはとにかく大衆的な作品から作家性の強いマニアックな作品まで、様々な映画を撮っている振れ幅の大きい映画監督です。 振れ幅の大きい映画監督にありがちなのが当たり外れの多さですが、リチャード・リンクレイターの場合はどちらに触れてもほとんどが当たりなので、そういう意味では個人的にとても信頼を寄せている映画監督です。 世間一般的にはリチャード・リンクレーターという名前よりも、スクール・オブ・ロックの監督と言った方が通じるかもしれませんが。 とはいえ世界中にファンの多い著名な監督であることは間違いありません。 ちなみに今作の原作はフィリップ・K・ディック。アメリカSF界の巨匠、と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、どちらにしても伝説的な作家であることは間違いありません。 フィリップ ・K・ディックという作家名で分からなくとも、『ブレードランナー』や『トータル・リコール』の原作者と聞けばわかる人も多いかと思います。 スキャナー・ダークリーはそんなフィリップ・K・ディックの小説、『暗闇のスキャナー』の映画化作品です。 しかも主演はキアヌ・リーブス。 スキャナー・ダークリーの公開は2006年なので『マトリックス』シリーズの完結から数年後。 『コンスタンティン』や『地球が静止する日』などの話題作の合間に公開されたせいか、キアヌ・リーブス主演作品としてはいまいち知名度が

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