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RRR

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どうも、松本13です。今回は、『RRR』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『RRR』は、2022年に制作されたインドのミュージカルアクション映画。興行・批評共に大成功し、アカデミー賞やゴールデングローブ賞など数々の賞を受賞した。 【あらすじ】 舞台は1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム。大義のため英国政府の警察となるラーマ。熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに… この映画、めちゃくちゃ面白かったです。3時間オーバーの大作なのに本当にあっという間でした。 これだけ短い3時間というのも中々無いんじゃないかと。 アクションからダンス、胸熱ドラマからつっこみどころ満載の大味展開まで盛沢山の内容。 とにかく大満足の映像体験でした。 「そうはならんだろ?」と「こまけぇこたぁいいんだよ!!」 が高速回転するインド映画でしか接種できない栄養ってあると思うんですよね。 そもそもインド映画というのはいきなり踊ったり歌ったりということがデフォで、見る側としてもそれを前提として見るかと思います。 そんな最大のツッコミどころを許容して見ているものだから映画の中で起きる他の事も大抵はさらっと流せたりします。 とにかくあれこれ難しく考える必要がない。それがインド映画の醍醐味。 この映画が世界中で大ヒットしたのも多分その醍醐味ゆえなんじゃないかと。 それに加え、少なからずの人が昨今のハリウッド映画に食傷気味だったというのもあるんじゃないかと思うんですよね。 とにかくハリウッドはもう何年もアメコミやクロスオーバーでゴリゴリとやってきて、それがようやく終わったかと思ったら今度は映画とドラマの二本立てになったり挙句の果てにはマルチバースなんて概念が出てきたりして… 私自身その手の映画は嫌いではないしむしろ大好物ではあるのだけれど、とはいえどんな大好物だって10年以上食べ続けて、さらにここから先何年も続きますよとなったら流石に食傷気味になってきて当然だと思うんですよね。 クロスオーバーやらマルチバースやらで絡み合う他作品との関係やストーリーや世界観などなど。 とにかく最近のその手の映画はこれでもかというくらいにしっかりと作り込まれています...

T-34 レジェンド・オブ・ウォー

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どうも、松本13です。今回は、『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』は、2019年公開のロシア映画。ロシア本国ではロシア映画史上最高のオープニング成績を記録、最終興行収入は40億円を超え、観客動員800万人という驚異的な数字を叩き出した。 【あらすじ】 第2次大戦下、ナチスの捕虜となった新米士官のイヴシュキン。収容所での戦車戦演習のため、彼はT-34の操縦を命じられるが、弾を装備することは許されず、ナチス相手に逃げ惑うことしかできない。イヴシュキンは仲間と共謀し、決死の脱出計画を実行する… この映画、めちゃくちゃ面白かったです。 戦争映画と一口に言っても様々なジャンルがあるかと思いますが、この映画はシンプルに娯楽として楽しめるタイプの戦争映画。 もちろんそれらは見やすさという部分であって、決して戦争を軽く描いているというわけではありませんが。 とはいえ様々な種類のある戦争映画の中ではかなり娯楽要素の強い作品かと思います。 映画の悪役としてはもはやフリー素材レベルなナチスをフルボッコにするという爽快感満載の作品。 本当にめちゃくちゃ気持ちのいい映画です。 この映画と言ったら何と言っても戦車同士のバトル。 戦車モノって一昔前はかなり限られたジャンル だったと思うのですが、今は『ガールズ&パンツァー』などの大ヒットもあり、かなり入り口は広がったんじゃないかと。 とにかく戦車同士のバトルシーンは素晴らしいの一言に尽きるかと。 妙に小難しい方面に持って行くことをせず、シンプルな直球勝負でのバトルを楽しむことができます。 めちゃくちゃうまい人のゲーム実況動画を見てるような、そんな心地よさがあったりします。 そのようなバトル要素に加え、同じ戦車に乗る仲間や悪役がこれまたいいキャラしているんですよね。 そういうバトルものならではの胸熱要素みたいな、お約束ノルマもしっかりこなしていたりします。 それに加えて後半はハラハラドキドキな脱獄要素も加わったりと、本当に退屈する暇のない映画です。 その部分のバランスもめちゃくちゃ良く、展開もサクサク。ラストもめちゃくちゃ気持ちよく終わる映画なので個人的にはとてもおすすめです。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございま...

ムーンシャーク

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どうも、松本13です。今回は、『ムーンシャーク』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ムーンシャーク』は、2022年制作のアメリカ映画。制作・配給はアサイラム。 【あらすじ】 1984年。ソビエトは冷戦の対米兵器としてサメを兵士に改良した“ハイブリッドシャーク”を開発する。しかし、研究施設でサメ兵士が暴走し、セルゲイ博士はサメ兵士を道連れにロケットで月へと向かう。40年後、トレス船長率いるNASAの宇宙船が月に不時着する… 今作の製作はアルバトロス。そう、安定のアルバトロスムービーです。 その部分で察する人は察するかと思いますが、いわゆるアルバトロス ムービーとかサメ映画とか、そういう感覚で見るのならばこの映画、普通に楽しめる作品だと思います。 ただその手の作品には時折ブチ抜けた傑作があったり、ネタとしては超絶優秀な駄作があったりするのですが、今作は良くも悪くもそういうぶち抜けた要素がない作品だったりします。 個人的には序盤のスペースシップやサメ人間の造形が割とよくできていただけに、少し期待をしてしまったので、ちょっと後半は肩透かし感があったのですが。 本当に序盤はかなり面白そうなんですよね。 ただ月面に着陸したあたりから無重力はCGなどではなく役者が各自セルフで表現みたいな、アルバトロスクオリティが全開となってくるのですが。 シーンによっては全然無重力じゃなかったり。 旧ソビエトが開発したサメ人間ってちょっと『武器人間』に通じる部分もあったり。 月が部隊という部分も『アイアンスカイ』を彷彿とさせたり。 前述のサメ人間などの造形についても、この作品は面白いんじゃないか?みたいな期待を持たせる部分が非常に多い作のですが。 その部分は安定のアルバトロスクオリティなので過剰な期待は禁物です。 普通に面白くないです。 ただその手の映画として1周回って楽しむくらいのスタンスで見るのであれば十分に楽しめる作品。 ひとまず序盤と終盤の展開もしっかりしているので、本当に過剰な期待さえしなければ、この手の映画としては割と良作なんじゃないかと。 ただまかり間違えばかなりの傑作になるポテンシャルを秘めている作品なのでちょっと残念な部分もあったりするのですが。 本当に題材は優秀だし、部分部分はよくできているんですよね。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合い...

帰ってきたムッソリーニ

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どうも、松本13です。今回は、『帰ってきたムッソリー二』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『帰ってきたムッソリーニ』は、2018年のイタリアのコメディ映画。 2015年のドイツのコメディ映画『帰ってきたヒトラー』のムッソリーニ版リメイク。 【あらすじ】 独裁者のムッソリーニが現代のローマに出現。売れない映像作家のカナレッティは、ムッソリーニを被写体にしたドキュメンタリー映画の制作を思い立ち、そこでイタリア撮影旅行を敢行。するとムッソリーニは持ち前のカリスマ性で、各地の人々の心をとらえていく… この映画、めちゃくちゃ面白かったです。 帰ってきたヒトラーのかなり忠実なリメイクではあるのですが。 ただ舞台がドイツからイタリアに、主人公がヒトラーからムッソリーニに変わると作品の印象がガラリと変わるのが、とても面白いところだったりします。 本当に内容に関してはほとんど同じだったりするのですが。 ただヒトラーとムッソリーニって、ざっくりとしたイメージだと同じくらいの時代の同じような独裁者と見られがちだと思うのですが。 歴史の授業で学ぶ悪い独裁者みたいな。人によって多少解像度は違うかと思いますが。 パブリックイメージとしては同じジャンルにカテゴライズされている人物だと思うんですよね。 ただその部分を掘り下げていくと似て非なる部分はかなりあると思うんですよね。 その部分は本当に興味深いですし、今まであまり興味がなかったそのような部分に興味を持てる人も多々いるかと思いますし、そういう面でもこの映画は優秀なんじゃないかと。 実際、私のようにこの映画を見てからYoutubeやウィキペディアでムッソリーニについて調べる人って結構多いと思うんですよね。 そうやってムッソリーニや、ヒトラーについて調べていくとこの映画、より興味深かったりします。 ヒトラーの後にムッソリーニでリメイクって、割と続編というかアナザーストーリー的な意味合いもあったり。 前作とほぼ内容が同じリメイクということで、あえてこの作品を見ようとは思わない人もいるかと思いますが。 この映画、前作を見ている方がより楽しめるんじゃないかと。 主人公がヒトラーであるかムッソリーニであるかで映画のニュアンスが変わってくるのは本当に面白いところなんですよね。 ヒトラーの場合はコメディの割合がかなり強かった印象なの...

