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X-MEN:ダークフェニックス

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どうも、松本13です。今回は、『X-MEN:ダークフェニックス』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『X-MEN:ダーク・フェニックス』は、マーベル・コミックの「X-メン」をベースとした、2019年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。「X-MEN」フランチャイズでは『デッドプール2』に続く12作目で、メインシリーズでは『X-MEN:アポカリプス』に続く7作目であり、最終作。 【あらすじ】 アポカリプスから人類を救う戦いから10年。サイコキネシスとテレパシーの特殊能力をもつミュータントであるジーンは、宇宙でのミッションで起きた事故が原因で自分の中のダークサイドが増幅し、制御不能になってしまう… この映画、あらゆる面で爆死したフルボッコ映画として私は記憶しています。 個人的にも、この映画については擁護する点のない映画だと思っています。 ただこの映画、一連のX-MENシリーズ作品としてはかなり問題のある作品かとは思うのですが、単体で見ればそこまで悪い作品ではないかと思います。 というか現時点でこの映画を見ていない人というのは、おそらくX-MENにそこまで興味も愛着もない人かと思います。 一連のシリーズにそれなりに興味や愛着を持っている人って、もうすでにこの映画を見て辛辣な評価を下していると思うので。 ただその手の評価で既に原型無きまでにボッコボコにされている状態のこの作品を、大して期待しないで見るとむしろ普通に面白いんじゃないかと。 そういう意味ではそれなりの良作ではあるかと思います。本当に作品単体としてはそこまで悪くはないと思うんですよね。 単体作品としてフラットな気持ちで見るのだとしたら、むしろ普通におすすめできるくらいのレベルなんじゃないかと。 この作品単体で見たら、なんでこの映画がここまでぶっ叩かれまくっているのかわからない人もいるかと思うのですが。 まあ簡単に言ってしまえば、この作品踏んじゃいけない地雷を片っ端から踏んでいる作品なんですよね。 個人的に、この映画を見た素直な感想は、「何でこんなひどいことをするんだろう?」でした。 理不尽な暴力を受けた時のように。そしてこの映画は本当に私にとっていきなり何の理由もなくぶん殴られたような、そんな暴力に等しいひどさでした。 まあ理屈はわかるんですよね。 初期三部作でまあいろいろあって。 そこ

鬱映画ファイル3『ディセント』

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どうも、松本13です。今回は鬱映画ファイル3、『ディセント』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ディセント』は、2005年のイギリス映画。監督・脚本はニール・マーシャル。 【あらすじ】 アパラチア山脈奥地の地下洞窟へ冒険旅行に訪れた女性6人の仲良しグループ。しかし、落盤によって出口がふさがれ、迷宮のような洞窟に閉じ込められてしまう… この映画、個人的にめちゃくちゃ好きな映画です。 ホラー映画としてはもちろん、鬱映画としてもかなりの名作なんじゃないかと。 実際この手のジャンルの映画として『ミスト』や『セブン』と並べても遜色ない映画ってそうはないと思うんですよね。 個人的にディセントはその二つを超えたとは言い切れないながらも、並べて語っても全く問題ないレベルではあると思っています。 それくらいに面白い映画なんですよね。 そしていい感じにジメジメとした胸糞展開や不快指数が満ちている作品だったりします。 本当にこの作品特有の嫌な感じってかなりあると思うんですよね。それがまた妙に癖になってしまうものでして。 明るく楽しい話では全くないものの、定期的に見たくなってしまう作品だったりします。 めちゃくちゃ心をえぐってくる内容なのに何度も見たくなってしまうという謎の中毒性、という部分においてもミストやセブンと同様かと思います。 ホラー映画としては今でも普通に名作扱いを受けている映画ではあるかと思いますが、ただ世間一般の知名度からするとまだまだ隠れた名作レベルなんじゃないかと思います。 個人的にはもっと多くの人に知られてもいい作品かと思うのですが。 それくらいに素晴らしく面白い作品なんですよね。 もちろん明るく楽しい話ではないので好みは別れるかと思いますが。 ただ鬱映画や、ちょっと普通ではないホラー映画が好きなのであれば一度は通っておいても損はない作品なんじゃないかと思います。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

プリディスティネーション

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どうも、松本13です。今回は、『プリディスティネーション』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『プリデスティネーション』は、2014年のオーストラリアのSF映画。  ロバート・A・ハインラインによる短編小説『輪廻の蛇』を原作としている。主演はイーサン・ホーク。 【あらすじ】 1970年11月6日。連続爆弾魔フィズル・ボマーの脅威にさらされていたニューヨーク。青年ジョンが場末のバーでバーテンダーに驚くべき身の上話を語る。しかしそのバーテンダーは時空警察の捜査官だった…  この映画、めちゃくちゃ面白い映画です。 とにかく伏線回収が気持ちいい。とてつもなくストンとオチるラスト。 膝を打ってなるほど!と心から思えるくらいにストーリーが秀逸な映画です。 ここまで言っても決して言い過ぎではないくらいに面白い映画です。 この映画、そこまでの期待をして見た人ってあまりいなかったと思うんですよね。 イーサン・ホークが出ているそこまで重たくはない内容のSFかアクションくらいの感覚で見た人が多かったんじゃないかと。 しかし蓋を開けてみたらとんでもなく面白かったというパターン。 とはいえこの映画はかなりよくできた映画なので相当な期待値を持って見ても残念な気分になることはないかと思います。 本当にこの映画、内容はめちゃくちゃ優れているんですよね。ただビジュアルが地味。 それこそイーサン・ホーク主演の、彼の出演作品の中では可もなく不可もないタイプの映画かと思ってしまいがちなのですが、むしろイーサン・ホーク主演作品の中では名作の部類に持ってきてもいいくらいに素晴らしい作品です。 クリストファー・ノーラン監督作品のような長尺の重厚な作品というわけではないので、その手の期待は禁物ですが。 ただ比較的短時間でここまで綺麗にオチる作品というのも本当になかなかないと思いますし、決して簡単な話ではないものの、割と直感的に理解できるストーリーではあるかと思います。 そういう意味でも貴重な作品かと。楽に見れるのに伏線回収がとんでもなく気持ちのいい映画って実際そうはないと思うんですよね。 それくらいの感覚で見るのであれば大抵の人は大満足できる作品かと思うので、個人的にはめちゃくちゃおすすめです。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

