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CASSHERN

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どうも、松本13です。 今回は、『CASSHERN』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『CASSHERN』は、2004年公開の日本映画。1973年から1974年にフジテレビ系列で放送された、タツノコプロによるテレビアニメ『新造人間キャシャーン』を原作とする実写映画である。 【あらすじ】 50年にも及ぶ戦争が繰り返され荒廃した世界では、不治の病である公害病が蔓延していた。ある日、謎の稲妻により命をも蘇らせることのできる細胞が完成。これにより、新たな生命体が産まれる。政府と新生命体、そして生き返った主人公の三つ巴の戦いが始まる… キャシャーンはクソ映画やクソ実写として名高い『デビルマン』と並べて同じように評価されることも多いかと思います。 公開時期が近く、同じアニメ原作の実写化映画ということもあり、そのような評価がなされているのかと思うのですが。 ただキャシャーンはデビルマンと並ぶほどひどい映画ではないと思います。キャシャーンに関する評価は様々ですが、ひとまずデビルマンほどではない、その部分に関しては間違いのないことだと思います。 実際キャシャーンを見てない人がデビルマンと混同して叩いたり、敬遠したりしているというパターンも多々見受けられます。 実際にキャシャーンを見た人の、それなりに具体的な作品への言及のあるレビューなどを見てみると、そこまで批判的レビュー一色というわけでもなく、意外と面白かったという意見も多々あったりします。 私はキャシャーンという作品を比較的リアルタイムに近いタイミングで見たのですが、 意外と面白かったというのが正直な感想でした。 とはいえあの当時はキャシャーンが面白かったと素直に言いにくい空気感がありました。 キャシャーンからしたら完全に貰い事故の部分もあるのですが、しかしデビルマン公開時の空気感というのはそれくらい殺伐としていました。 20年以上経った今も語り継がれている伝説的クソ映画の公開直後なのですから、その空気感たるや相当なものでした。 私がキャシャーンを見た時に意外と面白いと思えたのは、その時すでにデビルマンと混同した叩かれ方をしており、作品に対して全くいいイメージを持っていなかったからでした。 デビルマンを抜きにしても、原作改変などについてのバッシングも公開前から多々ありましたし、商業映画初監督の紀里谷和明監

355

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どうも、松本13です。 今回は、『355』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『355』は、2022年のアメリカ合衆国のスパイ映画。出演はジェシカ・チャステインとペネロペ・クルスなど。タイトル及び作中のスパイチーム名の「355」とは18世紀のアメリカ独立戦争時代に実在したパトリオット側の女性スパイエージェント355にちなむ。 【あらすじ】 南アメリカの犯罪組織が、あらゆるネット・セキュリティをくぐり抜け、世界中のシステムを攻撃できるデジタル・デバイスを開発。第三次世界大戦さえ起きかねない危機に各国の女性エージェントたちが手を組み、危険で過酷なミッションに挑む… ボタン一つで世界中のインターネットをどうにでもできちゃう超兵器みたいなのを悪人の手から取り返しましょうねーみたいな感じのスパイ映画。 私はなんとなくなビジュアルの印象で多分この映画は過剰な期待さえしなければ楽しめる映画だと思い、そんなスタンスで見てみました。 結果としては大当たり。あれこれツッコミどころはあるけど楽に見れる気軽な映画くらいのスタンスで見れば十分に楽しめるんじゃないかなと。 逆にガチなスパイものの映画として見てしまったり、スパイアクションのような超大作を期待して見るとちょっとアレかもしれません。 この映画は『007』や『ミッション:インポッシブル』を意識して作られたらしいのですが、さすがにそれはちょっと無理があるかなと。 しかし公開前のプロモーションや予告を見る限りではそれなりに期待はできそうなんですよね。 しかし内容が内容だったので劇場公開時の評価はかなり低めなのですが、配信での評価はそれなりに良好。 そこまで期待さえしなければ割と面白い映画の典型のようなパターンですね。 劇場公開時の期待には応えられず低評価だったものの、気軽な配信で見る分には割と良作という。 個人的にこの映画で一番面白かったのは、主人公と恋仲である男性スパイが映画序盤で死亡退場する部分。しかし確実に死んだという描写はなかったり。 これってもう数々の女スパイモノの映画で使い古されてきた、実は生きているってパターンじゃないですか。 しかし昨今の映画でそんな思いっきりなことをするだろうか?むしろ逆にそう思わせておいて…みたいな展開があるんじゃないだろうか?じゃないとさすがに思いっきり過ぎだしバレバレだよなあ

アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件

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どうも、松本13です。 今回は、『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件ついて』は2017年のフランスのコメディ映画。監督・脚本・主演はフィリップ・ラショー。 【あらすじ】 依頼人の完璧なアリバイを作る会社「アリバイ・ドット・コム」を経営するグレッグ。依頼は次から次へと舞い込み、業績は順調に伸び続けていた。そんなある日、グレッグは恋人フローの両親に挨拶するため彼女の実家を訪れるが、フローの父親ジェラールは「アリバイ・ドット・コム」の顧客だった… この映画は知っている人は知っているけど知らない人は全く知らない、けど抜群に面白い良作コメディです。 コメディ映画は多々あれど、それなりに質の高いものとなると数は結構限られてくると思います。 例えば『ハングオーバー』レベルのコメディ映画というのは実際そうそうなかったりしますが、この映画はハングオーバーと並べても全く遜色ないレベル。 それくらいに面白い映画です。 とは言ってもビジュアル的にもタイトル的にもいまいち食指が動かない人もいるかと思いますが。 この映画の監督・脚本・主演は『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』のフィリップ・ラショーです。 同様のキャストも複数出演。 ビジュアルやタイトルで食指が動かなくても、あの名作の監督ならば!と思う人もいるのではないでしょうか。 内容に関してもシティーハンターと同様、かなりセンスのあふれるコメディシーンの連続。 ブラックコメディとお下品になりすぎない程度の下ネタ。ギリ地上波でも放送できるかなといったところ。バカ殿くらいのラインでしょうか? コンプラに厳しい今の基準だと放送できないシーンもあったりするかもしれませんが。 とはいえ過度に不快だったり汚かったりするようなネタはないので割とあっさりと見れる映画だと思います。 そこそこ出来がいい映画だけなのであればハングオーバー と並べられるとまでは言い切れませんが、この映画はコメディとしての出来もかなり素晴らしいですが、映画としてのストーリーもかなりしっかりしています。 あれやこれやで笑わせて、紆余曲折な展開があって、ちゃんと最後はストンとオチる、作り手