破墓/パミョ

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どうも、松本13です。今回は、『破墓/パミョ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『破墓/パミョ』は、2024年に韓国で制作されたホラー映画。主演はチェ・ミンシク。 【あらすじ】 一族に不幸が続いているという家族の依頼を受け、先祖の墓の改葬を行うことになったお祓いや葬儀にまつわる4人のスペシャリストたち。彼らはやがて、掘り返した墓に隠されていた驚愕の秘密に直面していく… この映画、あらすじにしてもビジュアルにしてもめちゃくちゃ面白そうなのですが。 特に韓国サスペンスやホラーが好きな人にとってはもう見る前にかなりの名作フラグが立ってしまっているかと思うのですが。その手の映画の常連俳優チェ・ミンシクが主演ですし。 ただこの映画、その手の期待は控えめにしておいた方が楽しめる作品かと。 エログロ胸糞血みどろスプラッターみたいな、そういう韓国映画ならではのやりすぎ要素みたいな部分に過剰に期待しすぎるとちょっと残念な気持ちを味わってしまうかもしれません。 特に最近のアジアンホラーって大当たり映画が多かったりするので、つい過剰に期待してしまいがちだと思うのですが。 私自身、この映画に対して『哭声/コクソン』のような作品を求めていたのですが、その期待は見事に裏切られました。 その裏切りは決して最高な方面への裏切りではありませんでしたが、落胆とまではいきませんでした。 ただ期待の大きさに関わらずこの映画、多くの人が思ったものと違う方向へ話が転がり出すことは間違いなく、その部分がハマる人にとってはかなり面白い映画になるんじゃないかと。 本当に「え?そっち方面に話が進むの?」みたいな驚きは結構ある映画なので。 ひとまず韓国映画ならではの過激要素さえ過剰に求めなければ、そこまで肩透かしな映画ではないかと思います。 好みはそれなりに分かれるかとは思いますが、一度は見ておいても損はないんじゃないかと。 とはいえ過激要素が控えめというのは何事についてもやりすぎる他の地獄のような韓国映画と比べての話ですので。 一般的な映画感覚で見たら普通に怖いし普通にグロいシーンもあるのでその部分に耐性のない人はご注意ください。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

アビゲイル

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どうも、松本13です。今回は、『アビゲイル』 についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『アビゲイル』は、2024年に公開されたアメリカ合衆国のホラー映画。主演はメリッサ・バレラ。 【あらすじ】 大富豪の娘で12歳のバレリーナを誘拐した犯罪グループ。5000万ドルの身代金を手に入れるため、残された仕事は郊外の邸宅で少女の身柄を一晩監視するだけ。しかし誘拐した少女の正体は凶暴なヴァンパイアだった… この映画、誘拐した子供が凶暴な吸血鬼だったという題材の時点でもうかなり面白そうなのですが。 実際の内容も個人的には大満足でした。 この映画、いわばちょっとした「舐めてたやつが実はクソ強だった」に近いパターンの映画かと思うのですが。 とにかくその手の映画が好きなのであればこの映画、見て損はないんじゃないかと。 あらすじを理解した上で見るのであれば大抵の期待は叶うかと思いますし、肩透かしの要素は殆どないんじゃないかと。 ストーリー的にも普通に面白いですし、吸血鬼モノということもあり、出血描写やゴア描写もかなり見応えがあります。 大勢のいい大人がたった一人の小さな少女相手に怯え、逃げ惑っている絵面が、ふと冷静になるとめちゃくちゃ面白くもあったり。 詳細はネタバレになってしまう部分もあるので伏せますが、この映画、ドラキュラ映画のお約束みたいな部分が通じる部分と通じない部分がありまして、その部分の先の読めなさがまた面白いところだったりします。 そこまでひねりにひねったストーリーというわけでもないながら、割と最後の最後まで展開が読めなかったりしますし、ラストのオチの気持ちよさも個人的にはとても好きです。 そもそもこの映画、誘拐したのが実は凶暴なヴァンパイアだったという最大のネタバレをあらすじの時点でしてしまっているんですよね。 にもかかわらずめちゃくちゃ面白く見れるって割とすごいことだと思うんですよね。 そしてクソ強ヴァンパイアであるアビゲイルちゃんがこれまたいいキャラしてるんですよね。 バレエダンスを交えながらの殺戮シーンなど、見せ方も結構凝っていたり。 背格好が同じくらいということもあり、ちょっと『ミーガン』を彷彿とさせるようなシーンもあったり。 ビジュアルのふわっとしたイメージのみで鑑賞するとちょっと違うかもしれませんが、この映画の特性を理解した上で見るのであれ...

エイリアン:ロムルス

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どうも、松本13です。今回は、『エイリアン:ロムルス』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『エイリアン:ロムルス』は、2024年公開のSFホラー映画。『エイリアン』と『エイリアン2』の間の時代を舞台としている。 【あらすじ】 西暦2142年。日照時間ゼロの採掘植民地・ジャクソン星に暮らす、人生の行き場を失った6人の若者たちは、極めて劣悪な環境から逃れるため、宇宙ステーション“ロムルス”に足を踏み入れる。だが、そこで彼らを待っていたのは、寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する “エイリアン”だった… この映画、個人的には可もなく不可もない、というのが正直な感想です。 名作シリーズなだけに否応なしに期待値は上がりますし、評価についても加点方式というより減点方式になりがち。 通常の作品より評価がマイナス方向にふれがちだと思うんですよね。 にもかかわらず可もなく不可もないレベルに収まったというのは本当にすごいことじゃないかと。 エイリアンシリーズと一言で言っても様々な作品があり、どの作品を原体験とし、どの作品に思い入れがあるかによって、この映画の評価も違ってくるかとは思うのですが。 ただ作品としての大きな欠陥やツッコミどころみたいなものは本当に少ない映画だと思います。 穿った目線での減点方式での鑑賞にもかなり耐えうる高品質な内容なんじゃないかと。 特に直近の作品である、『エイリアン: コヴェナント』が、ツッコミどころのオンパレードだっただけに、今作についても同じような内容になるんじゃ…みたいな不安もあったのですが。 今作に関してはめちゃくちゃ綺麗に原点回帰しているんですよね。 エイリアンて作品ごとに作風がかなり違ってくるかと思うのですが。 意識されがちなのってやはりド派手なアクション超大作であった2であって。 最少のシチュエーションと登場人物での密室ホラー的な作品であった初代って、これまであまり強く意識されることがなかったかと思うのですが。 今作はその部分にめちゃくちゃ綺麗に回帰しているんですよね。 今作も初代同様、ストーリーが動き出してからは最小限の登場人物での閉鎖的なシチュエーションでの戦い。 正直この映画、作品においての新しい要素ってあまりないと思うんですよね。 むしろ既存の要素の寄せ集めというか。 ただその部分の取捨選択がとても上手...