ストレイト・ストーリー

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  どうも、松本13です。今回は、『ストレイト・ストーリー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ストレイト・ストーリー』は、デヴィッド・リンチ監督のロードムービー。1994年に「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された実話を基にしている。 【あらすじ】 アルヴィン・ストレイトは娘のローズと暮らす73歳の老人。ある日、10年前からの不和が原因でずっと会っていなかった兄が倒れたという知らせを聞いた彼は、350マイル(約560km)先の兄の家に向け、芝刈り機に乗り無謀とも言える旅に出る… この映画、一見すると実話を元にした感動作、心温まるロードムービーみたいに見えたりもするのですが。 監督はデヴィッド・リンチなんですよね。 カルト映画の帝王と言われていたり、世界中の数々の映画賞を片っ端から受賞している巨匠中の巨匠。 よくも悪くも難解であったり、シュールであったり、一筋縄ではいかなかったり、極端な言い方をすれば、なんかよくわからない映画ばかり撮っているけれど批評家や映画好きからはいつも大絶賛されているみたいな。 とにもかくにもデヴィッド・リンチって頭を空っぽにして楽に見れるような分かりやすい映画を撮る監督じゃないんですよね。 そんなカルト映画の帝王が謎に作っためちゃくちゃ分かりやすい作品がこの映画でして。 才能って振れ幅と言いますが、やはり難解であったりシュールであったりといった、変化球を投げられる監督というのは直球でも勝負できるものなんですね。 本当にこの映画はド直球の人情系ロードムービー。 デヴィッド・リンチ監督の他の作品が一切分からないような人でも、この作品はめちゃくちゃわかるかと思いますし、なんかこの映画ってそういう所までデヴィッド・リンチが降りてきてくれたみたいな感じがしてとても好感が持てるんですよね。 なんか上から押し付けられるような作家性って理解する以前にちょっと反発したくもなってしまいますし。 作家性の強い難解映画を引き合いに出した老害ムーブやマウントみたいなのも昔からよくありますし。 ただこの作品はそんなあれこれ抜きに純粋に楽しめる本当にド直球な映画です。 ただデビッド・リンチらしさがないかと言ったらそういうわけでもなく、作品の端々からそれなりのエッセンスは感じられます。 確かに他の作品に比べると不条理さやシュールさは控えめな部分はあ

鬱映画ファイル2『サイレトヒル』

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どうも、松本13です。今回は鬱映画ファイル2、『サイレントヒル』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『サイレントヒル』は、2006年のカナダ、フランス、アメリカ、日本の合作ホラー映画。コナミから発売されたゲーム『サイレントヒル』を原作に製作された。 【あらすじ】 ローズとクリストファーのダ・シルヴァ夫妻は、娘シャロンの奇妙な言動に悩んでいた。ある日、シャロンが何かに取り憑かれたかのように発した「サイレントヒル」という街が実在することを知ったローズは、夫の反対を押し切り、彼女を連れてそこを訪ねることにする… 鬱映画を語る上で、『ミスト』は避けては通れない映画かと思うのですが。 そんなミストを語る上でサイレントヒル という作品も避けては通れないんじゃないかと思います。 そもそもサイレントヒルというゲーム自体がミストの原作小説を元に作られている部分もありますし。 それらを含めた霧を題材としたホラー作品群全体がミストやサイレントヒルに相互に影響を与え合って成り立っている部分もあったりしますし。 その部分の関係性もかなり興味深くはあったりするのですが。 個人的にサイレントヒルは日本製ゲームが原作ということもあり、ミストよりも大分とっつきやすい作品なんじゃないかと思っています。 マイルドなミストといった印象。 とはいえあくまでミストに比べればであって、この作品単体で見れば全然マイルドではないかと思うのですが。 ゲーム原作なので賛否両論な部分もそれなりにはあるかと思いますが、私個人としては同じゲーム原作映画である『バイオハザード』ほどむちゃくちゃなこともやっていないので、全然許容範囲内だったりします。 それにこの映画ってちょっとした映画の好みの分水嶺みたいな部分があると思うんですよね。 この映画がとても好きならミスト方面の地獄をおすすめできますし、苦手なのであればもっとノーマル寄りな作品をおすすめしますし。 サイレントヒルはこの手の映画としてはかなりメジャーな映画なので、そういう会話の上ではめちゃくちゃ便利なんですよね。 鬱映画にしても、異形クリーチャーホラーにしても、本来限られた範囲のジャンル映画の入り口の、その裾野を大きく広げたという部分については、この映画はめちゃくちゃ評価されてもいいんじゃないかと思います。 内容についても特定ジャンルの映画としてよ

グレイマン

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どうも、松本13です。今回は、『グレイマン』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。  【概要】 『グレイマン』は、2009年に出版された『暗殺者グレイマン』を原作としたアメリカのアクションスリラー映画。主演はライアン・ゴズリング。 【あらすじ】 連邦刑務所で服役していたところをリクルートされ、組織内屈指の凄腕暗殺者となったジェントリー。しかしある一件をきっかけに事態は一転、自分がCIAから追われる事となる… この映画、めちゃくちゃ面白かったです。 予算は豊富でキャストも豪華な大作アクション映画としてはこれ以上にない映画なんじゃないかと。 制作はNetflix、監督はMCUの面白い方の作品を何作も担当しているルッソ兄弟。主演はライアン・ゴズリングという、もう間違いのない組み合わせ。 Netflix制作の映画ってジャンルによってはちょっと微妙な物も多かったりするのですが、この手の大作については間違いのない印象です。 そして実際の内容についても、本当に間違いのない内容。 逆に間違いがなさすぎて、何の意外性もないといえばそれまでなのですが。 本当にストーリーに関しては全く意外性のないストーリーです。とはいえアクション大作としてはそのくらいがちょうど良かったり。 本当にとてつもない安定感のある作品です。 ド派手な展開はたくさんあるし、変に奇をてらっていない分、ストーリーや登場人物がノイズになるようなこともありませんし。 それより何より主演がライアン・ゴズリングという安定感。彼が凄腕エージェントという時点でもう勝ちは確定だと思うんですよね。 ハラハラドキドキするシーンなんてほとんどなし。多少ピンチになったりしても、まあライアンゴズリングだし大丈夫でしょ?と思える安定感。 しかも今作でサイドキックを演じるのは、アナ・デ・アルマス。これまためちゃくちゃ安定感のある俳優です。 アナ・デ・アルマスってめちゃくちゃ仕事ができる女のイメージなんですよね。 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でも、めちゃくちゃ仕事ができる凄腕なのに主役のボンドとは一切いい感じにならず、やることやってさっさと帰ってしまうという、職場に色恋を持ち込まないというめちゃくちゃできる女。 ライアン・ゴズリングに加えて、そんなアナ・デ・アルマスに対するのは、MCUでキャプテンアメリカを演じたクリス・エヴァンス