新しき世界

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どうも、松本13です。 今回は、『新しき世界』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『新しき世界』は、2013年公開の韓国映画。2013年2月21日に韓国、翌2014年2月1日に日本で公開された。 【あらすじ】 国最大の犯罪組織に潜入し、8年になる警察官ジャソン。潜入捜査に疑問を感じながらも、上司のカン課長の命令に服従するしかない。そんなある日、組織のリーダーが急死し、後継者争いが勃発する… なんとなくビジュアルが社会派サスペンスっぽかったので、この映画は韓国サスペンスにありがちな血しぶきやドロドロ鬱展開は控えめなのかなと思ったら映画が始まった瞬間に顔面ボッコボコの血まみれのおっさんが登場。 ですよねー。 エグさに定評のある韓国サスペンスですもんね。血が出ないわけはないですよね。 というわけで映画が始まるのですが、この映画は潜入捜査ものです。 潜入捜査ものの映画と言ったらそれがバレるかバレないかみたいな、その部分のハラハラドキドキが売りなわけですが。 この映画に関してはその部分のスリルが他の映画の比ではないんですよね。 一流スターが出演する大衆的な作品であっても18禁レベルのゴア描写を平気でぶち込んでくる韓国サスペンスなので。 もし潜入捜査がバレたとしたらとんでもない地獄が待っていることは想像に難くありません。 そしてその手の映画にありがちなのが拷問シーン。 主人公がヘタを打ったらもう相当な地獄の展開が待っているわけなので、とにかく作中の緊張感が半端ないです。 しかもこの映画にはチェ・ミンシクも出演しています。 映画における凶暴なおっさんと言ったらまずチェ・ミンシクを思い浮かべる人も多いはず。 それは別に韓国映画に限ったことではなく、世界的にも同じことが言えるかと思います。 少なくとも私の中で、あらゆる国の映画の登場人物の中で一番凶暴なおっさんと言ったらまず思い浮かぶのがチェ・ミンシクです。 それくらいにかつて出演した『悪魔を見た』は強烈な作品です。それ以外にも数々の凶暴なおっさんの役を演じています。 そんなチェ・ミンシクが脇に控えているだけでもう不穏で不穏で仕方が無いわけです。 そんなこんなで潜入捜査員である主人公の地獄の日常が続いていくのですが、とあるきっかけで事態が大きく動き始めます。 この映画はハラハラドキドキのスリルが売りの潜入捜査も

コマンドーニンジャ

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どうも、松本13です。今回は、『コマンドーニンジャ』 についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『コマンドーニンジャ』 は、2018年制作のフランスのアクション・コメディ映画。 【あらすじ】 かつて精鋭部隊・コマンドーの隊長として名を馳せたジョン・ハンターは、現在は軍を退役し、元妻のローリーとの間に設けた愛娘・ジェニーを想いながら山荘での静かな生活を送っていた。そんなある日、ハンターが暮らす山荘をかつての戦友ホプキンズ将軍が訪れ、謎の忍者軍団によりローリーは殺害され、ジェニーが誘拐されたことを知る… この映画は80年代のハリウッド映画をこよなく愛するフランス人による自主制作映画とのこと。 個人的にはとても好きな映画です。傑作とまではいかないまでも良作には入るかなと。 この手の映画としては個人的に『ターボキッド』以来の大ヒットです。 ただ世間的には超低評価。星1つのレビューが多数。 星1つのレビューが多数って実際なかなかないと思うんですよね。相当スカスカな内容のサメ映画でも星2つとか3つが結構ありますし。 この映画は80年代ハリウッド映画ヘのオマージュやコメディーシーン満載の映画なので、というより様々な映画のコメディシーンをつなぎ合わせただけの映画と言った方が適切かもしれません。 なのでストーリーはほぼなし。一応それなりの筋はあるのですが、時系列があっち行ったりこっち行ったりして全く意味不明。『テネット』レベルについていけないレベル。 この映画のすごいところはストーリーが1つもわからないのにめちゃくちゃ面白いというところです。 ただこの映画を楽しむにはコメディやオマージュの元ネタを知っている必要があります。 その部分がわかるかわからないかで、この映画の評価は大きく分かれるかと思います。私としては最初から最後までほとんどわかってしまったので、この映画はかなり高評価。めちゃくちゃ楽しめました。 ある程度元ネタが分かったとしても、こういう内輪ネタのようなノリに批判的な冷めた声も多数あったりするのですが。 アクションシーンなどのクオリティの低さを指摘する声も多数。 それらの声はごもっとも。ごく一部の人しか盛り上がれないような内容だけで固められた今作は映画としてはどうかと思いますし、確かにクオリティの部分についてもお世辞にも高いとは言えません。 しかし作品全体