鬱映画ファイル20『血と骨』

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル20、『血と骨』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『血と骨』は、梁石日(ヤン・ソギル)の同名小説を原作とした、2004年公開の日本映画。主演はビートたけし。 【あらすじ】 1923年、大阪。ある日、済州島からの出稼ぎ労働者が住まう朝鮮人集落にやって来た少年・金俊平。彼も他の朝鮮移民と同じく日本で一旗揚げることを夢みて渡ってきたが、やがてその強靱な肉体と並外れた凶暴さでのし上がっていき、周囲に恐れられるようになる… 私が愛好している鬱映画というジャンルに関しては、電波系からトリップムービーまで、様々なオルタナティブな作品が含まれているので、全ての作品が必ずしも胸糞で激重というわけではないのですが。 そういう意味ではこの映画、本当に正真正銘の真性鬱映画なんじゃないかと。 とにかく胸糞で激重。 この作品に対して使うと「エグい」って言葉がめちゃくちゃ軽く感じてしまうんですよね。それくらいに地獄のような内容。 ゴリゴリに心を削ってくるような胸糞映画って日本映画の十八番だったりすると思うのですが。 この作品はその極致とも言っていいくらいの内容だと思うんですよね。 しかも人間関係や精神描写のドロドロだけでなく、バイオレンス描写も容赦ない。 特に邦画って同じ日本人が作っているだけにちょっとしたニュアンスなんかもリアルに伝わってきてしまいますし、画面の向こうとこちらの境界線が曖昧になりがちで、それゆえに余計に心をやられる部分もあるかと思うのですが。 この作品も本当にめちゃくちゃ嫌な気分にさせられます。しかも見終わった後も胸に残るタイプの全く娯楽として消化できるタイプではない胸糞さ。 ただし映画としてのクオリティは圧倒的に高い作品なので見ておいて損はないかと思います。 本当に映画としての完成度については素晴らしく高い作品なので。 そのような作品だからこそ余計に心がやられるのですが。 よくも悪くもこの映画、本当にすさまじいパワーを持った作品なんですよね。 ここまでのパワーを持つ映画って本当にそうそうないかと思います。 本当に作品としては一見の価値ありなのですが、本当にめちゃくちゃ心がやられるので、その部分の警戒レベルは最高にしておいた方がいいかと思います。 それでもなお相当なダメージを受けてしまうとは思いますが。 崔洋...

鬱映画ファイル19『カッコーの巣の上で』

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル19、『カッコーの巣の上で』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『カッコーの巣の上で』は、1975年のアメリカ映画。原作はケン・キージーが1962年に発表した同名のベストセラー小説。いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作の一つであり、アメリカでは興行収入1億ドルを超える大ヒットになった。 【あらすじ】 刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装い、精神病院に入ったマクマーフィは、絶対的な管理体制をしくラチェット婦長のやり方に反発を覚える。マクマーフィは、管理されることに慣れ、無気力になっていた入院患者たちに生きる希望と活力を与えようとするが… この映画、言わずと知れた名作中の名作かと思います。 アメリカンニューシネマの代表的な作品でもありますし、様々な名作ランキングにも必ずと言っていいほど食い込んでくる作品。 そういうフワっとしたイメージだとこの作品ってかなりの優等生映画に感じられたりもするかと思うのですが。 ただこの映画って単なる感動ドラマや社会派作品という訳でもないんですよね。 もちろんそのような側面も多々ありつつも、かなりアナーキーな内容の作品。 そもそもアメリカンニューシネマってアンチハッピーエンド、アンチハリウッドなアナーキーな作品が主流であった訳で、そこまでお行儀のいい名作って訳じゃないんですよね。 アメリカンニューシネマに限らず、ムーブメントが過ぎ去った後にほんの一部の表層的なイメージのみで当時と全く違った語られ方をしている物って結構あると思うんですよね。 フォークミュージックなどについてもそうかと思うのですが。フォークミュージックもかつては四畳半な昭和でピースフルなミュージックではなく、アナーキーな側面を持った音楽でもありましたし。 そんなこんなでこの映画もそんなにお行儀のいい映画ではないんですよね。 基本的なプロットだけをなぞればゴリゴリの鬱映画ですし。 その手のオルタナティブな映画が好きな偏った趣味をしていると、王道中の王道の名作はあえてスルーしたくなったりする場合も多いかと思うのですが、この映画に関してはむしろ逆なんですよね。 王道中の王道ではなく、むしろこっち側。めちゃくちゃ偏った映画なんですよね。 もちろん名作中の名作であることは間違いないのですが、鬱映画としても相当に満...

鬱映画ファイル18『ザ・セル』

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル18、『ザ・セル』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ザ・セル』は、2000年のアメリカ合衆国のSF映画。 監督はターセム・シン、出演はジェニファー・ロペス、ヴィンス・ヴォーンなど。 【あらすじ】 人間の意識に入り込む研究をする心理学者キャサリンに、FBIからある依頼が。それは逮捕された殺人鬼スターガーの意識に入り、彼が監禁した女性の居場所を探し出すというものだった。スターガーの精神世界に足を踏み入れた彼女に、異様な光景が広がるが… 私にとって鬱映画というのはかなり雑多なジャンルでして。 胸糞映画だけでなく、トリップムービーなどのオルタナティブな作品も多数含んでいたりします。 そんな私にとってトリップ表現や、虚構か?現実か?みたいな、そういう題材はもうこれ以上にない大好物でして。 そしてこの映画はまさにその通りの内容の作品。 特殊な機器を使って相手の夢の中に入るというSF設定に加え、その夢の中のトリップ描写がこれまた秀逸。 SF要素に関してもトリップ描写に関しても、今の感覚で見るとちょっと物足りない部分もあるかもしれませんが。 この映画が公開されたのは2000年。 CGだってまだまだ発展途上でしたし、トリップ要素やこの手のSF要素に関する世界観や、考察などに関しても今ほど確立はされていませんでした。 むしろこの作品、その手のジャンルのパイオニア的存在と言っても過言ではないかと思います。 とにもかくにも当時としてはかなり尖りまくっていた作品でして、その部分の思い出補正込みで私はめちゃくちゃ好きだったりします。 今の感覚で見るのであればちょっと大味なB級映画くらいのスタンスで見るのがいいのかなと。 ただよほどシビアにならなければ今見ても十分に楽しめる作品かと思いますし、サスペンス要素など、ストーリーについてもめちゃくちゃ面白いので一度は通っておいても損はない作品かと思います。 クリストファー・ノーラン監督作品のような、ぐうの音も出ないくらいに世界設定や考察がなされ尽くした映画というのもそれはそれで好きですが。 この映画のような、それら以前のまだあれこれと試行錯誤や模索を繰り返していた頃の映画もそれはそれで好きだったりします。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました...

ソウX

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どうも、松本13です。今回は、『ソウX』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ソウX』は、2023年制作のアメリカ合衆国のホラー映画。『ソウシリーズ』の第10作目。時系列的には『ソウ』と『ソウ2』の間となる。 【あらすじ】 末期がんで余命わずかと宣告されたジョン・クレイマーは、藁にもすがる思いで、危険な実験医療処置を受けるためメキシコに向かう。しかし、この手術は弱い立場の人々から金を騙し取る詐欺であることが判明する。ジョンは復讐のため、自分を騙した詐欺師たちに死のゲームを仕掛けていく… 前作、『スパイラル ソウ オールリセット』はめちゃくちゃ続編を匂わせる終わり方でしたが、評判があまりよろしくなかったからか、作品自体がオールリセットされてしまいました。 そして制作されたソウX。スパイラルからもそこまで時間が空いていないというのに。その部分のスピード感はさすがです。 ソウに限らず、ほとぼりを覚ますということを知らない、駄作はすぐに無かったことにする昨今の映画業界の容赦のなさ、個人的には好きです。 個人的にスパイラルに関してはそこまでひどい内容というわけではなかったのですが、とはいえもう20年以上続いてるシリーズなのでマンネリ化は否めません。 見る側としても、大抵のことをやられてももう驚きはしませんし。パターンももう使い果たしてしまっているかと思います。 なのでかつてほどの衝撃や面白さを持つ続編というのはなかなか難しいと思うのですが、しかし10作目にしてついにきました。 シリーズ最高傑作!初代を超えた!なんて絶賛の声も多々聞こえてくるくらいに評判のいい今作品ですが、私としても初代の次くらいに好きな作品です。 個人的にソウシリーズというのは、初代はとても好きだったのですが、それ以降のシリーズについてはそこまで熱心に追いかけていたというわけではありません。 新作鑑賞時に過去作品のおさらいなどもしていなかったのでいまいちよくわからない部分もあったり。 なので私にとってソウシリーズというのは惰性で追いかけているちょっとよくわからない部分もあるのだけれどまあそこそこは楽しめるくらいのシリーズでした。 ソウシリーズというのは基本デスゲーム、最後の最後に大どんでん返しと伏線回収、そして続編へ…大体このパターンの繰り返しだと思うのですが。 私はそこまで熱心なソウ...