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

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どうも、松本13です。今回は、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、2019年のアメリカ合衆国の怪獣映画。『モンスター・ヴァース』の3作目。 【あらすじ】 ゴジラ出現から5年後。神話時代の巨大生物モスラ、ラドン、キングギドラたちが現代に目覚め、地球の覇権をかけゴジラとバトルを繰り広げる… この映画、個人的にはゴジラ映画ワーストの部類に入るかと思います。 世間一般的にはゴジラ映画として大成功した部類だと思いますが。 もちろんこの映画にも素晴らしいところは多々あります。 ただ作中の、渡辺謙扮する芹沢博士の一連の言動が個人的には激しく地雷でして、その一点のみでゴジラ映画としてワーストの部類の評価となっています。 ゴジラのような特撮ジャンルに限らず、どのようなジャンルにおいても近年はとりあえず叩くみたいな否定しぐさがなくなったのは本当にいいことだと思うんですよね。 とりあえず否定したり文句をつけたり無駄な辛口批評を良しとするような風潮。 それらが衰退したのって、そのような言動はジャンルを衰退させるのみで、そしてテレビに出るような大物からネットで情報を発信する個人まで、そのようなスタンスの人間が否定をするばかりで何も生み出してこなかったことがすでに明らかとなっているからだと思います。 もちろんそれなりの作品を残した人もいたりしますが、ただ一連の横暴な言動が正当化できるほど素晴らしい作品を残しているかと言ったら、個人的には微妙なところですし、それらをふまえた上で功罪をプラスマイナスして、マイナスでなかった人はいないかと。 そのような風潮がなくなり、そのような言動をする人間を「老害」の一言で片付けられるようになったのって、個人的には本当にいいことだと思います。 ゴジラ映画というジャンルにおいても様々な世代のファンがいますので評価も様々。 ただ多くのファンはまずはゴジラというコンテンツ自体が存続することを考えているので、どの作品についても結構評価は寛容だと思うんですよね。 一昔前の懐古主義的な否定しぐさみたいな評価ってそこまで多くはないかと。 個人的にはちょっとアレだけど、とはいえ作品として悪くないみたいな、建設的な評価が多いかと思うのですが。 個人的にもそのようなスタンスでゴジラ

サバイバー2024

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どうも、松本13です。今回は、『サバイバー2024』 についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『サバイバー2024』は、2021年に制作されたアメリカのアクション・スリラー映画。出演はジョナサン・リース=マイヤーズ、ジョン・マルコヴィッチなど。 【あらすじ】 パンデミックにより世界が荒廃した2024年。絶望の世界で愛する者も生きる望みも失った元FBIエージェントのベンはひっそりと暮らしていた。そんな彼の前に、ウイルスに免疫を持つ若い娘サラが現れる… 映画をそれなりに見る人ならばすでにこの作品から危険な臭いを感じ取っているかと思います。 『アルマゲドン2020』 みたいな、「よくあるタイトル」+「西暦」という時点でもう嫌な予感しかしません。 しかもジョン・マルコヴィッチとジュリアン・サンズが脇役で出演。 めちゃくちゃ悪い言い方をすると、一昔前のスター俳優を客寄せパンダ的に脇役に起用した、見たことも聞いたこともない映画ってもう最高にフラグなんですよね。 その手の俳優の大抵は別に落ち目だとか消えたとかそういうわけでもないのですが、やはり年を取ると若い頃のような主演作品や主要キャストでの仕事は年齢的に減ってくるゆえ、その手の仕事も受けざるを得ないのでしょうか? この映画に限らず結構よくあるパターンだと思うんですよね。 そんなこんなで良くないフラグがもう片っ端から立っているこの映画ですが、ネットでの評価は星一つ台。 五つ星中、星一つ台ってなかなかないと思うんですよね。 アサイラムとかサメ映画とかその辺でも星ニつくらいはありますし。 とはいえアサイラムやサメ映画というのはある種ちょっとしたブランド化というか特殊ジャンル化していたりもしますので。 その手の映画の時点でもう誰も最初から期待はしてないわけです。 ゆえに採点は0点スタートの加点方式みたいな、ある意味かなり有利な立場ではあると思うんですよね。 ゾンビ映画なんかもそうだと思いますが。 そういう意味ではこの手のアクション映画って個人的にめちゃくちゃ鬼門だと思うんですよね。 まあアサイラムだからとか、サメ映画だからとか、ゾンビ映画だからとか、そういう評価を下支えするある種のコンセンサスと言うか、お約束のようなものが存在しないんですよね。 しかも名作に多数出演している有名俳優を脇役に使っているものだから見る側

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

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どうも、松本13です。今回は、『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』は、2014年4月19日に公開された日本のアニメ映画。『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第22作目。 【あらすじ】 しんのすけと遊んでいてぎっくり腰になったひろしは、不思議な雰囲気の漂う美女に誘われてオープンしたばかりだというエステサロンでマッサージを受ける事になる。しかし、エステを終えたひろしはどういうわけかロボットの姿になっていた… この映画、クレヨンしんちゃん劇場版としては名作の部類に入るかと思うのですが、個人的にはかなり「惜しい」といった印象の強い作品だったりします。 この映画、現状でも十分面白いとは思うのですが、ただそれ以上のポテンシャルを秘めている作品だと思うんですよね。 それこそ名作中の名作になるくらいの。 それこそ『ルパン三世 カリオストロの城』とか『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』とか、その位のレベルまでいけるポテンシャルのある作品だと思うんですよね。 父親たちの反逆をもうちょっとシリアスに描いたり、 ロボとーちゃんに関するエピソードに関してもゴリゴリの鬱展開に持ってくこともできましたし、存在だゴーストや何やと押井守作品のような方面に持って行くこともできましたし、何なら『ターミネーター2』方面に持っていくことだってできたと思いますし。 そっち方面でうまいことやったら本当にもう相当な名作になったんじゃないかと。 なんてことを私はこの映画に対して思ったのですが、そういう映画が見たければ最初からターミネーター2や攻殻機動隊を見ればいいわけで。 私のような偏った趣味の大人が大満足できるシリアス路線も鬱展開も必要ないんですよね。 だってこれクレヨンしんちゃんですから。 本当に大人は黙ってターミネーター2を見ておけばいいわけで、子供向け作品の劇場版で大人が変に満足感を得ようとするのって、それこそ感動ポルノだよなと。 ふと我に返り、この映画に対してあらぬことを考えたことを反省しました。 私個人としてはいわゆる「どら泣き」などの感動ポルノに関しては否定派なのですが、ただそんな私の中にでさえ無意識にそのような要素を望んでいる部分があるのだなと。 そんな気づ