ゴジラVSキングギドラ

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どうも、松本13です。今回は、『ゴジラ VS キングギドラ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ゴジラvsキングギドラ』は1991年公開の日本の特撮映画。ゴジラシリーズの第18作、平成VSシリーズ第2作。 【あらすじ】 ゴジラとビオランテの死闘から1000日が経過していた1992年、東京上空に巨大なUFOが突如飛来する。着陸したUFOから現れた地球連邦機関の使者を名乗る3人は、自分達のテクノロジーを駆使した、とあるゴジラ抹殺計画を提案する… この映画はとにかくそれまでの作品とはトーンを変え、娯楽方面に全振りした作品です。 ゴジラの平成VSシリーズがドル箱シリーズとなったのも、この作品があったからだと思いますし、後のその流れを決定づけたのもやはりこの作品なんじゃないかと思います。 この映画がゴジラ史にとってかなり大きな役割を果たしたということはゴジラ好きにとっては今更語るべくもないことかと思いますが、この作品はゴジラ好きや怪獣映画好きでなくても楽しめる映画かと思います。 実際この映画はバリバリのタイムトラベル映画なので。 その手の映画が好きな人にはとてもおすすめです。普通に楽しめるんじゃないかと。 タイムトラベル要素はもちろんのこと、明らかに『ターミネーター』を意識したアンドロイドが出てきたり、スピルバーグに関するちょっとした小ネタがあったりと、この作品は明らかにハリウッドを意識した作りとなっています。 意識したというか、まあ悪く言えばパクった作りと言うか。 この時代の東宝のハリウッドをそのまま丸パクリしちゃうみたいなノリは個人的に結構好きだったりするのですが。 そんなハリウッド映画で見たことあるシーン満載の今作なのですが、とはいえストーリーに関しては丸パクリというわけではなく、オリジナル要素を多分に含んでいます。 そのストーリーが本当に秀逸なんですよね。めちゃくちゃに面白い。 ゴジラという要素抜きにした部分でのストーリーがここまで面白い映画というのもなかなかないかと思うのですが。 タイムトラベルものとして真面目に考察するとツッコミどころはそれなりにあるかとは思いますが、とはいえそれらの考察がなされつくした現代とは違う91年の映画なのでそこはご愛嬌。 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は少し前、 『ターミネーター2』はつい最近という時代なので

65/シックスティ・ファイブ

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どうも、松本13です。今回は、『65/シックスティ・ファイブ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『65/シックスティ・ファイブ』は、2023年のアメリカ合衆国のSFスリラー映画。主演はアダム・ドライバー。 【あらすじ】 6500万年前の惑星ソマリス。難病の娘の治療費を稼ぐ為に2年間の宇宙探査任務を引き受けたミルズ。しかし探査船は小惑星群に衝突し、白亜紀の地球に不時着してしまう… この映画は個人的にはとても楽しめた映画でした。まさに期待通りの内容のB級映画といったところ。 宇宙、SF、恐竜、サバイバル、アダム・ドライバー、サム・ライミ、ここまでの要素を詰め込んで上映時間1時間半で終わる潔さ。 これぞB級映画のお手本というような映画でした。 俗に言う頭を空っぽにしてみるタイプの映画ですね。 真面目に見るとツッコミどころやご都合主義的な展開が多すぎますし。 それでも尺の短い映画にあれこれ要素を詰め込んだにもかかわらず、映画として破綻していないのは「細けえことはいいんだよ」的な大味な設定やストーリーゆえだと思います。 個人的にはその大味さがとても心地良かったです。 そこまでエグい描写もなく、過度なハラハラドキドキもなく、とても楽に見れる映画かと思います。 恐竜時代の地球に丸腰で放り出されたというわけでもなく、ハイパーテクノロジーのサバイバルキットや強力な銃や爆弾なども持っているので難易度としてはかなりのイージーモード。 しかし紆余曲折あって同じ船に乗っていて同じく生き残った子供と行動を共にすることに。 これってどう考えても足を引っ張る要員だとは思うのですが。 しかしながらこの映画に出てくる子供は単なる縛りプレイ要員というわけではなく、そういう部分でイライラさせられるということもありませんでした。 もちろん足をひっぱられるような部分も多々あるのですが、ただこの子なくしてはこの結末にはたどり着かなかっただろうなくらいには必然性のある存在ではありました。 私個人としてはもっと中身がスカスカの映画だと思っていたので、ストーリーは思ったよりもしっかりしていて、そういう部分では期待以上でした。 アダムドライバーVS恐竜。制作はサム・ライミ。 そんなこの映画のビジュアルから何を感じるかって結構人それぞれだと思うんですが。 この映画の評価がそこまで高くないのは多分

ローズ・イン・タイドランド

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どうも、松本13です。 今回は、『ローズ・イン・タイドランド』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ローズ・イン・タイドランド』は、ミッチ・カリンの小説『タイドランド』を原作とするテリー・ギリアム監督のファンタジー映画。 【あらすじ】 10歳の少女ジェライザ・ローズは、ドラッグ中毒の両親と共に外界から隔絶された生活をおくっていた。ある日、ローズの母がオーバードースで死亡する。老いたロッカーでやはりジャンキーである父ノアは、ローズを連れて故郷テキサスの荒れ果てた一軒家に逃亡する… この映画は個人的にとても好きな映画です。誰もが好きな一般受けする大作というわけでは決してないのですが、刺さる人にはぶっ刺さるとても素晴らしい映画です。 この映画の日本公開時のキャッチコピー「ギリアムのアリスは孤独の迷宮をさまよう」は本当に秀逸なキャッチコピーだと思います。 この映画を一言で言い表すならまさにその通り。テリー・ギリアム版不思議の国のアリスといったところ。 もちろんテリー・ギリアム版のアリスなので普通のアリスではありません。この映画はファンタジーとして紹介されることも多いですが、どちらかというとファンタジーはファンタジーでもダークファンタジーかと。 もう少し噛み砕いて言うならトリップ ムービーか鬱映画かそのあたりかと。 私としてもこの映画はトリップムービー、もしくは鬱映画として認識しています。 00年代あたりのネットの一部では、ちょっと普通ではないオルタナティブな映画は総じて鬱映画とカテゴライズされていたように思います。 有名どころの監督で言うと本作の監督であるテリー・ギリアムやギレルモ・デル・トロ、ダーレン・アロノフスキーなどなど。 その手の映画としてよく名前が上がっていた作品の一つがこのローズ・イン・タイドランドだったりします。 同じくらいの年代で、なおかつ同じような絵面の 『パンズ・ラビリンス』と並んで紹介されることも多いかと思います。 パンズ・ラビリンスが好きな人ならおそらくこの作品は間違いなく刺さるだろうし、その逆もしかりだと思います。 2007年に『ミスト』が公開されるまでは鬱映画というのはこのようなオルタナティブであったりちょっと不思議であったり不条理であったり、そのような作品が多くカテゴライズされていたように思います。 鬱映画というカテゴリ