少年は残酷な弓を射る

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どうも、松本13です。今回は、『少年は残酷な弓を射る』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『少年は残酷な弓を射る』は、2011年にイギリスで制作されたサスペンス映画。出演はティルダ・スウィントン、エズラ・ミラーなど。 【あらすじ】 自由奔放に生きてきた作家のエバは子どもを授かったことでキャリアを捨て、母親として生きる道を選ぶ。生まれた息子はケビンと名づけられるが、幼い頃からエバに懐くことはなく、反抗を繰り返していく。やがて美しい少年へと成長したケビンは反抗心をますます強めていき、それがある事件の引き金となる… ティルダ・スウィントンとエズラ・ミラーが地獄のような親子関係を演じた今作。 鬱映画としてもとても有名かと思います。 ティルダ・スウィントンもエズラ・ミラーも、どちらも性別を超越した美しさを持つ名優。実際そのような印象を持っている人も多いかと思うのですが。 個人的にはどちらも見るものを絶妙に不安定にさせる地獄の演者なイメージが強い俳優です。 俳優としてはある種最高の褒め言葉ではあるかと思いますが。 ただ両者ともその手の映画のイメージが強すぎ、それに加えてプライベートでのちょっとアレな言動なども相まって、エンシェント・ワンやフラッシュなどのアメコミヒーローを演じていても、もう怖さしか感じないんですよね。 そんな二人の名優の地獄の競演をうんざりするほど味わえる今作。 鬱映画って様々なパターンがあるかと思うのですが、この映画はもう本当にお手本のような鬱映画。 人間関係のドロドロから、頭のおかしなサイコパス、胸糞展開からの最低鬱エンドに至るまで地獄のハッピーセットが揃っています。 見ている最中も見た後も絶妙に嫌な気分になる、娯楽として消費できないタイプの鬱映画です。 そういう意味では好みは別れるかと思いますが。 ただ映画としても抜群に素晴らしく、そして面白いので一見の価値はあるかと思います。 そのようなクオリティの作品だからこそ余計に胸にくるものがあるのですが。 というわけで今回はこの辺で最後まで。お付き合いいただきありがとうございました。

ターミネーター0

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どうも、松本13です。今回は、『ターミネーター 0』についてです。 今回は、『ターミネーター』 関連ながら映画ではないアニメ作品となるので番外編程度とお考えください。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ターミネーター0』は、2024年のSFアクションアニメーションドラマ。ターミネーターシリーズ初のアニメ作品。アニメーション制作はプロダクションI.Gが担当した。 【あらすじ】 時は2022年。かつて世界を滅ぼした軍事用AI「スカイネット」と人類の戦争は続いていた。人類抵抗軍の兵士であるエイコはハッキング装置にてターミネーターからスカイネットの情報を入手する。それによりスカイネットが1997年8月29日(審判の日)の東京にターミネーターを送り込もうとしていることを察知する… この作品、個人的にはいまいちでした。 決して悪くはないと思うんですよね。ただ確実によくもない。 本当に面白くなりそうな要素は多々あるのですが、絶妙に振り切れず、不完全燃焼のまま終了といったところ。 新作が出るたびに今度こそはと期待して、まあ悪くはなかったんだけど…みたいな微妙な空気感で終わるというのは、ここ30年近く何回も繰り返してきたことなので、今作の肩透かし感というのもある種ターミネータークオリティといえばそうなのですが。 ただ本当に悪くはなかったと思うんですよね。全部通して最高に面白かったとは言えないものの、要所要所ではとても引きつけられたり盛り上がったりする部分もありましたし。 ターミネーターって2以降は明確な成功を収められた作品って一つもないかと思うのですが、ただなんやかんやで各作品を結構何回も見ているんですよね。 ただこのアニメをもう一度見たいかと言ったらかなり微妙なところ。 お決まりの登場人物もキャストも一切出てこず、じゃあ今作ならではの魅力的な主人公や設定やストーリーがあるのかと言ったらちょっと弱いかなと。 ターミネーターならではのシュワちゃんのような金属ゴリラも、サラ・コナーのようなメスゴリラもジョン・コナーのような美少年も、カイル・リースのようなめちゃくちゃいいやつなんだけどそこまで頼りにはならないイケメンとか、 ダイソンのような映画史に残るような顔芸と爆死を披露するような名脇役とか。 そういうの全然ないんですよね。 プロダクションI.Gのアニメということで期待した部...

デッドプール&ウルヴァリン

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どうも、松本13です。今回は、『デッドプール&ウルヴァリン』についてです。 まずは 簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『デッドプール&ウルヴァリン』は、2024年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。『デッドプール』シリーズの第3弾。 【あらすじ】 デッドプールを引退し、恋人とも破局し、しがない中古車販売員として暮らすウェイド。そんなある日、世界に危機が訪れ、ある男に協力を仰ぐことになる… この映画、個人的にはめちゃくちゃ大好きな映画です。 もう最高に楽しめましたし、ちょっと感極まって目頭が熱くなるようなシーンもあったり。 というかデッドプールの続編であり、しかもヒュー・ジャックマンが再びウルヴァリンを演じるという時点で私の中ではもう勝ち確定なんですよね。 仮にヒュー・ジャックマンが復帰するのが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降、いまいちパッとしないMCUの本筋だったら全く魅力は感じなかったのですが。 やりたい放題が許されるデッドプール作品なので、むしろめちゃくちゃ魅力的に感じました。 しかもデッドプール役のライアン・レイノルズとウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンはプライベートでもめちゃくちゃ仲良しということで。 だからこそ今作のような企画が実現したんじゃないかと私個人は思っているのですが。 本当にこれ、数年前だったらライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンのSNSの悪ノリみたいな、エイプリルフールのネタみたいな、それくらいに非現実的な話だったと思うのですが。 デッドプールファンはともかく、X-MENやウルヴァリンファンにとってはこの作品が素晴らしいフィナーレとなった『LOGAN/ローガン』という作品を汚してしまいかねないという部分はかなり不安に感じると思うのですが。 その部分は全く問題ありません。序盤からもう全力で汚しに行っているので。 下手な忖度や手加減がない分、むしろ気持ちいいくらい。何周か回って逆にありなんじゃないかと。 とにかくプライベートでもイチャコラこいてるライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンがデッドプールとウルヴァリンとなってめちゃくちゃやっているという時点でも本当に最高なのですが。 それ以外にもサプライズが多数あるのがこの作品の魅力。 とにかくマルチバース作品としてはかなり極まった内容なんじゃないかと。 その部分は本当に...

ザ・ウォッチャーズ

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どうも、松本13です。今回は、『ザ・ウォッチャーズ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ザ・ウォッチャーズ』は、2024年に公開されたアメリカ合衆国のホラー映画。監督はM・ナイト・シャマランの娘であり、今作が長編デビューとなるイシャイナ・ナイト・シャマラン。 【あらすじ】 28歳の孤独なアーティストのミナは、鳥籠に入った鳥を指定の場所へ届けに行く途中で、地図にない不気味な森に迷い込む。スマホやラジオが突然壊れ、車も動かなくなったため助けを求めようと車外に出るが、乗ってきた車が消えてしまう… この映画、ホラー映画としては過剰な期待さえしなければ良作の範囲に収まる作品なんじゃないかと思います。 好き嫌いはそれなりに別れるかと思いますが、よほどシビアにならなければ駄作のラインを明確に割り込むことはないんじゃないかと。 ゆるいスタンスで見るのであれば割と楽しめる作品かと思います。 ただこの作品、シャマラン映画なんですよね。 その視点で見るとまた評価は違ってくるかと思うのですが。 とはいえ今作はM・ナイト・シャマランではなく、娘のイシャイナ・ナイト・シャマランによる長編デビュー作品。 ひとまず予告編に関してはめちゃくちゃ面白そうなんですよね。 あのM・ナイト・シャマランの、あのM・ナイト・シャマランの、あのM・ナイト・シャマランの娘の長編デビュー作ということもあり、これはもしかしたらもしかするんじゃないか、みたいな。 それとも単なる親の七光りか? いやいや才能をめちゃくちゃ受け継いでいるんじゃないか? もしかしたらちょっとアレな方を受け継いじゃったりしてるのかも? などなど。 シャマラン映画を見ていれば見ているほどあれこれ考えてしまったりするかと思うのですが。 個人的にはそういう感覚であれこれ考えながら見るのが一番面白いんじゃないかと。 そういう意味では良くも悪くもシャマラン映画だと思います。 シャマラン映画ってとにかく当たり外れが激しく、伏線未回収の投げっぱなしエンドなんてことも多々あったり。 ただ当たる時は超ド級な大当たりだったりもするけど。 ただ近年は打率がめちゃくちゃ低かったり。 なのでシャマラン映画を見ていれば見ているほど、毎回疑心暗鬼になってしまいますし、玄人になってくるとむしろその疑心暗鬼を楽しんだりもするかと思うのですが。 今作はシャ...