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ

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どうも、松本13です。 今回は、『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』は、2014年のノルウェー映画。2009年『処刑山 -デッド・スノウ-』の続編。 【あらすじ】 仲間や恋人、さらには自身の腕を失いながらもナチスゾンビ達から逃げ出したマーティンだったが、途中で自動車事故を起こしてしまう。なんとか一命を取り留めた病院で目を覚ました彼が見たものは、医者の手違いによりゾンビ司令官ヘルツォークの腕を付けられた自分の姿だった。ヘルツォークの腕の秘められた力により、特殊能力に目覚めたマーティンがナチスゾンビ軍団との戦いに挑む… この映画は前作、『処刑山 -デッド・スノウ-』の続編ですが、前作を見ていなくても十分に楽しめます。冒頭に回想シーンが入りますし、私自身前作は未見ですがめちゃくちゃ楽しめました。 この映画はAmazonプライムで配信が開始された当時もそれなりに話題となりましたが、とにかく内容盛りだくさんの最高な映画です。 撮影手法やストーリー展開などについてのテンプレが確立されてきたこともあり、近年のゾンビ映画はかなりレベルが高いかと思うのですが、この映画はその中でもトップクラスに面白い映画なんじゃないかなと思います。 監督のトミー・ウィルコラはこの作品の後に『セブン・シスターズ』と『バイオレント・ナイト』という映画をハリウッドで撮っています。どちらもめちゃくちゃに面白い映画。 逆にそれらの映画が面白かったからと、この作品に遡ってみるのもありかと思います。 ナチスゾンビVSソビエトゾンビというタイトルからはZ級映画臭しかしないので、あえてスルーしていたという人もいるかもしれませんが、この映画は間違いなくZ級映画ではありません。 むしろ相当によくできたB級映画かと思います。ハリウッドの大作以外では低予算が多いゾンビ映画の中ではかなりお金も手間もかかっている方かと思います。 タイトルからもビジュアルからも全く予想はできませんが、めちゃくちゃしっかり作り込んでいる映画です。 ゾンビエキストラもめちゃくちゃ出てきますし、車数台ぶっ壊したりもしますし、何なら本物の戦車だって出てくるので。 ゴアシーンに関しても相当に気合が入っています。血糊もいっぱい内臓もたくさん。殺し方にも見せ方

アウトロー

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どうも、松本13です。今回は、『アウトロー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アウトロー』は、リー・チャイルドの全米でベストセラーとなっているジャック・リーチャーシリーズ9作目の2005年の小説『アウトロー』を原作とした2012年のアメリカ映画。主演はトム・クルーズ。 【あらすじ】 ペンシルベニア州の公園で、5人の市民が射殺される事件が発生する。現場に残された証拠から逮捕された男は容疑を認めず、「ジャック・リーチャーを呼べ」と要求する… この映画、個人的にめちゃくちゃ好きな映画です。 トム・クルーズ主演作品としてはひとまず『ミッション:イン ポッシブル』は殿堂入りとして、それ以外ではトップクラスに好きな作品。 可能ならば永久にシリーズが続いてほしいと思っていたのですが、世間一般的な評価としてはそこまで突出して高くはない模様。 一作続編は作られたもののその後は沈黙。雰囲気的にもう復活はなさげ。 トム・クルーズ主演作品としてもそこまで存在感のない作品だったりはするのですが。 ただ映画としてはめちゃくちゃ面白いんですよね。 アクション要素はもちろんのこと、クライムサスペンスとしてもかなり面白い。 小説原作ということもありストーリーがめちゃくちゃよくできてるんですよね。 かと思ったらめちゃくちゃ笑えるシーンもあったり。 映画のタイトルがアウトローと言うだけあり、いつもの爽やかなトム・クルーズとは一味違ったトム・クルーズが味わえたりもします。 個人的にその部分もこの作品を好きな理由の一つです。 本当にこの作品のトム・クルーズのキャラってめちゃくちゃいい感じなんですよね。 そのようなもろもろの部分も含め、めちゃくちゃ面白い映画なので個人的にはとてもおすすめです。 が、それって原作要素を抜きにしての話なんですよね。 とはいえ日本では本国アメリカほど原作は有名ではないかと思うので、あまり問題ではないかと思うのですが。 個人的には文句なしに面白かったこの映画の評価があまりよろしくない部分が不思議でならなかったのですが、トム・クルーズ演じるジャック・リーチャーというキャラクターに色々と問題があるみたいなんですよね。 原作ではジャック・リーチャーは大男な設定。トム・クルーズはどちらかというと小柄。 その部分でかなり「これじゃない感」を感じる人が多かったようです

鬱映画ファイル1『ミスト』

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どうも、松本13です。 今回は、鬱映画ファイル1、『ミスト』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ミスト』は、スティーヴン・キングの1980年の中編小説『霧』を原作とした、2007年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。監督・脚本は、過去にキング原作の『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』を手がけたフランク・ダラボン。 【あらすじ】 激しい嵐が過ぎ去った町に不気味な深い霧が立ち込め、住民たちは身動きが取れなくなってしまう。やがて霧の中に潜んだ様々な怪異が彼らを襲いはじめる… この映画、もはや鬱映画を語る上で避けては通れない映画なんじゃないかと思います。 今や鬱映画の金字塔と言っても過言ではないレベルの映画かと思いますので。 それくらい言ってしまっても決して大げさではないくらいに、この映画は素晴らしい作品かと思います。 ミストと言ったら胸糞なストーリーばかりがフィーチャーされがちですが、何気ない日常が得体の知れない何かによって侵食されていくその展開がまさに秀逸ですし、異形クリーチャーの造形も本当に素晴らしいと思うんですよね。 それに加えてこの映画、本当に登場人物が魅力的。 私は未だに「副店長」と聞くとこの映画の副店長が頭の中に思い浮かびます。 カルトババアについても同様。コロナ禍に陰謀論やら何やらが話題となった際に頭の中に真っ先に思い浮かんだのはこの映画のカルトババアでした。 もうそれくらいにインパクト大の登場人物が脇を固めまくって胸糞ストーリーを盛り上げまくっているんですよね。 そして作中のそれぞれの選択によって、それぞれの結末を迎えるというその部分もまたちょっと色々と心に来るものがあります。 それらを含めた全てのバランスがめちゃくちゃいいんですよね。 だから見ていてめちゃくちゃ気分の悪い胸糞映画にも関わらず、それでもなんか妙な心地よさみたいなのもあったり。 そして本当に何度も見たくなってしまう謎の中毒性があるんですよね。 これだけ胸糞悪い映画なのに何度も見たくなってしまうって本当にすごいことだと思いますし、それだけ作品が優れているということなのだと思います。 とにかく鬱映画としても普通の映画としても、名作であることは間違いないので一度は通っておいて損はない作品かと思います。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとう

デビルマン

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  どうも、松本13です。今回は、『デビルマン』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『デビルマン』は、永井豪の同名漫画を原作とした日本の特撮映画。2004年公開。興行・批評などあらゆる面で失敗した「伝説のクソ映画」として語られることも多い。 【あらすじ】 両親を亡くし、牧村家に引き取られた高校生・不動明は、親友・飛鳥了の父の死をきっかけに、人類の滅亡を画策するデーモンと合体することに。その強い意志により、人間の心を残したデビルマンとなった明は、デーモンと孤独な戦いを続けるが… 「邦画はクソ」という人がたまにいたりしますが、さすがにそれは言い過ぎなんじゃないかと思います。 日本の芸能界や映画界の一部の要素が激しくクソで、それが悪目立ちしている部分はあるものの、邦画ならではの素晴らしい部分も多々あったりします。 決して全てがクソというわけではないと思うんですよね。 ただ私自身、口には出さないながらも、心の中には邦画はクソ、みたいな妙なアンチテーゼがどこかにあるんですよね。 全く無いといったら嘘になります。 幼い頃は別に邦画はクソなんて思っていなかったんですよね。 当時は分かりやすい洋画ばかり見ていたので、邦画は暗いとか退屈とか難しいとか、そんなイメージしかありませんでした。 ただクソだとは思っていなかったんですよね。 じゃあ私はいつから邦画はクソと思うようになったのだろう?そう考えるとやはりデビルマンからなんですよね。 私はデビルマンを劇場公開から少し後のレンタルで見たのですが、当時は今ほどインターネットが発達していなかったので、デビルマンの悪評ってそこまでド派手に聞こえては来なかったんですよね。 というわけで私はデビルマンをノーガードで見てしまったんですよね。なんならちょっと期待すらしていたのですが。 内容のひどさについてはもはや語るべくもないかと思いますが。 そのついでに、というわけではないのですが、他の邦画の実写化作品も何本か見てみたんですよね。 それもまあデビルマンほどではないにせよ、どれも手放しには面白いとは言えない作品ばかりでして。 デビルマン公開前後ってアニメの実写化作品が割と立て続けに公開されていたと思うんですよね。 しかもそれらが結構大作チックにテレビで特集組まれてゴリ押しされていたり。 少なくともその時点ではどの映画もめちゃく

守護教師

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どうも、松本13です。 今回は、『守護教師』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『守護教師』は、2018年の韓国のアクションスリラー映画。主演はマ・ドンソク。 【あらすじ】 暴力沙汰でコーチの職を追われた元プロボクサー・ギチョル。やっと田舎町の女子高校の体育教師という働き口を見つけるが、女の子ばかりの職場でその巨体を持て余す。そんな中、不登校の生徒のことを調べていると不可解な事件が起こり、街に巣食う暴力団の姿が見え隠れするようになる… マ・ドンソクと言ったら刑事かヤクザの役が定番かと思いますが、今回はこれまでの作品とは少し違った教師という役どころ。 とはいえ暴力沙汰で職を追われた元ボクシングチャンピオンの体育教師という、マ・ドンソク以外に誰がこの役を演じるんだというくらいにハマっている役なのですが。 そんなこんなで田舎の高校に赴任したドンソクの兄貴が正義の鉄拳で悪ガキどもを更生…というわけではなく、赴任先は女子高。 お決まりの鉄拳は封印して、多感な思春期の生徒たちとの心の交流を…というわけでもなく。 その部分は不穏なビジュアルからも察せられる通り、内容はしっかりとサスペンスしています。もちろんエグいことで有名な韓国サスペンスなのでストーリーも一筋縄ではいきません。 失踪した友人を探す、何かと問題の多い生徒。彼女と行動を共にするうちに一つまた一つと田舎の暗部が明らかとなり、様々な事件に巻き込まれていくのですが。 もちろんドンソク主演作品なので解決方法は一つだけ。鉄拳制裁。 『犯罪都市』 シリーズほどアクションシーンが満載というわけではありませんが、とはいえ最低限満足できるレベルのドンソク成分は配合されています。 守護教師のタイトルながら、赴任してすぐにバイオレンスな展開に巻き込まれていくので、ほとんど教師の仕事をしていないっちゃいないのですが。 まあそんなツッコミどころを含めてのドンソク映画として見るのがいいのかなと。 この映画はドンソク映画として見るか、普通のサスペンス映画として見るかでも評価は違ってくるかと思います。 ドンソク映画として見れば満足できるいつものドンソク映画です。その中でも突出して傑作の部類に入るとは言い切れませんが、とはいえ決して駄作というわけでもなく、ドンソク映画として見れば十分に面白い映画です。 逆にマ・ドンソクという要

アナベル 死霊博物館

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どうも、松本13です。今回は、『アナベル 死霊博物館』 についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アナベル 死霊博物館』は2019年のアメリカ合衆国のホラー映画。「死霊館」ユニバースの7作目。 【あらすじ】 ある日、クラスメイトのメアリーとデニースは、超常現象研究家のウォーレン夫妻に娘のジュディのベビーシッターをひと晩頼まれる。かねがね夫妻の家の噂をきいていたふたりは恐怖の人形・アナベルが保管されている保管室に興味本位で足を踏み入れてしまう… 個人的に死霊館ユニバースというのは、ウォーレン夫妻を主人公とした本家『死霊館』以外は当たり外れが激しいイメージがあるのですが、今作については大当たりの部類に入ると思います。 この手のユニバース作品や続編物のホラー映画が1周回ってギャグになってしまうようなことはよくあると思うのですが、この作品もそんな感じかと。 ちなみに私個人としてはホラー映画が1周回ってギャグになってしまう現象は大好きです。 まあそれもこれまでの積み重ねがあったからこそできたことではあるのですが、とにもかくにも今作はこれまで死霊館ユニバースで積み上げてきたものを総動員してのドタバタコメディ。 とはいえガワは一応これまでと同様にホラーの体裁を保ってはいるのですが、内容は相当にライト。安心して見れるタイプのホラー映画です。 そういう意味ではこれまでの作品とは毛色が違う作品です。 MCUで言ったら『アントマン』か、はたまた『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』あたり。そんな感じのノリの作品です。 なんとなく序盤からもうすでに、いい意味で軽い感じのホラー映画の雰囲気がだだ漏れ。 そもそも全米各地の特級呪物が集まったウォーレン夫妻宅の地下室に忍び込んで、呪いを解き放ってしまうのですから、それはもう待ってるのは地獄しかないわけです。 これまでのシリーズで散々「危ないから触るなよ?絶対に触るなよ?」と繰り返してきた呪いの品に全部触っちゃうのですからもうギャグとしか言いようがありません。 まあそういうことをやっちゃった若者が散々な目に遭うというのはある意味B級洋ホラーのお家芸だったりするわけですが。 とはいえこの作品は死霊館ユニバースの作品なので、そこまで無茶苦茶なこともできないわけです。 舞台はウォーレン夫妻の家。登場人物も数人。しかもウォーレン夫妻もゴー