アナイアレイション -全滅領域-

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どうも、 松本13です。 今回は、『アナイアレイション -全滅領域-』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アナイアレイション -全滅領域-』は、2018年に公開されたアメリカ合衆国とイギリスの合作によるSF映画である。監督と脚本はアレックス・ガーランド、主演はナタリー・ポートマンが務めた。 【あらすじ】 軍を退役後、生物学教授として大学で教鞭をとるレナのもとに、1年前極秘任務に赴いたまま行方不明だった夫・ケインが突然現れる。しかしケインは記憶が曖昧になっており、その後容態が急変する。ケインと共に病院へ向かう途中に軍に拘束されたレナは連れていかれた研究施設で、ある事実を知らされる… この映画は個人的にとても好きな映画です。もう何回も見ています。めちゃくちゃ面白い映画です。 じめっとしていたり、鬱展開があったり、そんな感じのSFやホラー映画が好きな人にはめちゃくちゃおすすめしたい映画です。 その手のジャンルのド直球より変化球を好む人にとってはこの映画はこれ以上になくぶっ刺さる映画だと思います。 小説を原作としているだけあり、ストーリーが素晴らしいのはもちろんなのですが、エリアXと言われる謎の空間内の世界観が本当に素晴らしい。 とにかくのっけからラストまで、不穏さのオンパレード。ちょっとしたトリップムービーのように感じられる部分もあったり。 幻想的なのか不気味なのか、はたまた猟奇的なのか、そもそもこの空間で何が起きているのかが全くわからず、しかしながら徐々に徐々に明らかになっていく部分もあったり、その部分が映像美と相まって本当に素晴らしい。 しかもこの映画はその手の一部のマニアにのみ受けるような映像美だけの映画ではなく、むしろ心の中の中学二年生が大喜びするような異形クリーチャー もかなり出てきます。 クリーチャーやモンスターと一言で言っても色々なタイプがあると思うのですが、この映画に出てくるクリーチャーはまさに「異形」の表現がぴったり。 『サイレントヒル』や『ミスト』が好きな人には間違いなくぶっ刺さるとても魅力的なクリーチャーだと思います。 個人的には世界観も含め、『パンズ・ラビリンス』が好きな人にもおすすめかなと。 外界の様々な物理法則が通じなかったり、様々なクリーチャーに遭遇したり、その他にも様々な紆余曲折があったりと、陰鬱で胸糞なジャングル

オデッセイ

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どうも、松本13です。今回は、『オデッセイ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『オデッセイ』は、2015年のアメリカ合衆国のSF映画。アンディ・ウィアーの小説『火星の人』を原作としている。監督はリドリー・スコット、主演はマット・デイモンが務める。 【あらすじ】 2035年。アメリカの有人火星探査計画「アレス3」の任務中に事故に遭った植物学者のマーク・ワトニーは、一人火星に取り残されてしまう。次の任務は4年後。彼は生き残りをかけて火星の地で自給自足を決意する… 個人的にリドリー・スコット監督作品は当たり外れが多いイメージです。 作品の質としては総じて高いかと思うのですが、個人的なツボに超ぶっ刺さるか大幅に外してくるかの両極端。そういう意味での当たり外れが多い監督です。 ちなみにこの作品は大当たり。もしかしたらリドリー・スコット監督作品の中で一番好きかもしれません。ひとまず視聴回数は群を抜いて多いかと思います。 この映画はそれくらいに面白い映画なんですよね。 映画としての面白さはもちろんのこと、コメディ的な面白さも多分に含んだ作品です。 リドリー・スコット監督作品には、当人はそこまで意識していないのかもしれないけれど、なんか妙に笑えてしまうような、そんなシーンが多々あったりします。 そんなリドリースコット監督の性質が悪い意味で出たのが『エイリアン:コヴェナント』であり、そして最もいい意味で作用したのがこの作品だと私は思っています。 とにかく普通に面白い。何も考えずに没頭して楽しめる映画です。かといって別に大味な内容というわけではなく、むしろそれとは対極に位置する重厚な内容。 にも関わらず2時間以上の上映時間があっという間という素晴らしさ。 私は大味なアクション映画が大好物な人間なので、エイリアンもUFOも出てこない宇宙を舞台にした映画というのはちょっと苦手だったりします。 その手の映画というのはちょっと退屈に感じてしまったりするので。どちらにしても宇宙でドンパチやる系の映画に比べれば絵面的には相当に地味になるかと思います。 この映画にはもちろんエイリアンもUFOも出てきませんが、そういう宇宙映画にありがちな退屈さは皆無。 紆余曲折あって火星に1人取り残された男が生き残りをかけて農業を。普通に考えたら火星で農業は無理だと思うのですが、不屈の精神と