オープン・ウォーター

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どうも、松本13です。今回は、『オープン・ウォーター』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『オープン・ウォーター』は、2003年公開のアメリカ合衆国のサバイバル・スリラー映画。ダイビングツアー中に手違いから海に取り残された夫婦の恐怖を描いており、1998年に起きた実際の事件が元になっている。 【あらすじ】 忙しい仕事の合間にようやく取れたバカンスを利用し、カリブ海にやってきたダニエルとスーザン夫婦。ツアー客で満杯のボートに乗り込み、ダイビングへと向かった2人は束の間の非日常を満喫。だがスタッフのミスでボートは海に2人を残したまま帰ってしまう。360度水平線に囲まれた状況の中、状況は徐々に、しかし確実に悪化していく… この映画、シチュエーションホラーやサメ映画として紹介されることも多いかと思うのですが。 実際そのような側面を持っている作品ではあるかと思うのですが、ゴリゴリの鬱映画でもあると思うんですよね。 詳細に関してはネタバレになってしまうので伏せますが、おそらくこの映画、多くの人が思った以上に心をやられるんじゃないかと。 シチュエーションホラーにしてもサメ映画にしても、なんやかんやで娯楽色が強い作品が多いかと思いますし、実際それらの作品を、娯楽映画として見る人もかなり多いかと思います。 私もそのようなスタンスでこの映画を見たのですが、この映画のシチュエーションって本思った以上に心をやられるんですよね。 そしてめちゃくちゃ怖い。 本当に思った以上の怖さや絶望感を味わえる作品なんですよね。 この映画特有のそのような感覚って、他の作品では代替が効かないようなものだったりするのである意味貴重なんじゃないかと。 とはいえ作品の性質としてはあくまでシチュエーションスリラー寄りではあるので、過剰な期待は禁物、かつ娯楽要素への期待についても控えめにしておいた方がいいかと思いますが。 その分鬱要素や心にくるような要素に関しては思った以上に味わえるかと思うので、その手の映画が好きなのであれば一度は見ておいても損はない作品なんじゃないかと。 本当に一過性のアトラクション型ムービーとして気を抜いて見ているとめちゃくちゃ胸に来るものがあるんですよね。 経験がある人は分かるかと思うのですが、水って思った以上に怖いものだったりするのですよね。 夜の海ってもう入っているだ...

CLIMAX クライマックス

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どうも、松本13です。今回は、『CLIMAX クライマックス』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『CLIMAX クライマックス』 は、2018年の仏白合作のミュージカル・ホラー映画。監督はギャスパー・ノエ。主演はソフィア・ブテラ。誤ってLSDを摂取してしまったダンサーたちが、次第に精神が崩壊していくさまを描いている。また、本作の主要キャストにはブテラの他に、全員演技未経験のダンサーたちが起用されている。 【あらすじ】 アメリカ公演のために携帯も通じない人里離れた建物に集められた22人のダンサー。雪が降り、陸の孤島と化したその施設での打ち上げ最中に何者かが飲み物にドラッグを混入。ダンサーたちは、次第に我を忘れトランス状態へと堕ちていく… 今作の監督は鬼才ギャスパー・ノエ。 鬱映画を語るうえで必ず名前の挙がる監督。鬱映画に限らずヤバめなジャンルの映画においては常連中の常連、かつ巨匠中の巨匠。 ギャスパー・ノエ監督作品を一言で鬱映画というのは表現として適切ではないかもしれませんが。 とはいえギャスパー・ノエの映画が鬱映画か否かと言ったら俄然鬱映画なわけでして。 とはいえただ胸糞であったりバッドエンドであったりする訳ではなく、作品自体に本当に強烈なパワーがあるんですよね。 その唯一無二のパワーで世界中の映画ファンを魅了してはいるものの、それが強烈すぎちゃって一部ではトラウマも相当に量産していたり。 そんなギャスパー・ノエ監督による今作は何者かが飲み物に混入させたドラッグによって図らずもガンギマってしまったダンスサークルが引き起こす地獄を垣間見ることができる怪作。 ギャスパー・ノエ監督作品の魅力って決して一言で単純に言い表せるものではないのですが。 鬱映画的な観点から見るのであれば予想外の方面から様々な地獄を見せつけてくる点でしょうか。 ありえない過激描写がさらっと描かれたり 、斜め上の展開から心をえぐってきたりと他の作品にはない映像体験ができることは間違いありません。 もう本当にうんざりするような描写や展開もあったりするのですが、ただその独特の映像クオリティが確実に世界で唯一無二のものであるために目が離せないし、新作が公開されるたびに見てしまう稀有な監督であったりします。 ギャスパー・ノエは鬼才だとか寡作な天才だとか様々な呼ばれ方をしている監督です...

ウェイキング・ライフ

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どうも、松本13です。今回は、『ウェイキング・ライフ』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『ウェイキング・ライフ』は、2001年のアメリカ映画。リチャード・リンクレイター監督作品。実写映像を撮影し、それをデジタルペインティングで加工したアニメーション映画であり、浮遊感やトリップ感覚などを表現する為に複数のエフェクトがかかっている。 【あらすじ】 「夢は運命」。その言葉を聞いた夜に空へと堕ちていく少年。そして少年は目覚める度に違う夢を見る… 全然関係ないのですが、この映画のあらすじってなんかちょっとアレな感じの詩みたいですよね。 魔法のiらんどとかYahoo!ジオシティーズとかブログサービス全盛期とか。古のインターネットにこういうテンションのサイトって結構あったと思うんですよね。 一部の人にとっては致死量レベルの黒歴史だと思うのですが。 なんて話はさておき、この映画、個人的にめちゃくちゃ好きな映画です。 そして隠れた名作としてもめちゃくちゃ推したい作品。 監督は『スクール・オブ・ロック』のリチャード・リンクレイター。超有名どころの監督です。 しかしながらリチャード・リンクレイター監督作品といったら大抵の人は『スクール・オブ・ロック』か『6才のボクが、大人になるまで。』あたりを挙げるかと思います。 とにもかくにも作品単体としてはもちろんのこと、リチャード・リンクレイター監督作品としても全然知名度のない作品なんですよね。 ただ内容はもう本当に最高に素晴らしいんですよね。 個人的にアニメ映画や変則映画としてはもちろん、トリップムービーとしてもトップクラスに好きな作品。 とにかくちょっと変わった映画とか、これが夢か現実かとか、浮遊感のあるトリップ表現とか、その手の作品が好きな人にとってはこれ以上にない作品かと思います。 押井守、今敏、中村隆太郎、湯浅正明監督あたりの映像表現などが好きな人にも激しくおすすめ。 そこまで難解な映画ではないかと思うのですが、ただ分かりやすさも相当に控えめなため、確実に好みは分かれるかと思うのですが。 ただ刺さる人には本当にこれ以上にないくらいぶっささる、最高の拾い物映画となるかと思うので、一度は見ておいても損はないかと思います。 撮影した実写をペイントしてアニメ化するロトスコープという映像表現しかり、リチャード・リンクレイタ...