皆殺しの流儀

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どうも、松本13です。 今回は、『皆殺しの流儀』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『皆殺しの流儀』は、2014年に制作された、イギリスのクライムアクション映画。 【あらすじ】 かつて、ロンドンで伝説のギャングとして名を轟かせていた兄弟リッチーとチャーリー。 ある日、若者ギャングに襲われていた女性を助けようとしたチャーリーが殺されてしまう。訃報を聞いたリッチーはスペインからロンドンに戻り、平均年齢70オーバーのかつてのギャング仲間を集め、かつてのやり方で兄を殺したギャング達を情け容赦なく一人一人追い詰めていく… まあ簡単に言うとこの映画は舐めてたやつが実はクソ強だった系の映画です。 ホームセンターの従業員が元CIAの凄腕エージェントだったり、車を盗んで犬を殺した相手が鉛筆1本で3人を殺せるような伝説の殺し屋だったり。 映画において悪役の立場からすると最低最悪の巡り合わせというのは多々あるのですが、この映画もまさにそんな地獄の巡り合わせ。 うっかり殺してしまった相手が実は伝説のギャングのメンバー。はい、人生 終了です。詰みです。 そんなめちゃくちゃ面白そうなあらすじに、『皆殺しの流儀』というこれまた最高に面白そうなタイトル。 もうその時点でほとんど勝ちは確定なんですよね。作中でよほどの大ポカをやらかさない限りは面白いはず。 内容は期待通りの面白さ。テンポもいい爽快感のある復讐劇。 もちろん『ゴッド・ファーザー』のような重厚な映画ではありません。 そこはかとなくB級っぽさがにじみ出ていますが、まさにその通りの大味な内容です。冷静になってみると結構ツッコミどころはあったり。 とはいえ冷静になって見るような映画ではないですし、大味な部分はB級映画としては魅力の一つ。 個人的には期待通りの内容でめちゃくちゃ面白かったです。 B級映画としてこの映画を見て残念な気持ちになる人はそうはいないんじゃないかなと思います。 ただ贅沢を言うなら登場する伝説のギャングの面々にもう少し凄みが欲しかったかなと。 何分大味な映画なので、確かに普通の老人ではないのだけれど、かといって伝説かと言ったらちょっと弱いなと。色々ガバイ部分もあるしもうちょっと頑張れたんじゃないかと。 シビアに見たら主人公側にはそんな肩透かし感があったのですが、ただこの作品には嬉しいサプライズもありまし

ロンドンゾンビ紀行

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どうも、松本13です。 今回は、『ロンドンゾンビ紀行』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ロンドンゾンビ紀行』は、2012年のイギリスのゾンビ・コメディ映画。原題のCockneysはイーストエンド地区でロンドンなまりの英語を使う労働者階級の人を指す。 【あらすじ】 ロンドンに暮らすお気楽なボンクラ兄弟。大好きな祖父が入居している老人ホームが閉鎖の危機にあると知り、ひと働きして助けてあげようと仲間と銀行強盗を企てる。だが、街にはいつの間にかゾンビが溢れていた… ビジュアルにデデンと大きくユニオンジャック。タイトルにしてもビジュアルにしてもこれでもかというくらいにイギリスアピールの映画。 『28日後…』もそうでしたが、イギリスとゾンビの相性というのは結構いいんじゃないかと思っています。 全体的な雰囲気としても、街並みのようなビジュアルにしても。アメリカのそれとは違った終末感があると思います。 最近はゾンビ映画と一口に言ってもサバイバルアクションからコメディに至るまで様々な ジャンルがあります。 そしてその中にもう名作と言われるレベルの映画が多々あるので、ゾンビ映画では気軽に面白いと言うとハードルが無駄に上がりすぎてしまいます。 なのでこの映画に関しても私個人としては普通に面白い映画だと思うのですが、ただ前述のような事情も考慮するとそこそこの期待値くらいで見るのがいいのかなと。 作品の方向としてはコメディ寄りのゾンビ映画。しかしグロシーンに関してはかなりしっかり。 登場するゾンビは建設現場で発掘された遺跡の中にいたゾンビから噛みつかれて感染した、ウイルス感染系のゾンビです。 ウィルス感染系のゾンビですがこの映画のゾンビは走りません。安心安全な昔懐かしいノロノロゾンビ。 この映画のレビューを見ていて興味深かったのはゾンビ発生のメカニズムが解明されなかった点に不満を感じている人がいたこと。 おそらくその人はゾンビ映画ではなく普通の映画感覚で見たのだと思います。それゆえの不満だったんじゃないかと。 ゾンビ映画においてゾンビというのはなんかよくわからんけどどっかからやってくるくらいのイメージで見ていたのですが、ゾンビ映画に毒されていない普通の人からするとそのようなツッコミどころもあるのだと、とても新鮮な気持ちになりました。 確かに特定のジャンルの映画ばか