死霊館 エンフィールド事件

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どうも、松本13です。 今回は、『死霊館 エンフィールド事件』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『死霊館 エンフィールド事件』は、2016年のアメリカのホラー映画。『死霊館』(2013年)の続編であり、「死霊館ユニバース」の3作目である。 【あらすじ】 1977年、イギリス・ロンドン北部の町エンフィールド。 この町に住むシングルマザーと4人の子どもたちの周辺で不可解な現象が続いていた。 彼女たちを助けるためにエンフィールドに向かったゴーストハンターのウォーレン夫妻は、想像を絶する怪奇現象に直面する… この映画は前作同様、ホラー好きはもちろんのこと、ホラー映画が苦手な人にもめちゃくちゃおすすめできる映画です。 そもそも全然怖くないですし、むしろホラー映画の名を借りた別の何かだったりします。 事件の始まりはじじいの霊と少女のテレビのチャンネルの取り合いだったりしますし。 なんて語っているとツッコミどころの多いB級ホラーコメディのように感じられるかもしれませんが、決してそんなことはなく、映画としてはめちゃくちゃよくできています。 ストーリーもとても秀逸。主人公のウォーレン夫妻も相変わらずかっこいいゴーストバスターっぷり。 しかも今作は前作以上に登場人物がいい味出しているんですよね。主役の二人はもちろんのこと、脇役も相当にいい仕事してます。 ちなみにこの映画は前作を見ていなくても普通に楽しめるかと思います。ウォーレン夫妻という米国のゴーストバスターが英国に出張するくらいの認識があれば問題ないかと。 ウォーレン夫妻は教会に正式に属していないので、教会公式では動けない事案にも対応できたりするという、映画の登場人物としてはめちゃくちゃ面白い立ち位置。 そんなウォーレン夫妻が今回も悪魔相手に大活躍。 とはいえそれだと前作と同じような内容になってしまいます。それに前作がウォーレン夫妻が対峙した最悪の事例ということもあり、普通に考えたらどう考えても地味な続編となってしまうかと思いますが。 そこはさすがのジェームズ・ワン監督。しっかり前作を超えてきています。 というよりも前作とは全く違うジャンルの映画になっていたりします。 前作は一応前半はしっかりホラー映画していたんですよね。そして後半からの怒涛の展開にとても驚かされました。 ということで前作の時点でもう死霊館

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

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どうも、松本13です。 今回は、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、2023年に公開されたアメリカ合衆国のアクションアドベンチャー映画。『インディ・ジョーンズ シリーズ』の第5作目。 【あらすじ】 考古学者で冒険家のインディが、人間の想像を超える力を持つといわれている秘宝「運命のダイヤル」を追う。ところが、そんな彼の前に、同じくその宝を狙う元ナチスの科学者・フォラーが立ちはだかる… この映画、評価が激しく分かれている映画ですが、ただ評価が分かれているのは、「インディ・ジョーンズとしていかがなものか?」という部分であり、作品の質としてはとても高いかと思います。 作品として致命的な欠陥や何かしらの問題を抱えているわけでもなく、賛否は分かれているながらこの映画を高く評価する声も多く聞かれているので、あえて忖度やオブラートなしで個人的で率直な感想を言うとすれば、私にとってこの映画は激しくイマイチでした。 決して駄作というわけではないかと思いますが、ただインディ・ジョーンズとしてこの終わり方はあまりにも寂しすぎるというのが素直な感想です。 おそらくこの作品は過去のインディ・ジョーンズ シリーズのどこにどれだけの愛着を持っていたかで評価が分かれるんじゃないかと思います。 今作のジョーンズ教授は一言で言えば完全に老いぼれてしまっています。アパートでの侘しい一人暮らし。かつてのような覇気もなく、現役で教鞭は取っているものの、生徒からは冷ややかな目線で見られていたり。 今作の監督はスピルバーグではなく、ジェームズ・マンゴールド。『X−MEN』のウルヴァリンのその後を描いた『ローガン』と全く同じことをインディ・ジョーンズでやったわけなのですが、ローガンは私も大好きな映画ですが、インディ・ジョーンズは「もう少しなんとかならなかったのか」というのが正直な感想です。 とはいえハリソン・フォードも80歳を超えるもう完全な老人ですし、全盛期のようなアクションができないというのもわかるし、その分を補填するアクション要因が必要だったり、色々とテコ入れが必要なのも分かります。 個人的にこの映画は好きではありませんが、ただジェームズ・マンゴールドは素晴らしい仕事をしたと思いますし、ジェームズ・マン

グレムリン

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どうも、松本13です。今回は、『グレムリン』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『グレムリン』は、1984年に公開されたアメリカ合衆国のホラー・コメディ映画。ジョー・ダンテ監督作品。製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ。 【あらすじ】 クリスマス。ビリーは発明家の父親からとっても不思議な生き物モグワイをプレゼントされた。このモグワイを飼うには3つの大切な約束がある。1つめは水に濡らさないこと。2つめは光を当てないこと。そして3つめは、真夜中の12時過ぎには絶対に食べ物を与えないこと… 作品単体としてはもちろんのこと、ギズモ(モグワイの名前)やグレムリンと言ったキャラクターとしてもとても有名な本作品。クリスマス映画としてもそれなりに有名なんじゃないかと思います。 特に90年代前後に子供時代を過ごした人にとってはクリスマスを舞台とした著名な映画の一つとして強く印象に残ってる人も多いかと思います。 この時代のクリスマス映画と言うと、タンクトップのおっさんが裸足でガラスの上を歩かされたり、子供が強盗の頭を燃やしたりといった割とエグい映画が多い気がするのですが。 この映画もそれらに負けず劣らずのエグさを持った映画です。 90年代前後に子供時代を過ごした人にとって、この映画はクリスマス映画として強く印象に残っているかと思いますが、場合によってはそれ以上にトラウマ映画として印象に残っているかと思います。 私としてもトラウマとまではいかないかもしれませんが、幼い頃にこの映画を見た時はかなり衝撃的でした。 この映画はギズモの可愛さに騙されがちですが、グロレベルとしては結構高いかと思います。それこそグチョグチョ映画の巨匠デヴィッド・クローネンバーグ監督作品のように、ドロドロぐちゃぐちゃなシーンが盛り沢山。 この映画、なんとなくふわっとしたイメージだとモグワイの可愛いちょっとした着ぐるみファンタジーに思われがちです。しかもスピルバーグ映画(制作総指揮)ですし。 親としても子供に見せても大丈夫な映画だろうと、妙な形で親検閲をくぐり抜けてしまったなんてパターンもあります。 劇場公開時やレンタルビデオはもちろんのこと、テレビ放映でも同様。この映画は数限りなくテレビ放映をされているので。 そんなこんなで子供達のトラウマを量産した本作品。ある程度グロ耐性のついた大人になっ