さがす

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どうも、松本13です。今回は、 『さがす』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『さがす』は、2022年1月21日公開の日本映画。監督は片山慎三、主演は佐藤二朗。 【あらすじ】 大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、 智は煙のように姿を消す。ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始める… この映画、SNSなどの印象もあり、昨今ではおもしろおじさんみたいなイメージの強かった佐藤二朗がゴリゴリにブラックな演技を見せたことでも話題となりました。 本当にめちゃくちゃ重く、胸をえぐられる内容なんですよね。 胸糞系鬱映画が好きな人にとってはこれ以上にない内容なんじゃないかと。 個人的にはただ胸糞が悪いだけの鬱映画にはそこまで興味はなかったりするのですが、この作品は映画としてもめちゃくちゃ面白いんですよね。 鬱映画としてはもちろん、サスペンス映画としても抜群に面白いので一見の価値はあるかと思います。 かなり胸糞な作品ではありますが、ただ邦画の胸糞作品としてはそこまでやばいレベルではないかと思います。 結構胸をえぐられるシーンはあるのですが、ただ作品自体の面白さでその部分のダメージはかなり中和されるんですよね。 その部分の塩梅が個人的にはとても好きです。 片山慎三監督作品って今作も含め、ゴリゴリに心をえぐってくる胸糞映画が多い、というより胸糞映画しかないのですが。 ただその手の他の映画とは一線を画すある種のクオリティというか、独特のパワーというか魔力のようなものがあるんですよね。 なのでゴリゴリの鬱映画であっても、片山慎三監督作品に関してはめちゃくちゃ好きだったりします。 もうこれ以上にないくらいに心をえぐってくるのですが、ただその分得るものもあるというか、映画そのものの面白さもしっかり味わえるんですよね。 とにもかくにも毎回すさまじい映画を作る監督ではあるので、どこかで一度通っておいても損はない作品かと思います。 ハマる人は本当にハマるし、無理な人でも今後の不幸な事故を避ける為の耐性や作品の傾向を知っておくという意味でも。 私個人としては片山慎三監督作品は胸糞邦画というよりアリ・アスター監督作品に近い方...

TAMALA2010 a punk cat in space

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル27、『TAMALA2010 a punk cat in space』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『TAMALA2010 a punk cat in space』は、2002年に制作された日本のアニメ映画。制作はhideの設立したレコードレーベル・LEMONedの共同プロデューサーであるt.o.L。ストーリーはトマス・ピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』のアニメ版ともいえる内容となっている。 【あらすじ】 2010年、雌猫のタマラは、一歳の誕生日を機に、住処のあるネコ地球のMEGURO-CITYを離れ、生みの母のいるオリオン座エデッサ星へ行くことにした。しかし隕石の衝突により宇宙船が故障し、ネコ地球にそっくりな惑星・Q星に不時着してしまう… この作品、映画としてもアニメとしてもそこまでメジャーではないので知らない人も多いかと思いますが。 個人的にはめちゃくちゃ好きな作品です。 パッと見はなんだかちょっと可愛い系の映画に見えたりもしますが、内容は決してそんなことはなく。 かといって分かりやすく安っぽいブラックな方面に走ったりもせず。 シュール、難解、哲学的、などなど。 人によって様々な楽しみ方ができる内容となっています。 頭を空っぽにして見れるタイプの作品ではないけれど、意味不明とか、一見さんお断りとか、ぶん投げとか、そこまではいかない。 その部分の塩梅が本当に絶妙な作品なんですよね。 一昔前の、深夜にテレビをつけた時にやっていた妙なアニメみたいな、そんな平成特有のちょっと電波な感じが楽しめる作品。 そもそも電波という感覚がデジタル全盛、ネットがインフラとなった今や通じない感覚なのかもしれませんが。 そんな今の物とは一味違うオルタナティブな感覚や逸脱感、そして平成特融の退廃感などを味わえる作品です。 一つの映画としてはもちろんのこと、hideの設立したLEMONedの作品ということもあり、その手の作品としての見どころもかなりあるかと思います。 平成の、hideやLEMONed特有の雰囲気や感覚、当時を知っている人には「あの感じ」だけでも十分に伝わるかと思いますが。 本当に様々な意味での「平成」をたっぷりと味わえる作品。 平成ポップとは一味違った当時のリアルを体験できるという意味でも貴重な作品...

マダム・ウェブ

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どうも、松本13です。今回は、『マダム・ウェブ』 についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『マダム・ウェブ』は、マーベル・コミックスの同名のキャラクターを主人公とした、2024年公開のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。コロンビアピクチャーズがマーベルと共同で製作した、「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」(SSU)の第4作目である。 【あらすじ】 ニューヨークで救急救命士として働くキャシー・ウェブは、救命活動中の事故により、未来予知の能力に目覚める。偶然出会った3人の少女たちが殺される未来のビジョンを見てしまった彼女は、少女たちを助けることを決意する… この映画、興行・批評、あらゆる面で失敗し、ボロクソに言われている映画かと思うのですが。 個人的には結構好きです。普通に楽しめました。 ただそれは私が、SSU(ソニーズ・スパイダーマン ・ユニバース) という、使っている人を全く見たことがない呼称なのですが、とにもかくにもこの一連のシリーズに、全く期待をしていないからというのもあるかと思います。 そもそもスパイダーマンの世界観だけど、スパイダーマンは出てこないという、その時点で普通に考えたらかなり微妙だと思うんですよね。 もちろん同じような性質の作品でも『ジョーカー』のように大成功した事例もあるのですが。ただジョーカーとはキャラクター性も、その知名度も、何より作品としての質も全く違うと思うんですよね。 アメコミヒーロー映画なのにヒーローが出ないという、その時点で相当にうまくやらなければいけない映画かと思うのですが。 そもそもSSUってその部分を一度もうまくできていないわけで。 なので私としてはSSUに関してはいまいちパッとしないシリーズ、くらいの期待値で毎回見ているのですが、それくらいの期待値で見る分には普通にどの作品も面白いんですよね。 他のアメコミシリーズほど壮大にもなりすぎず、重くもなりすぎない楽に見れるB級映画みたいな。 本当にそれくらいのノリで見る分には普通に面白いんですよね。 ただ誰しもがそういう生ぬるい目線でこの映画を見てくれるわけじゃなく、むしろスパイダーマン関連作品なのだから、それなりに期待をするのが普通だと思います。 それにこの映画って、これまでのSSU作品よりもさらに微妙さに磨きがかかった作品だと思うんですよね。 これまで...

PERFECT DAYS

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どうも、松本13です。今回は、『PERFECT DAYS』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『PERFECT DAYS』は、2023年に日本・ドイツ合作で制作されたドラマ映画。ヴィム・ヴェンダース監督作品。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演の役所広司が男優賞を、作品はエキュメニカル審査員賞を受賞した。 【あらすじ】 東京・渋⾕でトイレ清掃員として働く平⼭は、静かに淡々とした⽇々を⽣きていた。同じ時間に⽬覚め、同じように⽀度をし、同じように働いた。その毎⽇は同じことの繰り返しに⾒えるかもしれないが、同じ⽇は1⽇としてなく、男は毎⽇を新しい⽇として⽣きていた… この映画、カンヌを受賞し、批評的にもかなり絶賛されている映画かと思います。 ジャンルとしてはヒューマンドラマに属する作品。 B級ホラーやアクション映画などが主食な私としては、この手のプレーンな映画というのはそこまで好んで見る方ではないのですが。 ただこの映画は個人的にとても好きな作品だったりします。 この手の映画って本当に好きな人しか見ない、興味ない人はとことん興味ない類の映画かと思うのですが。 ただ時折、普通なら全く興味のない層にまで届くような素晴らしい映画というのがありまして。 例えば私のようなシンプルなアクション映画好きでも、デヴィッド・リンチ監督の『ストレイト・ストーリー』が好きな人ってめちゃくちゃ多いと思うんですよね。 個人的にこの映画はそんな感覚で見れる、ジャンルの壁を飛び越えられる類の作品かと思います。 普段この手の映画を見ない人もめちゃくちゃ楽しめる作品。 かといってそこまで明るく楽しい内容の映画ではないのですが。 ただぱっと見の印象ほど重くて暗い話でもないんですよね。むしろ内容としてはかなり気軽に見れる内容。 有名な映画賞を受賞したお墨付き作品ということもあり、もちろんこの手の作品を普段から好んでいる人にとってはめちゃくちゃ琴線に触れるタイプの作品かと思いますが。 この映画の優れているところって普段このような映画を見ていないような層に対してもしっかり届くところだと思うんですよね。 それとこの映画、キャストが本当に豪華なんですよね。 ちょっとしたシーンのちょっとした役にもめちゃくちゃ豪華なキャストが起用されていたり。 意外なところで意外な役柄を意...