エスター ファースト・キル

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どうも、松本13です。 今回は、『エスター ファースト・キル』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『エスター ファースト・キル』は、2022年のアメリカ合衆国のホラー映画。2009年の映画『エスター』の第二作で、第一作以前のコールマン家に引き取られる前を描く。 【あらすじ】 2007年のエストニア。警備が厳重な精神病院から知能が高く凶暴な美少女リーナが緻密な計画で脱走する。彼女は外見は10才だが成長ホルモンの異常で成長が止まった犯罪歴のある成人女性だった。彼女は自らの容姿に似た少女エスターを利用してとある計画を企てる… この映画は個人的には大当たりだった映画です。めちゃくちゃに面白い。 一本の映画としてはもちろんですが、続編としても大傑作だと思います。 私は映画に関する「面白い」の判断基準がかなりゆるい人間ですが、それでも良作と傑作の間にはそれなりに明確な線引きをしています。 個人的に前作はそこまで大好きというわけではなく、評価としても良作止まりかなといったところだったのですが、この映画は間違いなく傑作、大傑作と言い切っていいレベルです。 とはいえ普通とは少し違った趣味の人間、ロバート・ロドリゲス監督作品では『マチェーテ』が一番好きなタイプの大傑作なのでその部分はご了承ください。 比較的近年の映画で言うと『バーバリアン』や『マリグナント 狂暴な悪夢』のような大傑作。この中の一作でも好きならばおそらく他の映画も好きなはず。 前作は良くも悪くもそこまで極端に突出した何かがあったというわけではなかったと思うのですが、今回は本当に良くも悪くも私のような特定の層にぶっ刺さる内容となっています。 なので前作がそこまでじゃなかったという人もこの作品は楽しめるかもしれません。 そしてエスターという殺人鬼に対してのイメージもこの映画を見る前と見た後では少し変わるかと思います。 私も本当にびっくりしました。まさかエスターに対してこのような気持ちを持つことになろうとは。 それがどのような気持ちかに関してはネタバレになってしまうので伏せますが。 どちらにしても予想外のサプライズがあることは間違いないです。 個人的に今後シリーズが続いていくのであれば追いかけて行きたいなと思っています。前作はそれほどではなかったのでこの映画も公開からしばらく放置していたのですが、今後は

バイオハザード

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どうも、松本13です。今回は、『バイオハザード』、およびバイオハザードシリーズについてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『バイオハザード』は、2002年のサバイバルアクションホラー映画。カプコンの同名ビデオゲームを原作とし、ポール・W・S・アンダーソンが監督・脚本を務める、映画「バイオハザード」シリーズの第一作目である。 【あらすじ】 製薬会社の地下研究所で新種ウイルスの漏えい事故が発生。事故直後に記憶を失った防衛要員のアリスは、暴走する制御コンピュータを停止させるべく特殊部隊と共に所内へ進入。だが、そこは怪物の巣と化していた… この映画、多くの人にとってはもはや語るべくもないスタンダードかと思いますが。 むしろここまでのスタンダードになった映画というのもなかなかないんじゃないかと。 原作ゲームの知名度もありますし、続編が多く作られ、そしてそれらが何回もテレビ放送されていることもあり、もはやこのシリーズを知らない人はいないと言っても過言ではないのではないでしょうか。 好き嫌いは別としても、全く見たことも聞いたこともないという人はおそらくほとんどいないんじゃないかと。 じゃあこの映画が問答無用の名作かと言ったらそうは言い切れない部分も多々あるかと思うのですが。 批評家による評価はどの作品もかなり低め。原作ファンからの評価も同様。 しかしそれ以外の層からの評価は概ね好評。 それゆえに今作はシリーズとして大成功したんじゃないかと。 批評家受けのいい重厚な作品にするわけでもなく、原作ファンを納得させるスプラッターやホラー映画にするわけでもなく。 批評家や原作ファンって映画の市場で言ったらほんのごく一部なわけで、それ以外の層がとっつきやすい大衆的で大味なサバイバルアクション映画だったからこそ、ここまで大成功できたんじゃないかと。 その部分を監督がどこまで意図してやっていたかは分かりませんが。 とはいえ私も原作のゲームをリアルタイムでプレイしていたので、第一作公開時には「これじゃない感」がかなり強かったです。 当時の評価としては、悪くはないけど決して良くもない。かろうじて良作の範囲には入るかなと言ったABCで言ったらBマイナスくらいの評価だったと思います。 アクション映画としてはもちろん面白かったのですが、とはいえこの映画がバイオハザードかといったらかなり微妙

アベンジャーズ/エンドゲーム

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どうも、松本13です。今回は、『アベンジャーズエンド ゲーム』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、2019年のアメリカのスーパーヒーロー映画。「アベンジャーズ」シリーズの4作目であり、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)の続編。また、「マーベル・シネマティック・ユニバース」の22作目である。 【あらすじ】 凶悪な敵サノスによる大虐殺の後、紆余曲折ありながらも再び終結した生き残りのヒーローたち。彼らはわずかな可能性に賭けて反撃を開始する… この映画、ファンにとってはもはや語るべくもない超名作ではあるかと思うのですが。 ただそういう認識を持っている人って実際そこまで多くはないと思うんですよね。 そのムーブメントの渦中にいるとわからなかったりするのですが、特に日本においてはマーベル作品ってそこまで誰もが知る作品ではないんですよね。 個人的にMCUの基礎知識って義務教育レベルくらいの感覚なのですが、世間一般では「マーベルってあのバットマンとかいるやつでしょ?」くらいの認識な人も普通にいたりします。 とはいえ前作は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 』という映画史に残る名作であり、10年以上続いたシリーズの完結編。 お金を湯水のように使ったプロモーションが血反吐を吐くレベルで行われたこともあり、エンドゲームについてはかなり盛り上がり、そして有終の美を飾れた感はあるかと思います。 アベンジャーズと前後して平成という時代も終わりました。 今思えばあの数年というのは、こういう何かに区切りをつけたり、有終の美を迎えたり、紆余曲折あったけど終わりよければ全てよしとするような、 そんな妙な雰囲気のある時代だった気がします。エヴァ完結しかり。 今作にてアイアンマンやキャプテンアメリカなど、主要ヒーローおよびキャストは卒業ということで、この映画のラストに涙した人も多いかと思います。 私も、もう自分でも引くぐらいに泣きました。もうゲロ吐くんじゃないかってくらい。 私にとってアイアンマン、というかトニー・スタークってそれくらいの存在だったんですよね。 なんやかんやで第1作目のアイアンマンから10年以上の付き合いだったので。 正直ロバート・ダウニーJrのルックスにしても、トニー・スタークのキャラにしても最初は全然