イエスタデイ

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どうも、松本13です。今回は、『イエスタデイ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『イエスタデイ』は、2019年のイギリス・アメリカ合衆国のファンタジー・ロマンティック・コメディ映画。監督はダニー・ボイル。 【あらすじ】 イギリスの小さな海辺の町で暮らすシンガーソングライターのジャックは、幼なじみの親友エリーから献身的に支えられているものの全く売れず、音楽で有名になる夢を諦めかけていた。そんなある日、彼は交通事故に遭い、「ザ・ビートルズ」が存在しない世界に転生してしまう… 売れないミュージシャンがビートルズが存在しない世界に転生するというあらすじの時点でめちゃくちゃ面白そうな映画ですが、実際の内容もめちゃくちゃに面白い映画です。 自転車で事故って目が覚めたら世界からビートルズが消えていたという、もろに異世界転生っぽい話なのですが、ただ本格的なその手の映画ほど厳密な世界観の設定や考察はなされてはいません。 あくまで異世界転生要素を含んだコメディくらいのゆるいスタンスで見た方がこの映画を楽しめると思いますし、異世界転生要素に過剰に期待しすぎるとちょっと残念な気分を味わってしまうかもしれません。 それとビートルズに関してもそこまで深く掘り下げた内容でもないので、コアなファンというよりはライト層向けの内容なんじゃないかと。 ビートルズを題材として映画を作ったらどのような内容であっても全てのファンを納得させることは不可能だと思うのですが。 逆にそういう部分にこだわり過ぎなければ、誰でも楽しめる素晴らしい映画だと思います。 本当に気軽なコメディとして見る分にはかなりの傑作だと思います。 正直ビートルズやその楽曲を題材とした映画は名作揃いとは言いづらかったりします。 個人的にあまり好きになれない映画もありましたし、悪くはないながらも楽曲負けしている感が否めない作品も多々ありました。 ビートルズというのはバンドにしても楽曲にしても相当なエネルギーがあるので、ちょっとやそっとの内容だと負けてしまったり食われてしまったりすると思うんですよね。 しかしこの映画はそんなことは全くなく、ビートルズという題材に食われることも負けることもなく、しっかり渡り合っています。 そういう意味でもダニー・ボイル監督はさすがだなと。 ミニシアター系からゾンビ映画、ショーレースを制した

ズーム/見えない参加者

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どうも、松本13です。今回は、『ズーム/見えない参加者』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ズーム/見えない参加者』は、2020年にイギリスで制作されたホラー映画。新型コロナウイルスのパンデミックによる外出自粛などで世界的に一気に広まったWEB会議ツール「Zoom(ズーム)」を題材にしたことで話題となった。 【あらすじ】 新型ウイルスの流行によりロックダウン下にあるイギリス。オンラインミーティングツール「Zoom」を介して定期的に顔を合わせていた6人の友人グループが、あるとき霊媒師を招いて「Zoom交霊会」を始める。すると、それぞれの部屋で異変が起こり始め、それらの不気味な現象は次第にエスカレートしていく… コロナ禍で一般化したリモートワークやリモート飲み会など、それらで使われることで知名度を得たズームを題材としたホラー。 コロナ禍でズームが一般化して、それを題材としてすぐに作って公開となると相当な短期スパンで作られた映画かと思うのですが、中身は割としっかりとしたホラー映画になっています。 決して重厚な大作というわけではありませんが、かといって時事ネタに便乗しただけのC級映画やZ級映画というわけではなく、むしろこの手の映画としてはかなり楽しませてくれる内容だと思います。 世間ではリモート飲み会なんてのが流行っているし、私たちはリモート交霊会でもやっちゃいましょうか、みたいなノリで交霊会をやる6人の若者。 まあもちろんそこでやらかしちゃうわけですが。 この手の映画というのは、交霊会やってやらかして、やばいやつがやってくるという部分はすでに見る前から分かってしまっているので、そこをどう見せるかという部分が難しかったりすると思うのですが、コロナ禍とズームという要素をうまく使って見せている部分はとても素晴らしいところだと思います。 劇中の全てがパソコンの画面上で行われるので普通なら絵的にはちょっと退屈してしまう部分もあるかと思うのですが、この映画は上映時間が68分とかなり短めで展開もスピーディーなのでそういう部分で退屈することはありません。 サクッとやらかしてサクッと呪われて終わりといった感じ。 しかもこの映画に出てくる悪魔(と思しき何かしらの存在) はかなりのパワー系。ゆっくりじわじわなんてまどろっこしいことはせず、のっけからゴリゴリに攻めてきま