クローズZERO

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どうも、松本13です。今回は、『クローズZERO』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『クローズZERO』は、高橋ヒロシの漫画『クローズ』を原案とした2007年10月27日公開の日本映画。監督は三池崇史、主演は小栗旬。 【あらすじ】 手に負えない不良学生たちが集まる鈴蘭男子高等学校。派閥争いが続く校内では、最大勢力「芹沢軍団」が幅をきかせていた。しかし実現不可能といわれる学園制覇を狙う滝谷源治が転校してきたことにより、情勢が変わり始める… この作品、伝説の不良漫画の実写化ということもあり、それなりに賛否は分かれているながらも、一般的には良作ぐらいの評価は受けているかと思います。 個人的にもコミック版クローズについては直撃世代であり、とても強い思い入れがあるのですが、この作品に関しては嫌いではありません。 正直大好きかと言ったらそういうわけでもないのですが、ただいい作品だとは思いますし、見て良かったなとは思います。 作品としてはとても優れていると思うんですよね。 原作ファンなので多少もやる部分はありながらも普通に楽しめました。 これって何だか煮え切らないレビューのように感じられるかもしれませんが、クローズ実写化の評価としてはとてつもなく高い評価だと思うんですよね。 クローズ実写化が発表された際は、本当にとんでもないことになると思ったんですよね。それこそ本当に、「えらいこっちゃ… 戦争じゃ…」みたいな。 めちゃくちゃ荒れるだろうなと。 何て言うかクローズって、実写化しちゃいけないコミック筆頭格みたいなものだと思っていたんですよね。 クローズって本当に世代によっちゃ聖典というか聖域というか、それくらい言っても大げさではないくらいの存在でして。 『デビルマン』やなんやで火柱あげてる日本映画界が絶対に手を出しちゃいけないところなわけで。 しかもゴリゴリのヤンキー漫画なわけで、読んでる方も血の気の多い人間が多いわけで、それを実写化するんだからそれこそ血の雨が降るんじゃないかと。 本当にそれくらいの予感がしていたんですよね。 しかもヤンキー漫画ゆえ、本物感が問われる部分も多々あったりしますし、SF要素が皆無な分、特撮やらCGやらでごまかすこともできませんし。 ちょっとこの漫画の実写化は無理だろうと思うことはこの作品に限ったことではなかったのですが、ただ他の...

マーベルズ

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どうも、松本13です。 今回は、『マーベルズ』 についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『マーベルズ』は、2023年のマーベル・コミックのスーパーヒーローを題材としたアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。2019年公開の『キャプテン・マーベル』の続編で、「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の33作目にあたる。 【あらすじ】 キャプテン・マーベルとミズ・マーベル、モニカ・ランボーの3人が、力を使うたびに入れ替わる謎の現象に巻き込まれる。そんな中、最強の敵がキャプテン・マーベルの前に現れ、過酷な戦いが始まる… この作品はMCUでは最低の興行成績(公開時点) と言われています。その他のあらゆる数字の面でもMCU最下位、もしくは限りなくそれに近しいレベル。 そのような部分ではかなり悲惨な作品なのですが、ただ内容は普通に面白いんですよね。 評価は人によってある程度分かれるかもしれませんが、少なくとも駄作ではないかと。 じゃあなんでこの映画がここまで悲惨なことになったかと言ったら、いわゆる「マーベル疲れ」。これに尽きると思うんですよね。 これまで10年以上続いてきて、ようやく『エンドゲーム』で終わったと思ったらまだ続くとのこと。しかもこれからは映画だけでなくディズニープラスに入会してドラマも追いかけなければいけない。 そりゃ疲れるのは当たり前だと思うんですよね。 私はエンドゲームまでの作品はほぼリアルタイムで見ていましたが、映画だけでも結構大変なんですよね。 それに加えてドラマまで追いかけなければいけないって相当に大変です。 しかもそれが面白かったらいいのですが、手放しで面白いとは言えない物も多かったり。 もちろん全てが駄作というわけではないのですが。 とはいえエンドゲームまでのフェーズ1・2・3に比べたら圧倒的に魅力が劣るのは間違いないかと思います。 フェーズ4の作品がとにかく不人気なのはマーベルに疲れた視聴者のことを全力で置いて行ったからなんじゃないかと。 制作側はそれでもついてくると思っていたのかもしれませんが。 そうやってフェーズ4を続けた結果がマーベルズの悲惨な結果につながったのではないかと個人的には考えています。 マーベルズ公開までに多くの人がMCU作品を追いかけるのをやめてしまったんじゃないかと。 完全にマーベル映画と決別したとい...

鬱映画ファイル17『パンズ・ラビリンス』

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル17、『パンズ・ラビリンス』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『パンズ・ラビリンス』は、2006年のメキシコ・スペインのファンタジー映画。監督・脚本はギレルモ・デル・トロ。本作は世界各国で数々の映画賞を受け、第79回アカデミー賞では撮影賞、美術賞、メイクアップ賞を受賞し、外国語映画賞では次点となった。 【あらすじ】 内戦で実父を亡くした少女オフェリアは、恐ろしい義父から逃れたい気持ちから、自宅付近にある謎めいた迷宮に足を踏み入れる。すると、そこには迷宮の守護神パンがおり、オフィリアに彼女こそが魔法の王国のプリンセスであると告げるが… 鬱映画と一口に言っても色々なベクトルがあると思うのですが、個人的にはこの作品のような、既存のテンプレに当てはまらない白でも黒でもない曖昧なグラデーションの作品、みたいなタイプの鬱映画が一番好きだったりします。 ビジュアル的なとっつきやすさもありつつ、ストーリーも抜群に面白く、ダークファンタジー要素や異形クリーチャー要素などもあり、内容も盛りだくさん。 鬱映画としてはこの映画が一番全方面に向けておすすめできる作品なんじゃないかと個人的には思っています。 逆にこの映画がダメだったらどの方面でも無理なんじゃないかと思ったり。 求めるものによっては物足りなさを感じる部分もあったりするかもしれませんが、映画としては普通に面白いですし。 とはいえ決して明るく楽しい話ではありませんし、子供が見たらトラウマになってしまうようなシーンも多分に含んでいます。 実際この映画を何かの間違いで子供の頃に見てしまい、トラウマになってしまっている人もそれなりにいると思うんですよね。 少なくともこの映画、ビジュアルはまっとうなファンタジーっぽく見えますし。 そういう部分でも子供に見せて大丈夫だろうと、妙に親検閲をくぐり抜けてしまったという不幸な事故も結構あるんじゃないかと。 テレビ放映についても同様。少なくともこの映画、序盤に関しては真っ当なファンタジー映画だったりしますし。 そのような要素に加えネットの一部で擦られまくっている名物キャラなんかも出てくるので一度は見ておいても損はないんじゃないかと思います。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