イージー・ライダー

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どうも、松本13です。今回は、『イージー・ライダー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『イージー・ライダー』は、1969年公開のアメリカ映画。ピーター・フォンダとデニス・ホッパーによるアメリカン・ニューシネマの代表作。 【あらすじ】 マリファナの密輸で大金を得たワイアットとビリーは、大型オートバイを手に入れて旅に出た。南部を目指して気ままにオートバイを走らせる2人。しかしその先には思わぬ運命が待ち受けていた… この映画は言わずと知れたアメリカンニューシネマの代表的作品(アメリカンニューシネマとは1960年代後半から1970年代半ばにかけてのアメリカにおける映画のムーブメント)。 この作品が映画史に及ぼした影響とか時代背景とかカウンターカルチャー云々とか。 この作品について語るべきことは多々あるのですが、とはいえそれらは80年代くらいまでに語り尽くされていて、90年代にはすでにもう過去の名作となっていた気がします。 とはいえこの映画はあれこれ小難しいこと抜きに一度は見ておいて損はない映画かと思います。 イージー・ライダーって誰もがなんとなく知ってはいるけど、実際に見た人はそんなにいないイメージの作品です。 もちろん名作中の名作なので、ある一定の世代の映画好きならば大抵通っていたりはするのですが。 ただそれらは映画好きに限った話かと思います。 そうではない層で公開から50年以上経った今、実際にこの映画を見たという人はそこまで多くないんじゃないかと。 にもかかわらずイージー・ライダーというイメージについては、今もなお絶大な知名度があるというのがこの映画のすごいところだと思うのですが。 ロードムービーの金字塔としてはもちろんのこと 、チョッパー(カスタム) のアメリカン(バイク) の代名詞的存在ですし。 厳密に言うとちょっと違う部分もあったりするのですが、とはいえイージーライダーのようなバイクイコール、チョッパーやハーレーみたいな。 本来ならば一部のバイク好きしか知らないようなそれらの要素をふわっとしたイメージながら一般化したのって普通にすごいと思うんですよね。 両腕を高く上げハンドルを握るポーズで「イージーライダー」って映画を知らなくても結構通じると思いますし。 映画にしても音楽にしてもバイクにしても様々な方面に絶大な影響を与えた映画なので、それ

シン・仮面ライダー

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  どうも、松本13です。今回は、『シン・仮面ライダー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『シン・仮面ライダー』は、2023年3月18日に公開された日本映画。監督・脚本は庵野秀明。 【あらすじ】 謎の組織「SHOCKER」によって人体改造された本郷猛。彼は博士とその娘と組織から逃亡したものの、博士が殺害されてしまう。やがて、彼は「仮面ライダー」を名乗り、残された娘と共に組織に立ち向かっていく… この映画はかなり賛否が分かれた映画かと思います。 私個人としては決して駄作ではないかと思うのですが、ただ『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』ほど手放しで絶賛できる作品かと言ったら、そうではないかと思います。 シン・ゴジラやシン・ウルトラマンは文句なしだったんですよね。本当にあっという間の2時間でした。 ただシン・仮面ライダーに関しては後半30分くらいはちょっとダレてしまったというのが正直な所です。 初代仮面ライダーはリアルタイムではないものの、通ってはいるので一部からツッコミの入った怪奇要素や変身ポーズの有無、作品全体のケレン味などについては、おおよそ監督の意図通りに受け止められたかなと思います。 その部分を考慮してもやはり終盤はちょっと微妙だったかなと。 決して駄作ではないのですが、ただこの作品を肯定する際、なんやかんやで理屈をこねてしまう時点で、そうしなければ肯定できない時点で多少なり難のある作品なのかもしれません。 そもそも仮面ライダーにおいての正解というのが、ゴジラやウルトラマンほど明確ではないような気がします。 もちろんゴジラやウルトラマンについても人によって、世代によってそれぞれ違いはあるかと思うのですが。 とはいえ仮面ライダーほどは極端ではないかと思います。 この映画に少なからずの正解を感じられる人は多分、リアルタイムかガチ勢、もしくはそれなりに正確に仮面ライダー史を理解してる人に限られるんじゃないかと。 初代以降の昭和ライダーで育った人にとっては初代よりも原体験した仮面ライダーが正解だったりすると思いますし。 昭和ライダーから平成ライダーまでの休止期に育った世代にとっては、他の世代ほど共通の仮面ライダー感というのがないと思いますし。 平成ライダーが原体験という人にとっての正解は昭和ライダー勢とはこれまた違ったりしますし。 ただ昭和

コンフィデンシャル/共助

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  どうも、松本13です。 今回は、『コンフィデンシャル/共助』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『コンフィデンシャル/共助』は、2017年公開の韓国のアクション映画。主演はヒョンビン、ユ・ヘジン。 【あらすじ】 北朝鮮の特殊捜査員チョルリョンは、国際犯罪組織のリーダーを追って韓国入りする。同じ頃、国際共助捜査要請に、左遷中のベテラン刑事ジンテは現場復帰をかけて志願する。ふたりは互いに真の目的を隠しながら捜査しようとするが… この映画、めちゃくちゃ面白いバディムービーです。 韓国の刑事もの映画と言うと、暗くて重い内容のクライムサスペンスなど、見る人を選ぶ映画も多いですが、この映画はアクションコメディなので誰でも気軽に楽しめる内容だと思います。 私は他の国の映画ではありえないような鬱展開や、グロ描写の多い韓国サスペンス映画はとても好きなのですが、じゃあこの映画が物足りなかったかと言ったら決してそういうわけでもありません。 むしろかなりお腹いっぱい。大満足でした。 アクションシーンはかなり見ごたえがあります。格闘戦から銃撃戦、カーチェイスに至るまでアクション映画の要素は一通り揃っています。 その合間合間にちょっとしたドラマシーンやコメディシーン。その部分のバランスやテンポがとてもよく、124分の上映時間がとても短く感じられます。 もちろんバディムービーにありがちな凸凹感や、それらを乗り越えた上での胸アツ展開などというお約束もしっかり用意されています。 この映画はアクションコメディとしてもとても優秀ですが、バディムービーとしてもかなりレベルの高い作品に仕上がっていると思います。 個人的にバディムービーと言うと『リーサル・ウェポン』や『ラッシュアワー』をまず思い浮かべるのですが、この映画はだいたいラッシュアワーの第1作目と同じようなストーリーです。 ラッシュアワーは香港の刑事とアメリカの刑事でしたが、この映画は韓国と北朝鮮。ラッシュアワーに負けず劣らずの凸凹感が何ともいい感じです。 この映画は基本的に北朝鮮の刑事がイケメン担当、韓国の刑事がお笑い担当なのですが、とはいえ韓国側もお笑い一辺倒ではなく、うだつが上がらないおっさんかと思いきや、思わぬところで優秀だったりとかなりいい仕事をしています。 ちなみにこの映画のストーリーは大体ラッシュアワーですが

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