ゴースト・イン・ザ・シェル

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どうも、松本13です。  今回は、『ゴースト・イン・ザ・シェル』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、2017年のアメリカ合衆国のSF映画。主演はスカーレット・ヨハンソン。 【あらすじ】 電脳ネットワークと肉体の義体化が高度に発達した近未来。悲惨な事故から生還した世界最強の捜査官「少佐」の体は、脳の一部を除いて全身が義体化されていた。彼女は公安9課を率いて凶悪なサイバーテロ犯罪に立ち向かう中で、自身の存在にまつわる真実に迫っていく… この映画は漫画・アニメの実写化なので賛否は分かれるかとは思いますが、個人的にはめちゃくちゃ好きです。 一本の映画としてもとても面白いと思いますし、攻殻機動隊の実写化としても、とても完成度が高いんじゃないかと思います。 原作から改変されている部分は多々あったりするのですが、1本の映画としてまとめるのであれば仕方がないのかなと。 漫画での膨大な説明書きや、押井守版アニメでの長々としたセリフのような部分をそのまま映画に持ち込むわけにはいかなかったかと思いますし。 そのような部分を端折ったり簡略化したり、様々なエピソードを切ったり貼ったりしたにも関わらず、それでも1本の映画としては普通に面白く見れますし、攻殻機動隊らしさというのも損なわれてはいません。 あら探しをしようと思えばいくらでもできるのですが、とはいえここまで綺麗にまとめられたのはとてもすごいことなんじゃないかなと思います。 攻殻シリーズのある意味お約束なシーンというのもちゃんとありましたし、めちゃくちゃ原作ファンへのサービスや配慮も感じました。 攻殻機動隊と同じくプロダクションIG制作、かつ押井守関連の作品で、同じく海外でも人気があり、実写化の話が幾度となく上がっては消えていた『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の実写化である、『ラスト・ブラッド』が、私にとってとてつもなくショッキングな内容であったので、もうそれに比べたら攻殻機動隊の実写化はとてつもなく素晴らしいものでした。 それこそ歴史的名作と言ってもいいくらい。それくらいラスト・ブラッドはアレな映画でした。アニメ実写における最悪なパターンがここまで揃った映画もそうはないかと。それくらいの悪夢。そして私は攻殻機動隊実写化の際もそれくらい最悪なパターンを想定していま

初恋の来た道

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どうも、松本13です。 今回は、『初恋の来た道』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『初恋のきた道』は、1999年公開の中国映画。主演のチャン・ツィイーは今作がデビュー作であり、出世作ともなった。 【あらすじ】 華北の美しい村に、ある日都会から若い教師がやってくる。彼に恋心を抱いた少女。彼女は言葉にできない想いを料理で伝えようとする。そんな想いが彼に届くが、時代の波が押し寄せ、ふたりは離ればなれに… この映画は今やもう名作中の名作と言っても過言ではないレベルの作品かと思います。 中国映画としては未だに相当にメジャーな部類の映画ですし、下手すると未だに中国映画と言ったらこの映画をまず思い浮かべる人もいるかと思います。 この映画の魅力についてはもはや語るべくもないと思うのですが、それでもつい語りたくなってしまうような魅力がこの映画にはあったりします。 映画における印象的なシーンというのは多々あると思うのですが、その中に走るシーンというのがあります。 『ターミネーター2』のT1000のシーンだったり、『トレインスポッティング』の冒頭であったり、『ミッション:インポッシブル』シリーズのいわゆるトム走りであったり。 様々な映画に様々な走る名シーンというのがあります。映画を実際に見たことがなくてもそのシーンは知っているという人も多いはず。 そうやって映画の中の走るシーンをあれこれ考えていると必ず上位に来るのがこの映画。 私の中で走るシーンが印象的な映画となると、そのほとんどが アクション映画なのですが、この映画はその中で唯一と言っていい程アクション要素のない映画。 今から考えれば古典的とも言えるくらいの、教科書に載るレベルの名作ラブロマンス映画。アクション要素は皆無です。 にもかかわらずこの映画のチャン・ツィイーの走るシーンというのは強烈に印象に残っているんですよね。 そのシーンはこの映画を代表するシーンの一つですし、映画史に残る名シーンでもあるので、この映画を見たことはなくてもそのシーンだけは見たことがあるという人も多いはず。 とにかくそれくらいの名シーンですし、そのシーンを見るためだけにこの映画を1本見る価値もあるんじゃないかと。 それくらいに、本当に強烈に印象に残るシーンです。 私の中の映画における印象的な走るシーンは、ターミネーター2のT1000

ジャングルツアーズ

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どうも、松本13です。 今回は、『ジャングルツアーズ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ジャングルツアーズ』は、2021年に制作されたアメリカのアクション映画。 【あらすじ】 ブラジルの奥地で消息を絶った父を捜すため、アマゾン川をさかのぼりジャングル奥地に到達したアマンダたち。彼らは「ジャングルの心臓」と呼ばれる宝石を見つけ、父親の救出に成功。だが、同時に守り主と怖れられる怪物・クルピラの封印も解かれてしまう… Amazonプライムでの評価が謎に高い今作ですが、間違いなくそこまでの内容も品質もないので、その部分は注意が必要です。 Amazon以外での評価は星5つ中1.5ぐらいなので。 タイトルとビジュアルからわかる通り、この映画は『ジャングルクルーズ』のパクリ映画です。 冒頭でいきなりプレステ2レベルのCGと吹き替えでもないのになぜかひどいとわかるくらいにレベルの低い演技をぶちかましてくる、ある意味パクリ映画としては優秀な品質です。 乱開発だなんだで森の精霊みたいなのを敵に回して大地の怒りが降りかかるみたいな。そんな感じで行方不明となった父親を探すために娘と息子がジャングルへ。 まあそんな感じのストーリーをふわっと把握しておけば問題ないかと。 その部分は本家ジャングルクルーズとは似ても似つかないですが、ただ船にはちゃんと乗るし、ジャングルにも行くので、ガワを寄せただけというわけではなく、内容もそれなりには寄せている部分は評価に値するかと思います。 じゃあこの映画が面白いかと言ったら全然面白くはないのですが。 ただ面白くないだけでつまらないとまではいかず、映画としてはかなり低品質ではあるのですが、見るに耐えないとまでもいかない。何かをしながら見るにはもってこいの映画だったりします。 そういう部分でもある意味それなりに優秀だったりしますし、パクリ映画としてはそこそこな出来なんじゃないかと。 Z級映画とかクソ映画とか、そこまではいかない限りなくC級に近いB級映画、もしくは限りなくB級に近いC級映画くらいの品質です。 ストーリーに関しては大した演出もない退屈な一本道なのですが、ただその退屈に限界が来る前にちょこちょこ動物やモンスターなどが襲いかかってくるので、大して面白くないくせに離脱のタイミングが絶妙に掴めなかったりします。 まあジャングルの脅