鬱映画ファイル16『女神の継承』

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル16、『女神の継承』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『女神の継承』は、2021年に公開されたタイ・韓国合作のモキュメンタリー・ホラー映画。制作・原案はナ・ホンジン。 【あらすじ】 タイ東北部の小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。ニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった… この映画、初見時はいまいちピンと来なかったんですよね。 韓国の胸糞血みどろサスペンスの名手ナ・ホンジン制作という部分に過剰に期待しすぎてしまったせいもあるかと思いますが。 逆にその部分にあまり期待しすぎなければ普通に面白い映画かと思います。 本当にナ・ホンジン云々の部分を抜きにすると映画としては本当によくできていると思うんですよね。 全体的にじめっとしていて、本当に嫌な気分を味わえる映画です。 この手のアジアンホラーにしても、モキュメンタリーにしても、それなりに見慣れている人はある程度のパターンが読めてくると思うんですよね。 ただこの作品、そういうパターンというかテンプレを絶妙に外してくる。そして絶妙にこちらを気持ちよくさせてくれない。 しかも90分程度で終わるちょうどいい感じの作品というわけではなく、2時間オーバーの長尺。 そんな尺いっぱいに陰鬱な展開を引っ張りに引っ張った挙げ句、最後の最後までこれまた絶妙に嫌な気分を味わわせてくれます。 しかもそれらがネタになるようなぶち抜けた気持ち悪さじゃなく、ネタにして回収することすらできない、うまく言語化できない妙な気持ち悪さなんですよね。 そういう意味では他にあまりない類の作品ではあるかと思うので、一度は見ておいても損はないかと思います。 好き嫌いはかなり別れるかと思いますが。 個人的には初見時は本当にピンと来なかったのですが、何周かするとこれはこれでありかなと思えるようになってきました。 モキュメンタリー作品としても、エクソシストなどの祈禱系作品にしても最近はなんやかんやで娯楽色や爽快感の強い作品が多いかと思うので。 この作品のようなパターンというのもそれはそれで大いにあ...

鬱映画ファイル15『フォーリング・ダウン』

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル15、『フォーリング・ダウン』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『フォーリング・ダウン』は、1993年のアメリカ映画。主演はマイケル・ダグラス、監督はジョエル・シュマッカー。平凡な中年男性が、些細なきっかけと偶然の積み重ねの不幸からストレスを爆発させ暴走する様を描く。 【あらすじ】 1991年6月12日のロサンゼルス。真夏の太陽にさらされた灼熱のハイウェイで、道路工事による大渋滞が発生。これに巻き込まれた中年男性は、エアコンや窓の故障、車内に入り込み飛び回る蝿に苛立ちを募らせる。業を煮やした彼は遂に車を乗り捨て、問いかける他のドライバーに対して「家に帰る」と言い残し、道路から立ち去った。彼の、怒りに満ちた大暴走が始まる… この映画、作品としてそこまで絶大な知名度はないかもしれませんが。 とはいえ残る人の中には強烈に印象に残っている映画だと思うんですよね。 人気格闘漫画『タフ』の「おとん」が今作のマイケル・ダグラスをモデルとしたことは有名ですし、キャラ造形として今作のマイケル・ダグラスを参考にしたという例もかなり多いと思うのですよね。 それくらいに今作のマイケル・ダグラスは強烈。 個人的に凶暴なおっさんが大暴れする映画というのは大好物なのですが、どのようなおっさんが後に出てこようとも、この作品のマイケル・ダグラスを超えるインパクトを持つ凶暴なおっさんというのは未だにいなかったりします。 それくらいに今作のマイケル・ダグラスは圧倒的なんですよね。 この映画、本当に「一体私は何を見せられているんだろう?」みたいな気分になる、そんな妙な映画だったりします。 鬱映画のベクトルにもいろいろあるかと思うのですが。 一切共感できない主人公の、これまた全く共感できない行動原理に延々と付き合わされるみたいな、妙な鑑賞ストレスを味わうことができる作品。 とにかく他の映画にはない強烈な感覚を味わうことのできる作品ですので、一度は見ておいても損はないかと思います。 刺さらない人には果てしなく刺さらないかと思いますが、刺さる人には相当にぶっ刺さるタイプの映画かと思います。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

鬱映画ファイル14『レクイエム・フォー・ドリーム』

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どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル14、『レクイエム・フォー・ドリーム』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『レクイエム・フォー・ドリーム』は、2000年公開のアメリカ映画。普通の生活をしていた人々が、ドラッグにより破滅してゆく様を描いた衝撃作。原作は脚本も手がけたヒューバート・セルビー・ジュニアの小説『夢へのレクイエム』。 【あらすじ】 ブルックリンに住む孤独な未亡人・サラ。お気に入りのテレビ番組から電話抽選で出演依頼を受けたサラは、スリムなドレスを着こなそうとダイエットを決意する。一方、ドラッグ漬けの生活を送るサラのひとり息子ハリーは、ドラッグの密売を持ちかけられ.. この映画、鬱映画としては相当に有名な作品かと思います。 鬱映画としてだけでなく、胸糞映画や落ち込む映画など、その手のあらゆるランキングで必ずトップに挙がる作品。 それくらいに純度の高い、最低な気分をうんざりするほどに味わえる作品だったりします。 にもかかわらず、映画としては抜群に素晴らしいんですよね。 これだけうんざりする内容、かつドンパチやSF要素などの視覚的に派手な飛び道具もなしに最後まで見せるって本当にすごいことだと思うんですよね。 むしろそれくらいに素晴らしい作品だからこそ余計に胸に来るものがあります。 ドラッグ中毒という、それこそ世界のどこでも起こりうる現実的な問題をテーマとしているだけに。 見ているこちらの感情の逃げ場もないんですよね。 『セブン』や『ミスト』も最悪な映画ではありますが、とはいえ一旦見終わると結構気持ちは切り替えられると思うんですよね。 ただこの映画って題材が題材、かつ登場人物も登場人物、そしてその見せ方やストーリーゆえに、見終わった後も本当に逃れられないくらいに嫌な気分が続くんですよね。 視聴後のそういう感覚って本当にこの映画特有のものだと思います。 そういう意味では一度は経験しておいてもいい感覚かもしれません。 良くも悪くも他ではなかなか味わうことのできない感覚ですので。 作品としては本当に素晴らしいので見ておいて損のない作品でもありますし。 鬱映画としてもおそらく今後く語り継がれる名作であることは間違いないかと思いますし。 というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

シビル・ウォー アメリカ最後の日

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どうも、松本13です。今回は、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』についてです。 まずは簡単な概要とあらすじから。 【概要】 『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、アレックス・ガーランド脚本・監督による2024年公開のアメリカ合衆国・イギリスのスリラー映画。19の州が合衆国から離脱しテキサス州とカリフォルニア州からなる「西部勢力」と連邦政府による内戦が勃発した近未来の米国を舞台に、ニューヨークから首都ワシントンD.C.へと向かう4人のジャーナリストを描く。 【あらすじ】 大統領率いる連邦政府と、合衆国を離脱した州からなる勢力「WF」が内戦状態にある近未来のアメリカ。ベテラン戦場フォトグラファーのリーとジャーナリストの同僚ジョエルは、14か月の間メディアのインタビューに答えていない大統領に直撃インタビューを行うため首都ワシントンD.C.を目指す旅に出る… シビル・ウォーと言ったら一般的にはマーベルやキャプテンアメリカなイメージが強いかもしれませんが、とはいえこの映画も一部ではかなり話題となっている映画かと思います。 表現としては必ずしも適切ではないかもしれませんが、個人的にはこの映画、まさに「エッジが効いた」という表現がぴったりな映画。 アメリカで内戦が勃発って、もうそれだけで勝ち確定だと思うんですよね。 実際このテーマだけでもかなり食指の動く人がいると思うんですよね。 この映画、内戦の詳細についてはそこまで語られはしないのですが。 とはいえ作品の要所要所からある程度察することはできるかと思います。 「何が起きてるんです?」みたいな冒頭から徐々に明らかとなっていく実情。 そして今作、主人公が武器を持たないカメラマンゆえ緊張感が半端ないんですよね。 それより何よりこの映画、数年前の議会襲撃事件とかコロナ時の分断とかを経験した上で見るとめちゃくちゃリアルなんですよね。 しかも日本公開は大統領選の直前。 まじで笑えないというか、普通にありえてもおかしくないというか、下手したら数年後に普通に起きることかもしれないみたいな。 下手すると数か月後に。 とにかくその手の考察などについては死ぬほどはかどる映画なので、その手の映画が好きな人にはめちゃくちゃおすすめです。 風刺や皮肉が効いていてめちゃくちゃ社会派で、無駄な派手さのないトーン抑えめのリアルな内容。 映画としてはめちゃくち...

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