ハイリスク

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どうも、松本13です。  今回は、『ハイリスク』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ハイリスク』は、1995年の香港のアクション・コメディ映画。主演はジェット・リー。 【あらすじ】 特殊部隊に所属するリーは、「ドクター」と名乗る男が仕掛けた爆弾によって目の前で妻子を殺されてしまう。数年後、彼はアクションスターのボディガードとして働いていた。ある日、宝石展に同行することになったリーは、あの「ドクター」が展示会を襲撃しようと企んでいることを知る… この映画、めちゃくちゃ面白かったです。頭を空っぽにして見れるタイプの素晴らしい映画。 冒頭で主人公であるジェット・リーの妻子がテロリストに爆殺されるというハードなシーンから始まるので、その後もそれなりの展開を想像してしまいがちですが、この映画はジャンルとしてはアクションコメディ。 冒頭はハードな展開ですが、それ以降は割と気軽に見れる軽いノリで話が進んでいきます。その部分を勘違いさえしなければ誰でも楽しめる映画なんじゃないかなと。 冒頭でハードなアクション映画と勘違いしてしまうと、それ以降肩透かしですが。主演がジェット・リー ということもあり硬派なアクションを期待してしまう人もいるかと思いますが。 現場で台本がコロコロ変わる、そもそも台本自体が存在しないなんていうのは一昔前の香港映画あるあるだったりしますが、この映画こそまさにそのようにして作られたのではないかと思ってしまうような内容です。 冒頭はハードで重たい展開なのに、そこから一転してコメディ展開になったり。雰囲気にしてもストーリーにしても本当にコロコロ変わるんですよね。 その部分を真面目に見てしまうとこの映画はダメだと思います。この時代の香港映画はこういうものだと割り切ってみるとむしろ最高に楽しい。 ストーリーに関しては香港版『ダイ・ハード』。テロリストに占拠されたビルでジェット・リーが右往左往。 エレベーターを利用したアクションや換気ダクト内の移動など、ダイ・ハード オマージュも多々あったり。 ちなみに妻子亡き後のジェット・リールは香港のアクションスターのスタントマンという役どころ。 ちなみにそのアクションスターは代役を使わないことで有名な、もろにジャッキー・チェンを彷彿とさせるキャラ。実際はジェット・リー扮する主人公がアクションシーンを担当して

殺人者の記憶法

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どうも、松本13です。 今回は、『殺人者の記憶法』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『殺人者の記憶法』は、2017年の韓国映画。ストーリーが本編とは若干異なる『殺人者の記憶法 新しい記憶』というバージョンも同時に公開されている。 【あらすじ】 かつて連続殺人犯だった獣医のビョンスはアルツハイマーを患っており、自身の声を録音することで記憶をつなぎとめていた。ある日、車で接触事故を起こしたビョンスは、相手のテジュもまた殺人犯であると確信する… 個人的に韓国サスペンスと言うと他国のそれにはない、むちゃくちゃな胸糞ストーリーやグロ要素などが魅力なのですが、この映画はそのような韓国サスペンスならではの要素もありながら、ストーリーがとてもよくできているめちゃくちゃ面白い映画です。 とにかく先の読めない二転三転するストーリーや一瞬たりとも安心できないハラハラドキドキの連続。 とにかくよくできた映画です。 主人公がアルツハイマーを患っているゆえ、記憶が短期間しか持たないという部分がこの映画を面白くしている最大の要因だと思うのですが、この手の変則ムービーというのは脚本にしても作中の時系列にしても複雑になりがちなので、相当なセンスや技術のある人しか手を出せないジャンルかと思います。 下手に手を出しても物語として成立しないので。 もちろん原作小説の力という部分も大いにあるかとは思いますが、ただその魅力を損なうことなく映像化するのも簡単なことでは無いかと思います。 主人公の頭部の怪我が原因で記憶が短期間しか持たない。それゆえの変則的なストーリー展開という部分に関しては、変速ムービーの金字塔『メメント』とよく似ている部分がある映画だと思います。 メメントに関してはストーリーはもちろんのこと、ビジュアルやスタイリッシュさも魅力の一つかと思うので、韓国版メメントと言い切ってしまうには若干弱い部分もあったりするかもしれませんが。 とはいえビジュアルはともかく、変則ムービー としては相当に素晴らしい出来の映画だと思います。 ストーリー展開を二転三転させるために常識ではありえないような無茶苦茶な出来事やファンタスティックな巡り合わせがあるのが、ある意味韓国サスペンスのお約束みたいな部分がありますが。 この映画に関しては主人公のアルツハイマーという部分で十分にストーリー展開がつ

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